2026-07-26 コメント投稿する ▼
改正皇室典範、国民の75%が身分保持に賛成も理解は進まず
改正内容には、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できることや、旧11宮家の男系男子を養子縁組で皇籍に復帰させることが含まれています。 女性皇族の身分保持については75%が賛成しているものの、制度全体への理解は「得られない」が「得られる」を上回る結果となっています。
皇族数確保へ進んだ改正
皇室の機能を維持するためには、皇族の数が減少することが喫緊の課題とされています。特に、女性皇族が結婚によって皇室を離れることで、活動する皇族の数がさらに減少する懸念が長年指摘されてきました。こうした状況を受け、政府と与党は皇室典範の改正を進めました。改正案では、女性皇族が結婚後も皇室にとどまることを可能にする「身分保持」と、戦後に皇籍を離れた旧皇族の男系男子を養子として皇籍に迎え入れる「養子縁組」の二つの柱が盛り込まれています。これにより、皇族の数を確保し、将来にわたって安定的な皇室の公務運営を目指す狙いがあります。改正法は7月17日に参院本会議で可決・成立しました。
賛否割れる「養子縁組」、国民の懸念
共同通信社が7月25、26日に実施した全国電話世論調査によると、改正皇室典範の内容に対する国民の受け止めには温度差が見られました。まず、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することについては、「賛成」が75.0%に達し、圧倒的な支持を集めました。多くの国民が、女性皇族が社会貢献や公務を継続することに理解を示していると言えるでしょう。
一方で、旧11宮家の男系男子を養子縁組によって皇籍に復帰させる案については、賛成が51.3%、反対が39.3%となり、賛成が反対を12ポイント上回ったものの、「身分保持」案ほどの高い支持には至りませんでした。皇室の伝統や権威の維持といった観点から、慎重な意見や制度の具体性・実効性に対する疑問が国民の間でくすぶっている可能性も示唆されます。なお、仮に皇籍復帰を認める場合、女性天皇を認めることへの賛成は81.0%と非常に高く、国民が皇室のあり方について、より柔軟な発想を持っていることも伺えます。
理解が得られないが過半数
こうした個別の項目への賛否とは対照的に、改正皇室典範全体に対して国民がどの程度理解を示しているかという問いに対しては、「国民の理解を得られる」が44.3%にとどまったのに対し、「得られない」は49.6%と、過半数に迫る結果となりました。75%もの賛成を得た「女性皇族の身分保持」のような、国民に分かりやすいメリットがある項目は支持される一方で、制度の全体像や、なぜそのような改正が必要なのかといった点について、国民への説明や理解促進が十分に進んでいない現状がうかがえます。
皇室という国民統合の象徴ともいえる存在に関わる制度改正だけに、国民一人ひとりの納得感が不可欠です。しかし、今回の調査結果は、制度の必要性や内容について、国民の間にまだ疑問や不安が残っていることを示しています。特に、保守的な層からは、皇室の伝統や男系継承のあり方について慎重な意見も聞かれており、こうした多様な声にいかに応えていくかが今後の課題となるでしょう。
高市内閣への影響も
今回の世論調査では、高市早苗内閣の支持率が前回6月の調査から2.1ポイント低下し、53.7%と内閣発足以来最低を記録しました。皇室典範への国民の理解が進んでいないという調査結果は、政権の政策広報や国民への説明責任に対する評価にも影響を与えているのかもしれません。
また、同時に実施された別の調査では、与党提出の「副首都」構想関連法案に関する国会での議論が「不十分だった」とする声が66.9%に上りました。さらに、飲食料品の消費税率についても、「時間を短縮できるなら1%でもいい」という意見が最多となるなど、国民生活に直結する課題への関心の高さも示されています。こうした状況は、国民が内閣に対して、より具体的な政策実行や丁寧な説明を求めている証左とも言えるでしょう。皇室典範の改正という重要な局面において、国民の理解を得られず、内閣支持率も低下傾向にあるという事実は、高市政権にとって無視できない課題と言えます。
まとめ
- 改正皇室典範について、共同通信社の世論調査では、女性皇族の身分保持に75.0%が賛成。
- 旧11宮家の男系男子の養子縁組には賛成51.3%、反対39.3%と賛否が分かれた。
- 改正制度全体への国民の理解は「得られない」が49.6%と、「得られる」44.3%を上回った。
- 女性天皇を認めることへの賛成は81.0%と高い割合を示した。
- 高市内閣の支持率は53.7%で、発足以来最低を記録した。
- 「副首都」構想関連法の議論は「不十分だった」が66.9%に上った。