2026-04-23 コメント投稿する ▼
高市早苗首相がサウジ皇太子と電話会談、ホルムズ封鎖で原油供給拡大を要請
高市早苗首相は2026年4月23日、サウジアラビアの事実上の最高権力者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談を行いました。 2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、イランは報復として翌3月1日からホルムズ海峡を事実上封鎖しました。
首相はまず、ホルムズ海峡が使えない状況でもサウジが紅海側の港から日本への供給を続けていることに謝意を伝えました。そのうえで、今後の供給量の拡大に向けて協力を求めました。皇太子は「前向きに対応したい」との意向を示し、両国の連携を確認しました。
ホルムズ封鎖が直撃した日本の原油調達
今回の電話会談の背景には、深刻なエネルギー危機があります。2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、イランは報復として翌3月1日からホルムズ海峡を事実上封鎖しました。世界の海上原油輸送量の約2割を占めるこの海峡が機能しなくなったことで、日本への原油供給は急激に落ち込みました。
日本は原油の中東依存度が約94パーセントに達しており、そのほぼ全量がホルムズ海峡を経由していました。封鎖後、ペルシャ湾から日本に向かう原油タンカーの数は激減し、2026年4月4日から10日の1週間で到着した原油タンカーはゼロという深刻な事態となっています。
サウジの代替ルートが命綱、しかしコストは2.5倍に
こうした状況でも供給の柱となっているのが、サウジアラビアが整備した代替ルートです。サウジは国内を横断する東西パイプラインを使い、紅海沿岸のヤンブー港から原油を積み出す体制を拡大しました。同パイプラインの輸送能力は一時的に低下しましたが、2026年4月12日には日量700万バレルへと全面回復しました。また、ホルムズ海峡を経由しない代替ルートで輸送されたサウジ産原油が、マレーシア沖で積み替えられて日本に向かっていることも確認されています。
ただし、このルートには大きな課題があります。アフリカ南端の喜望峰を迂回してスエズ運河を経由し、ヤンブー港で石油を積んで日本に帰るまでの往復日数は約100日となり、通常の約2.5倍の時間がかかります。輸送コストの大幅な増加は避けられず、それが国内の原油調達コストの押し上げにつながっています。
物価への影響もすでに数字に表れています。レギュラーガソリンの店頭価格は2026年3月2日の1リットルあたり158円台から、同月16日には190円台まで急騰しました。2026年4月だけで約2800品目の食品が値上げされる見通しで、数十年にわたるエネルギー政策の問題点が一気に噴き出している格好です。物価高対策として減税などを含む財政面での手当ても急務と言えます。
国民の間にも不安が広がっています。
「ガソリンが200円近い。毎日車を使う仕事なので本当に苦しい」
「4月の食品値上げだけでもきつかったのに、さらに原油高が重なるのは限界です」
「政府は外交で動いているが、家計への補償や減税はどうなってるんだ」
「サウジが代替ルートで供給を続けてくれているのはありがたい。でも輸送コスト増が価格に乗ってきたら」
「ホルムズ問題は今に始まったことじゃない。なぜ長年エネルギーの多様化を進めなかったのか」
米・イラン交渉難航、正常化には数カ月単位の時間
高市首相はサウジとの会談に先立ち、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領とも2026年4月8日に約25分の電話会談を行い、事態の早期収束とホルムズ海峡の安全確保を求めました。また、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領とも電話で会談し、日本への原油安定供給への協力継続を要請しています。米国とイランの和平交渉を最終合意に導くことが重要との立場を一貫して示し、サウジなど湾岸諸国と連携した外交努力を続ける方針です。
一方、米国とイランの交渉は依然として難航しています。2026年4月8日に2週間の停戦合意がなされたものの、直後にイスラエルがレバノンを攻撃したことで情勢が再び悪化しました。2026年4月12日にはドナルド・トランプ米大統領が「逆封鎖」として米海軍によるホルムズ海峡への出入りを阻止すると宣言し、状況はさらに複雑な様相を呈しています。
ホルムズ海峡の正常化には、停戦が実現してからも残存機雷の除去や海上保険の回復など複数の段階が必要で、専門家の間では数カ月単位の時間がかかるとの見方が広まっています。日本政府は石油備蓄の追加放出も決め、短期的な供給不安に備えていますが、長期化した場合の影響が国民生活全体に及ぶことへの懸念は消えていません。
今回の高市首相とサウジ皇太子の会談は、こうした厳しい状況のなかで日本の基幹エネルギー確保に向けた外交を加速させるものです。供給拡大への「前向きな対応」が実際の増量につながるかどうか、今後の交渉の行方が注目されます。物価高に苦しむ国民の生活を守るためにも、外交と国内対策の両面で政府の具体的な行動が強く求められています。
まとめ
- 高市早苗首相は2026年4月23日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談し、原油供給の拡大を要請した
- 皇太子は「前向きに対応したい」と回答し、日本への継続供給に協力する意向を示した
- 2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけにホルムズ海峡が事実上封鎖され、日本への原油タンカーは激減
- サウジは国内の東西パイプラインを活用し紅海側から原油を輸出する代替ルートを拡大、2026年4月12日に日量700万バレルの全面回復を達成
- 代替ルートは通常より約2.5倍の日数がかかるため輸送コストが急増し、ガソリン価格は190円台まで急騰
- 高市首相はイラン大統領やUAE大統領とも電話会談を行い、中東各国と連携した外交を展開中
- 米・イランの交渉は依然難航しており、専門家はホルムズ海峡の正常化に数カ月かかると予測している