2025-05-15 コメント投稿する ▼
就職氷河期世代の住まい確保へ、公明党が支援強化を議論|単身者の住宅難民リスクに対応
就職氷河期世代の住宅支援強化へ
公明党の「就職氷河期世代」支援検討委員会(委員長:三浦信祐参院議員)は5月15日、参院議員会館で会合を開き、政府が4月25日に行った関係閣僚会議の内容について報告を受け、意見を交わした。特に注目されたのは、単身者を中心とした住宅確保の支援強化である。
政府は、1990年代から2000年代初頭にかけての「就職氷河期世代」を対象に支援策を強化している。この世代はバブル崩壊後の景気低迷期に社会に出たため、正規雇用に就くことが難しく、非正規雇用や低賃金に悩む人が多い。さらに、単身者が多く、将来的な住まいの確保が困難になることが懸念されている。
住宅難民化のリスク
調査によると、就職氷河期世代の単身者は持ち家を持つ割合が他世代よりも低く、今後の高齢化に伴い、住宅を失うリスクが高まるとされている。特に家賃を支払う余裕のない高齢者は、賃貸物件への入居を拒否されるケースも出てきており、「住宅難民」となる可能性が指摘されている。
参加議員からは、単身世帯向けの住宅支援を強化する必要性が強調された。また、奨学金の返還支援など、経済的負担の軽減も求める声が上がった。
政府の支援策と地方の取り組み
政府は就職氷河期世代に対し、「就労支援」「社会参加支援」「高齢期を見据えた支援」の3つの柱で対応を強化している。特に、単身者の住宅確保については、地方自治体と連携し、空き家の活用や低家賃の住まい提供などが進められている。
東京都では、都営住宅の空き部屋を活用し、就職氷河期世代向けに家賃補助を行う取り組みが進行中だ。また、職探しの支援もセットで提供し、自立を目指す人々の生活を後押ししている。しかし、用意された住宅の入居希望者が少ないことが課題とされ、さらなる広報活動が必要だと指摘されている。
今後の課題と展望
就職氷河期世代の支援は、単なる就労支援に留まらず、住宅や生活支援を含めた総合的な取り組みが求められている。特に高齢化が進む中で、安心して暮らせる住環境の確保が急務となっている。
政府や自治体、民間団体が連携し、実効性のある支援策を講じることが重要だ。また、支援を受ける側が情報を得やすいよう、広報活動の強化も必要だろう。
* 公明党の支援検討委員会が就職氷河期世代への支援を強化。特に単身者の住宅確保が課題。
* 就職氷河期世代の単身者は持ち家率が低く、高齢化で住宅難民化の懸念がある。
* 政府は住宅支援や就労支援を強化。東京都では都営住宅の空き部屋を活用した取り組みを実施中。
* 支援の実効性向上や広報活動の強化が今後の課題。