2026-07-06 コメント投稿する ▼
国会喫煙所問題:法律を作る国会、議員特権か?受動喫煙対策見直しで焦点
改正健康増進法による受動喫煙対策の強化が進む中、法律を制定する立場にある国会施設内に設けられた多数の喫煙スペースが、「議員特権」として国民から厳しい視線を浴びています。 国民に厳格なルールを求める一方で、国会議員自身がそれに縛られない現状に対し、超党派の議員連盟が国会施設全体の敷地内禁煙化を提言しました。
国民の声、議員特権への懸念
現在、飲食店やホテルなどを原則屋内禁煙とする改正健康増進法の見直しに向けた議論が大詰めを迎えています。こうした中、国会施設内に存在する喫煙スペースの存続が、改めて焦点となっています。衆参両院の事務局によると、国会議事堂や議員会館の建物内には、衆院51カ所、参院28カ所の計79カ所もの喫煙スペースがあるとのことです。
さらに、予算委員会などが開催される際には、議員専用の喫煙スペースも利用されています。国民からすれば、受動喫煙防止のために厳しい規制が課されているにもかかわらず、法律を作る国会議員が利用できる喫煙スペースがこれほど多く存在することは、理解しがたい状況と言えるでしょう。
特に問題視されているのは、衆院本会議場の入り口すぐ脇に設置された2つの喫煙ブースです。新型コロナウイルスの感染拡大により、ソーシャルディスタンスの確保が強く推奨された時期にも、議員らが密集して喫煙する姿が見られ、感染対策の観点から疑問の声が上がりました。その後、感染症法上の位置づけが「5類」に移行した2023年5月まで、ブース内に仕切りを設け利用人数を制限するなどの対策が取られましたが、ブース自体は撤去されず、現在も使用されています。
「かいより始めよ」の原則
こうした現状に対し、超党派の「受動喫煙防止対策を推進する議員連盟」(会長・三原じゅん子前こども政策担当相=自民党)は、国会施設も学校や病院、行政機関と同様に敷地内禁煙とするよう、厚生労働省に提言する方針を固めました。議連幹事長の松沢成文参院議員(日本維新の会)は、「民間施設に受動喫煙対策をお願いするのであれば、法律を作る国会が自ら率先して『かいより始めよ』という原則を実行すべきだ」と強く主張しています。
国民の健康を守るための法律を整備する主体が、自らの施設で国民に求める基準以下の対策しか講じていないという矛盾は、国民の信頼を得る上で大きな障害となりかねません。さらに、同じく改正健康増進法で「第二種施設」(原則屋内禁煙で、条件を満たせば喫煙専用室の設置が認められる施設)に分類される全国の裁判所が、自主的に敷地内全面禁煙としている事実と比較すると、国会内の喫煙スペースの存在は一層際立ちます。
国民に厳しい規制を課す法律を成立させた国会が、自らはその規制の対象から外れているかのような姿勢は、「議員特権」との批判を招いても仕方がありません。
愛煙家議員の抵抗と今後の行方
しかし、この国会内喫煙スペースの敷地内禁煙化、すなわち撤去に向けた道のりは、決して平坦ではありません。松沢議員は、過去の健康増進法制定時の経験から、「たばこを吸う国会議員の皆さんは、『国会だけは全面禁煙なんて許されない』と大反対した」と証言しています。国会には愛煙家の議員が少なくなく、彼らを中心に「それだけは絶対に認められない」という強い抵抗があるのが実情です。
現在、厚生労働省の専門委員会が受動喫煙対策に関する報告書をまとめる段階にあり、その内容が今後の法改正や国会内の対策に影響を与えると考えられます。議連は、この専門委員会の報告書提出前に、国会施設における敷地内禁煙化の提言を上野賢一郎厚生労働相に渡すことで、議論を後押ししたい考えです。
国民の健康を守るという大義のもと、法整備を進める国会議員たち。その一方で、自らの「快適性」を優先し、国民感覚から乖離した特権意識を垣間見せる議員たち。法律を作る国会が、率先して模範を示すべきだという声は、今後ますます強まっていくことでしょう。国民は、国会議員がこの問題にどう向き合い、どのような決断を下すのか、固唾を飲んで見守っています。
まとめ
- 改正健康増進法により受動喫煙対策が強化されている。
- 国会内に79カ所の喫煙スペースが存在し、議員特権が問題視されている。
- 超党派議員連盟が国会施設の敷地内禁煙化を提言した。
- 愛煙家議員の抵抗が予想され、議論の行方が注目されている。
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