2026-07-10 コメント投稿する ▼
「日本AX」加速へ:高市総理、第2期AI基本計画を決定、バーティカルAIへの官民投資を推進
政府は今後、特定の産業分野に特化した「バーティカルAI」や、物理世界で活動する「フィジカルAI」への官民連携による重点投資を進め、産業競争力強化、人手不足解消、そして国家戦略領域での活用を目指します。 「第2期AI基本計画」では、「日本AX」実現に向けた重要な柱として、「バーティカルAI」と「フィジカルAI」への官民一体となった集中的な投資が掲げられました。
「日本AX」始動:新AI基本計画の狙い
2026年7月10日、高市総理を議長とする第5回人工知能戦略本部が首相官邸で開催されました。この会議では、AI技術の健全な発展と社会実装を促進するための「AI法」に基づく「第2期AI基本計画」案、および特定の産業分野に特化した「バーティカルAI」の領域別戦略の中間とりまとめが重点的に議論されました。高市総理は、AI技術が日本の喫緊の課題解決や国力強化に直結する一方、サイバー攻撃への悪用など新たなリスクも内包していると指摘しました。その上で、この技術革新に正面から向き合い、「信頼できるAI」によって社会全体を駆動させる「AIトランスフォーメーション(AX)」、すなわち「日本AX」を強力に推進していく必要性を強調しました。
バーティカルAIとフィジカルAIへの戦略的投資
「第2期AI基本計画」では、「日本AX」実現に向けた重要な柱として、「バーティカルAI」と「フィジカルAI」への官民一体となった集中的な投資が掲げられました。バーティカルAIとは、特定の産業や業務に特化して開発・活用されるAI技術を指し、これにより具体的な課題解決や生産性向上が期待されます。政府は、AIロボティクスなどを活用した産業構造の改革や国際競争力の強化、業務効率化・負担軽減を通じた人手不足の解消、さらには防衛やサイバーセキュリティといった戦略性が高い領域への投資を重点的に実施する方針です。これらの領域別戦略に基づき、将来的には物理世界で実体を持って活動する「フィジカルAI」の開発・活用に繋がるバーティカルAIの開発・実装を強力に推進していきます。沖縄タイムスなどが報じているように、政府は業界特化型AI(バーティカルAI)の推進と官民での投資を、今回の計画改定案における最重要事項の一つとして位置づけています。
AI社会実装へ:規制緩和と体制強化
AI技術の目覚ましい進歩を社会実装へ繋げ、その恩恵を最大限に引き出すためには、既存の規制や制度のあり方も見直していく必要があります。高市総理は、AI技術の活用を前提とした規制・制度・運用ルールの抜本的な見直しを、関係府省庁に横断的に進めるよう指示しました。同時に、AIの悪用リスクに対応し、「信頼できるAI」という社会的な要請に応えるため、政府が高性能AIの能力や安全性を評価できる体制を構築することも重要です。「AI法」を含む関連制度の能動的な見直しや、AIの安全性・倫理に関する研究開発を行う「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)」の機能・体制強化も進められます。PlusWeb3が報じているように、政府は生成AIに関する知的財産保護の原則やコード策定を進めるなど、透明性の確保や知財保護といった、AI利用における新たな課題にも積極的に取り組む姿勢を示しています。さらに、赤澤大臣には、AIロボットの研究開発・量産投資や導入支援、そして世界的な中核拠点の早期創設を通じて、「フィジカルAI」の社会実装を加速させるための具体的な方策の実行が求められています。
国際社会との連携強化と推進体制の構築
「信頼できるAI」によるAXの推進は、日本国内だけの取り組みにとどまらず、国際社会との協調なくしては成し遂げられません。高市総理は、AIに関する国際的な議論をリードする上で、小野田大臣に対し、「AIサミット」の早期日本開催に向けた関係国との速やかな調整を指示しました。これは、国際的なAIガバナンスの議論において日本のリーダーシップを発揮し、国際社会と共に持続可能なAI活用を目指すという強いメッセージと言えます。また、AIに関する技術開発支援、国際連携、規制・制度見直しといった多岐にわたる取り組みを一体的かつ強力に推進するため、外部から優秀な技術人材も積極的に登用し、諸外国に比肩する高度な政府推進体制を構築することも明言されました。「まずは行政から始める」という方針を掲げ、AI活用による社会変革の具体像を早期に示していくことで、産業界や国民生活への波及効果を最大化し、「強く豊かな日本」の実現を目指していく考えです。
まとめ
- 第2期「AI基本計画」案が決定され、「日本AX」推進に向けた官民投資が強化される。
- 「バーティカルAI」と「フィジカルAI」への重点投資により、産業競争力強化、人手不足解消、国家戦略領域での活用を目指す。
- AI前提の規制・制度見直し、AISI機能強化、「AIサミット」開催など、信頼できるAIの社会実装と国際連携を推進する。
- 諸外国に比肩する政府推進体制を構築し、行政からAI活用を進め、社会全体の変革を目指す。