2026-05-26 コメント投稿する ▼
国家情報会議設置法が成立 大門実紀史議員が日米一体のスパイ国家化を警告
政府のインテリジェンス機能を強化する「国家情報会議」設置法が2026年5月27日の参院本会議で可決・成立し、7月にも国家情報局が発足する見通しです。日本共産党の大門実紀史議員は5月26日の参院内閣委員会で、この法案が米国と共同歩調で進める安全保障戦略の流れの中にあると追及しました。木原稔官房長官は米国との情報連携強化が法案の効果として期待されると答弁し、法案が日米一体のインテリジェンス強化であることを事実上認めました。大門氏は、民主的な監視の仕組みがなく、情報機関が政権に忖度したり、政権が情報機関を支配したりする二重の危険があると強く訴えました。
日米安保戦略と一体の「国家情報会議」設置法とは何か
日本共産党(共産)の大門実紀史議員は2026年5月26日の参院内閣委員会で、政府のインテリジェンス(情報収集・分析)機能を強化する「国家情報会議」設置法案について危険性を強く訴えました。
同法案は首相を議長とする「国家情報会議」を内閣に設置するとともに、現行の「内閣情報調査室」を「国家情報局」に格上げし、各省庁の情報機関への総合調整権を持たせるものです。また、警察庁・公安調査庁・外務省・防衛省など各省庁が収集した個人情報を国家情報会議に集約させる仕組みも盛り込まれています。
法案は2026年3月13日に閣議決定されて国会に提出されたのち、4月23日に衆院本会議で自民党や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決されました。参院に送付された後は5月27日の参院本会議で可決・成立し、7月にも国家情報局が発足する見通しです。
「内閣情報調査室を格上げして個人情報を一元集約するなんて、市民を監視する国家の第一歩だ」
「衆院では多数決で押し切り、参院でも成立。反対意見を無視した強行だ」
法案は米安保戦略との連携が狙いか 官房長官が事実上認める
大門氏は「法案は米国の国家安全保障戦略との連携を意図したものか」とただしました。
木原稔官房長官は「米国などと緊密な関係を構築し情報を得ることは、日本の安全保障上必要不可欠な取り組みだ」とし、「その水準をさらに向上させることも法案の効果として期待される」と答弁しました。
この答弁は、日本のインテリジェンス体制の強化が米国主導の安全保障体制と一体で進められることを事実上認めたものです。大門氏は米国が「国際法違反の戦争を引き起こし、各国を脅して経済圧力をかけている」と批判し、「こんな米国に付き従っていけば、かえって国益を損なう可能性がある」と強調しました。
自由法曹団など法律家団体は、自民・維新の連立政権合意書(2025年10月)に「スパイ防止法の成立」や「2027年度末までの対外情報庁の創設」が盛り込まれており、今回の法律はその第一歩に位置づけられると警告しています。
米国と情報共有するのはいいが、国民はどこまで知らされるのか。不透明すぎる
民主的監視の仕組みが皆無 プライバシー侵害の深刻なリスク
大門氏は、国家の情報活動を民主的に規制する仕組みが米国にはあるが、この法案には何もないと指摘しました。
大門氏は、情報機関に関する独立した監視機関の設置を求める国際原則「ツワネ原則」を紹介し、「国民に信頼される情報活動でこそ、国家の情報活動も進む」という同原則の内容を示しました。
弁護士会や法律家団体は、これまで各省庁が個別に保管してきた個人情報が国家情報会議に一元集約される結果、個人情報保護法が禁じる目的外利用が合法化され、プライバシー侵害が拡大すると強い懸念を表明してきました。政府は付帯決議でプライバシーへの配慮と政治的中立性の確保を盛り込みましたが、法的拘束力のない附帯決議では実効的な抑止力とはなりえないとの批判が根強く残っています。
ツワネ原則が言う通り、市民の信頼なき情報機関は長続きしない。なぜ監視機関を作らないのか
政権と情報機関の直結が生む二重の危険 スパイ防止法も射程に
同法案によって政権と国家情報局は直接結びつく形となります。大門氏はこの構造には二重の危険があると指摘しました。
一つは、情報機関が政権に忖度(そんたく)して都合のよい情報だけを提供する危険です。もう一つは、政権が情報機関の活動をつぶす危険です。政権に不都合な情報活動が抑圧されれば、本来必要な安全保障情報が収集されなくなる恐れがあります。
高市早苗首相は法成立後の会見で「複雑で厳しい国際環境の中で、国民の安全と国益を守るものだ」と法律の意義を強調する一方で、スパイ防止法など今後のインテリジェンス施策については「一つ一つ丁寧に検討を進める」と述べるにとどまりました。スパイ防止法はプライバシーや報道の自由など基本的人権を著しく制約するおそれがあり、国家情報会議設置法との一体的な推進には国民的な議論が不可欠です。
スパイ防止法まで見据えるなら、今すぐ市民社会と徹底的に議論すべきだ
まとめ
- 「国家情報会議」設置法が2026年5月27日に可決・成立し、7月にも国家情報局が発足予定
- 内閣情報調査室を「国家情報局」に格上げし、各省庁の情報を一元集約する仕組み
- 大門実紀史議員が「米安保戦略との連携が狙いでは」と追及、木原官房長官が事実上認める
- 民主的な監視機関の設置が法案に盛り込まれておらず、ツワネ原則にも反する構造
- 各省庁の個人情報の目的外利用が合法化され、プライバシー侵害拡大の懸念
- 政権と情報機関の直結によって「忖度」と「情報活動の弾圧」という二重の危険
- スパイ防止法・対外情報庁設置を見据えた動きであり、国民的議論が急務