2026-04-23 コメント: 1件 ▼
パスポート保有率17.8%の衝撃 円安・物価高が海外離れを加速させる
2026年4月23日の参議院外交防衛委員会で、社民党(社会民主党)の福島みずほ党首が日本のパスポート保有率の低さを国会で問題提起しました。ドイツ80%、アメリカ48%、韓国45%に対し、日本は17.8%と大幅に低く、2019年の23.8%からさらに落ち込んでいます。外務省の實生泰介領事局長は改善意向を示し、政府は2026年7月をめどに申請手数料を最大7000円引き下げる方針です。一方、茂木敏充外務大臣が「生活習慣の違い」と発言したことに批判も上がっており、長引く円安と物価高で海外旅行を諦める国民が増えている現実と大きくかけ離れているとの声が後を絶ちません。
参院委員会でパスポート保有率の低さが問題に、福島みずほ氏「由々しき事態」と指摘
2026年4月23日の参議院外交防衛委員会で、社民党(社会民主党)の福島みずほ党首が日本のパスポート保有率の低さを国会で取り上げました。
福島氏は「パスポートの保有率は17.8%、やはり非常に低い。アメリカ48%、韓国45%、ドイツ80%」と諸外国との大きな差を示しながら問題を指摘しました。
さらに「2010年代は20〜25%、2019年は23.8%だったのがどんどん下がっている。これは円安、あるいは貧困、あるいは物価高や少子高齢化、いろいろあると思いますが、ちょっとやはり由々しき事態ではないか」と質問しました。
外務省の旅券統計によると、2025年末時点の有効旅券総数は約2282万冊で、日本の総人口に占める保有率は約17.8%です。2019年の23.8%から約6ポイントも落ち込んでおり、新型コロナウイルス感染拡大前の水準への回復が進んでいない実態が浮き彫りになりました。国内調査では、オンライン申請の利用率は36%程度にとどまっており、申請手続きの煩雑さも保有率を押し下げる一因とみられています。
外務省が低保有率を率直に認める、申請手数料を7000円値下げへ
外務省の實生泰介領事局長氏は「日本人の旅券所持率がコロナ禍前の水準を回復しておらず、諸外国と比較しても低い水準だということはございます。こうしたことは我々としても改善をしたいと考えています」と率直に認めました。
政府は2026年7月1日をめどに旅券法を改正し、申請手数料を最大7000円引き下げる方針です。現行の10年有効パスポートの手数料は約1万6000円ですが、改定後は約9000円となる見込みです。18歳未満の5年用パスポートも一律約4500円に引き下げられ、子育て世帯にとっても負担軽減が期待されています。
ただし、この引き下げと同時に、政府は出国税(国際観光旅客税)を現行の出国1回1000円から3000円に引き上げる方針も示しています。海外旅行の頻度によっては引き上げ分が手数料の値下げ効果を相殺するケースもあり、保有率の本格的な回復につながるかは不透明な部分があります。
「手数料7000円下げても出国税が2000円上がるなら、実質5000円値下げでしかない」
「円安と物価高でそもそも旅行代金が高くなりすぎていて、パスポート代の問題じゃない」
茂木外務大臣「生活習慣の違い」発言、国民の現実と大きな乖離
同じ問題は立憲民主党(立憲民主党)の青木愛議員も委員会で取り上げました。茂木敏充外務大臣氏は「たしかに諸外国と比べて日本の国民の旅券取得率というのは低いなと感じます」と現状を認めながらも、「海外の方は特に夏のバカンスを海外で楽しんだり、生活習慣の違い等々もあるのかなと感じております」と述べました。
しかし、この発言は実態を十分に反映していません。国内調査では、海外旅行に行かない理由の1位は「旅行費用が高いから」(36.5%)で、経済的な理由が最大の壁です。また、日本観光振興協会の調査では、海外旅行を「したくない」と答えた人が50.7%にのぼっており、海外渡航への意欲そのものが大きく低下していることが示されています。
「バカンス文化の違いで片付けるな。海外に行けない理由はほぼ経済的な問題だ」
「世界最強レベルのパスポートを持ちながら、貧しくて使えない日本って本当に悲しい」
単に「生活習慣の違い」で説明するにとどまる発言は、円安・物価高に苦しみながら海外旅行を諦めている多くの国民の現実と大きくかけ離れているといわざるを得ません。
長期的な経済低迷が背景、物価高放置が国民の行動範囲を狭めている
日本のパスポート保有率の低下は、単なる「海外旅行離れ」ではなく、数十年にわたる経済政策の失敗が国民生活に深刻な影響を与えている現れでもあります。
1990年代以降の長期デフレ、そして近年の急激な円安と物価高騰は、国民の実質的な購買力を大幅に押し下げてきました。かつて日本人が世界中を活発に飛び回っていた時代と比べ、今や約6人に1人しかパスポートを持たないという現実は、日本社会が直面する深刻な問題を映し出しています。
昔は気軽に海外旅行できたのに、今は円安で旅費が2倍以上に感じる。賃金は上がらないのに
手数料引き下げはパスポート取得の入口を広げる一手として一定の意義はあります。しかし、根本的な原因は海外旅行を諦めざるを得ないほど家計の余裕がないことにあります。物価高対策としての財政出動や実質的な減税など、国民の生活水準そのものを底上げしなければ、保有率の本格的な回復は難しいでしょう。パスポートの保有率は、日本の経済力と国民生活の豊かさを測るひとつのバロメーターです。政府には目先の手数料引き下げにとどまらない、抜本的な経済再生への取り組みが今こそ求められています。
まとめ
- 2026年4月23日の参院外交防衛委員会で、社民党・福島みずほ党首が日本のパスポート保有率17.8%の低さを問題提起
- ドイツ80%・アメリカ48%・韓国45%と比較して大幅に低く、2019年の23.8%からさらに下落
- 外務省・實生泰介領事局長氏が低保有率と諸外国との差を率直に認め、改善意向を表明
- 政府は2026年7月1日をめどに10年有効パスポートの手数料を1万6000円から約9000円に値下げ予定
- 同時に出国税を1000円から3000円に引き上げる方針で、実質的な負担減は限定的との見方もある
- 茂木敏充外務大臣が「生活習慣の違い」と発言したことで、国民の現実との乖離への批判が上がっている
- 海外旅行を諦める最大の理由は「旅行費用の高さ」(36.5%)、意欲そのものの低下も深刻
- 円安・物価高など長期的な経済政策の失敗が保有率低下の根本的な背景にある
- 手数料引き下げにとどまらず、国民の生活水準を底上げする抜本的な政策が急務