2026-04-24 コメント投稿する ▼
佐賀県と国の新幹線協議、認識のずれ鮮明に 「ストライク」か「高め」か、山口知事が指摘
国土交通省と佐賀県の間で、九州新幹線西九州ルート(武雄温泉―新鳥栖間)の整備を巡る意見交換で、認識のずれが浮き彫りになっています。 しかし、この見解に対し、山口知事は4月24日の定例記者会見で、「私から見るとかなり高めだった」と率直に述べ、国の提案が必ずしも受け入れやすいものではなかったとの認識を明らかにしました。
長引く新幹線整備を巡る対立
九州新幹線は、博多駅から鹿児島中央駅までを結ぶ区間がすでに開業していますが、武雄温泉駅から新鳥栖駅までの区間については、整備のあり方を巡り長年議論が続いています。国は、いわゆるフル規格での整備、つまり新幹線がそのまま走行できる規格での建設を推進したい考えです。しかし、佐賀県は、それに伴う莫大な財政負担や、地元への経済効果などについて慎重な姿勢を示してきました。県民の理解を得ながら、地域の実情に合った着実な整備を進めるべきだという声も根強くあります。
「ストライク」か「高め」か、認識の食い違い
こうした中、2026年4月16日、国土交通省の担当者と佐賀県の山口祥義知事が意見交換を行いました。この席で、国側は、ルートを特定しない形での環境影響評価(アセスメント)の実施を提案したと報じられています。この提案について、記者が「ボールを投げた認識か」と尋ねたところ、国交省の水嶋智事務次官は「決してビーンボールを投たつもりはない。ストライクゾーンで真ん中のストレートを投げた」と、自信を持って提案したとの認識を示しました。
しかし、この見解に対し、山口知事は4月24日の定例記者会見で、「私から見るとかなり高めだった」と率直に述べ、国の提案が必ずしも受け入れやすいものではなかったとの認識を明らかにしました。さらに、「だが、バットに当ててとりあえず打ち返したつもりだ」と付け加え、県としては、提案された内容に対して、何らかの対応を試みたものの、十分な回答には至らなかったことを示唆しました。
協議の行方への懸念
さらに山口知事は、意見交換の後も水嶋事務次官と電話で話したことを明かし、「もうちょっと真ん中にしませんかという話をしている」と述べました。これは、国の提案が知事の意図する「真ん中」からは外れていることを改めて示唆するものです。知事は、具体的な意見交換の内容については触れず、「今回の議論はまだ始まったばかりなので見守ってほしい」と語りましたが、その言葉の端々からは、国との間で依然として大きな温度差があることがうかがえます。
今回のやり取りは、新幹線整備に関する国と佐賀県の根本的な立場の違いを象徴していると言えるでしょう。国が「真ん中」と捉える提案が、なぜ佐賀県にとっては「高め」と感じられてしまうのか。そこには、整備費用の負担割合、地域経済への波及効果、そして将来的な採算性など、県が重視する様々な要素が関係していると考えられます。県民生活への影響を最優先に考える知事と、全国的な交通網整備を進めたい国の、それぞれの立場がぶつかり合っている形です。
今後、この認識のずれをどのように埋めていくのかが、協議の行方を左右する重要な鍵となります。県が求める「真ん中」とは具体的にどのような着地点なのか、そして国はそれに対してどのような歩み寄りを見せるのか。両者の対話が、真に建設的なものとなるかどうかが注目されます。