2026-05-27 コメント: 2件 ▼
こども性暴力防止法(日本版DBS)、障害福祉現場にも適用へ 児発・放デイ等、性犯罪歴確認義務化に向けた準備進む
この法律は、子どもの性被害を防止することを目的とし、保育士や教員など、子どものいる職場で働く人に対し、過去の性犯罪歴の有無を確認することを事業者に義務付けるものです。 これらの事業者は、2026年(令和8年)12月25日の施行日以降、常勤・非常勤を問わず、全ての従業員について、性犯罪歴の有無を確認する義務を負うことになります。
法律成立の背景
子どもの安全確保に向けた社会の決意
近年、子どもの性被害に関する事件が社会的な関心を集める中、被害を未然に防ぐための法整備が強く求められてきました。特に、子どもたちが日常的に接する機会の多い保育士や教職員などが、過去に性犯罪歴を持っていた場合、その就労を制限する必要性が指摘されてきました。こうした背景から、国会では超党派で議論が進められ、多くの関係者の尽力によって、この法律が成立する運びとなりました。
障害福祉現場の新たな責務
児発・放デイ等への適用拡大
今回の「こども性暴力防止法」の大きな特徴の一つは、その適用範囲が従来の教育現場に留まらない点です。法律は、学校、幼稚園、保育所などに加え、障害のある子どもたちが利用する児童発達支援事業所(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)、さらには保育所等訪問支援事業所など、障害福祉サービスを提供する事業者も対象としています。
これらの事業者は、2026年(令和8年)12月25日の施行日以降、常勤・非常勤を問わず、全ての従業員について、性犯罪歴の有無を確認する義務を負うことになります。具体的には、従業員本人から戸籍謄本や登記されていないことの証明書などの提出を受け、性犯罪歴がないことを確認する手続きが必要となります。
確認を怠った事業者に対しては、行政処分や罰金などの罰則が科される可能性もあります。このため、障害福祉サービスを提供する事業者にとっては、新たなコンプライアンス(法令遵守)への対応が不可欠となります。
事業者が進めるべき準備
体制整備と着実な運用
施行まで残り約1年となった今、障害福祉サービス事業者は、具体的な準備を進める必要があります。まず、事業所の従業員一人ひとりに対し、法改正の内容や、なぜ性犯罪歴の確認が必要なのかについて丁寧に説明し、理解を求めることが重要です。
次に、証明書の収集や管理に関する事務的なフローを確立しなければなりません。誰が、いつ、どのように確認作業を行うのか、また、収集した個人情報の適切な管理体制をどう構築するのか、といった具体的な運用ルールを決める必要があります。
さらに、新規採用を行う際には、採用選考の段階で性犯罪歴の有無を確認するプロセスを新たに設けることも求められます。施行日である2026年4月1日を最終目標とし、逆算して計画的に準備を進めていくことが肝要です。厚生労働省などが公表するガイドラインやQ&Aなどの最新情報にも、常に注意を払う必要があります。
今後の法整備と支援
円滑な施行に向けて
法律の施行に向けて、具体的な手続きや運用方法を定める「施行令」や「関係省令」などの整備が今後進められていく見通しです。これらの詳細な規定が示されることで、事業者はより具体的な対応を進めることができます。
国民の安全確保という重要な目的を達成するため、上野賢一郎厚生労働大臣には、事業者側の事務負担増加への懸念にも配慮しつつ、プライバシー保護とのバランスを取りながら、法律が円滑に施行されるよう、リーダーシップを発揮することが期待されます。
事業者側からは、確認作業に伴う事務負担の増加や、プライバシーへの配慮など、様々な懸念の声も上がっています。これらの課題に対し、国や自治体が、事業者への丁寧な周知や、相談窓口の設置、場合によっては事務負担軽減のための支援策などを講じていくことが、円滑な施行のために不可欠となるでしょう。
まとめ
- 「こども性暴力防止法(日本版DBS)」は、子どもの性被害防止を目的とする。
- 2026年(令和8年)12月25日から施行され、学校等に加え、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなど障害福祉分野にも適用される。
- 事業者は、従業員の性犯罪歴の有無を確認する義務を負う。
- 施行に向け、事業者は従業員への説明、証明書の収集・管理体制の構築、採用時の確認フロー整備などの準備が必要。