2026-04-28 コメント投稿する ▼
奈良県職員384人が通勤手当を不正受給 総額1228万円超 「意図的でない」では済まない制度の根本問題
奈良県は2026年4月28日、管理職を含む職員384人が通勤手当を不正に受給していたと発表しました。総額は約1228万5千円にのぼります。県は「意図的な不正は見受けられなかった」としていますが、384人という規模は組織的な管理体制の不備を示しており、全国の自治体でも同様の問題が繰り返されるなか、制度そのものの見直しが急務です。税金で成り立つ公務員の手当管理に、「うっかりミス」という言い訳が通用するのか、改めて問われています。
384人・1228万円超の不正受給 人事異動後の申請漏れが主因
2025年度、奈良県は公共交通機関を利用して通勤する職員に対し、交通費の支払い状況の確認を実施しました。その結果、認定された通勤経路に沿った定期券の写しなど、利用状況を客観的に示す資料を提出できない職員が複数判明しました。
返納の対象は課長補佐級以上の管理職65人と一般職員319人の合計384人で、返納額の合計は約1228万5千円です。
県は管理職65人を厳重注意処分とし、一般職員のうち253人を文書注意、育児・介護などの事情があった66人を口頭注意としました。不正受給の主な原因として、人事異動後に通勤経路の変更申請を忘れたことや、根拠資料の制度・運用に関する認識不足が挙げられています。
「意図的でなければ問題が軽い」は本当か
奈良県は「意図的な不正は見受けられなかった」としていますが、ここで立ち止まって考えなければならないのは、その捉え方が本当に正しいのか、という点です。
管理職を含む384人が長期にわたって本来受け取るべきでない手当を受給し続けていたという事実は、意図的であるかどうかにかかわらず、公金の不適切な使用にほかなりません。「うっかり忘れていた」「手続きが面倒だった」という言い訳は、民間企業では通用しない理由です。
「管理職が不正受給していても厳重注意だけで終わり?民間ならクビになるレベルだろう」
「意図的でないというのは本当か。数年間気づかないなんてありえない。都合のいい言い訳に聞こえる」
「毎年どこかの自治体で同じニュースが出る。根本的な仕組みを変えなければ永遠に繰り返す」
「県民が払った税金が1200万円以上消えていたのに、お咎めが注意だけでは納得できない」
「返納すれば終わりという感覚が蔓延しているから不正が繰り返される。制度そのものを見直すべき」
こうしたSNS上の声が示すように、県民の怒りと不信感は深刻です。
全国でも同様の事案は繰り返されています。東京都豊島区では2024年9月、職員84人が合計989万円を不正受給していたことが発覚し、管理職を含む12人が懲戒処分を受けました。大阪府でも複数の職員が電車通勤と申告しながら実際は自転車や徒歩で通勤し、懲戒処分となった事例があります。こうした事案が各地で繰り返されているにもかかわらず再発が止まらない背景には、組織全体でのチェック体制の甘さがあります。
自己申告頼みの制度に限界 デジタル管理への移行が急務
現在の通勤手当の制度は、基本的に職員の自己申告に依拠しています。人事異動のたびに通勤経路が変わることの多い公務員の実態を踏まえると、変更申請漏れが起きやすい構造であることは否定できません。しかし、それを放置してきた管理者側にも問題があります。
民間企業では、ICカードの乗降履歴や定期券の実績データを活用し、申告と実態の乖離を定期的に確認する仕組みを導入しているところも増えています。交通系ICカードの利用実績と申告経路を照合するシステムは、公費管理においても有効です。
奈良県が今後の対策として「人事異動などの時宜を捉えた根拠資料の定期的かつ厳格な確認」を掲げたことは一歩前進ですが、自己申告の仕組み自体を変えなければ、定期確認を重ねるだけでは限界があります。
「返納すれば終わり」では再発は防げない 制度・管理・意識の三位一体改革を
管理職が率先して手当の不正受給に気づかずにいたという事実は、組織全体のコンプライアンス意識(法令や規範を守ろうとする意識)の低さを示しています。
そもそも通勤手当とは、職員が実際に費用を負担しているからこそ支給されるものです。実態に即した申告は職員の義務であり、確認は管理者の責任です。その両方が機能していなかったことが今回の問題の核心です。
税負担で成り立つ公費を扱う公務員には、民間以上に高い規範意識が求められます。「返納すれば終わり」という認識が組織に根付いているとすれば、それこそが最大の問題です。今回の事態を単なる「うっかりミス」として処理するのではなく、制度・管理・意識の三つを同時に改革するきっかけにしなければなりません。
まとめ
- 奈良県は2026年4月28日、管理職65人を含む職員384人が通勤手当を不正受給していたと発表した
- 総返納額は約1228万5千円で、主因は人事異動後の通勤経路変更申請の漏れや制度の認識不足とされている
- 管理職は厳重注意、一般職員は文書・口頭注意にとどまり、処分の軽さに県民から批判の声が上がっている
- 同様の問題は東京都豊島区(84人・989万円)や大阪府など全国の自治体で繰り返し発生している
- 現在の通勤手当制度は自己申告が基本であり、ICカード履歴との照合など仕組みのデジタル化が必要
- 「返納すれば終わり」という意識の蔓延が再発の温床であり、制度・管理・意識の三位一体改革が急務