2026-07-16 コメント投稿する ▼
大門実紀史氏が国旗損壊処罰法案は違憲と批判 罪刑法定主義に反し撤回求める
日本共産党の大門実紀史議員は2026年7月16日の参院内閣委員会で、国旗損壊処罰法案は刑罰対象や処罰範囲が曖昧で罪刑法定主義に反し、刑罰法規の体をなさない違憲法案だと批判しました。犯罪に当たるかの判断基準が「総合的に勘案」という抽象的な文言しかなく、何が処罰対象になるか誰にも判断できないと指摘。刑罰の一般法規が通常は内閣法制局の審査を経る閣法として提出されるのに、今回は議員立法で審査を回避したと疑問を呈しました。「国旗国歌法以上に内心の自由・表現の自由の萎縮効果をもたらす」として、直ちに撤回するよう要求しました。
刑罰法規の体をなさない「ずさんな違憲法案」だと批判
2026年7月16日、参院内閣委員会で日本共産党の大門実紀史議員は、与党が成立を急ぐ国旗損壊処罰法案に対し、刑罰法規としての根本的な欠陥を突く質問を行いました。
この法案は、日本の国旗を「著しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で公然と損壊・除去・汚損した場合に、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科す内容です。自由民主党(自民党)・日本維新の会(維新)・国民民主党・参政党の4党が共同提出し、自民・維新の連立政権合意書にも明記されていました。
大門議員はまず、法案の処罰基準の曖昧さを問題にしました。法案では、犯罪に当たるかの判断を「行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行う」としています。しかし大門氏は、「総合的に勘案」という文言は抽象的で曖昧すぎると批判しました。「どこまでが処罰対象になるのか誰にも判断できない。刑罰を科す法律を構成し得ない」と追及しました。
著しく不快かどうかを誰が判断するのか。基準があいまいな刑罰規定は、将来どんな行為が狙い撃ちにされるかわからない
法案には「表現の自由を不当に侵害しないよう留意する」との文言も盛り込まれています。大門氏はこれについても「刑罰法規は表現の自由を不当に侵害しない前提で制定されるのが当たり前だ。それをわざわざ書かなければならない時点で、この法律が表現の自由を侵害することを自ら認めているようなものだ」と指摘しました。
議員立法で内閣法制局の審査を「回避」した疑問
大門議員が鋭く問いただしたのは、この法案の提出形式についてです。刑罰法規の一般法は通常、憲法や法体系の観点から、法務省の法制審議会に諮られ、内閣法制局の厳格な審査を経る政府提出法案(閣法)として国会に提出されます。
しかし今回の国旗損壊処罰法案は、こうした正規の手続きを経ない議員立法として提出されました。大門氏はこの点を問い詰め、「本来の刑罰法規から逸脱したずさんな法案だから、憲法や法体系上の審査を避けるために議員立法にしたのではないか」と強い疑問を呈しました。
「内閣法制局の審査を通したら違憲と判断されると分かっているから、議員立法という抜け道を使ったのではないか」
「与党の議員が『議論した』と言うだけでは審査にならない。なぜ正規の手続きを通さなかったのか」
法案発議者の平沼正二郎衆院議員(自民)は「憲法適合性や刑罰法規としての合理性などについても議論した上で提出に至った」と反論しました。しかし参院内閣委員会での参考人質疑では、神戸大大学院の木下昌彦教授が「憲法違反となる」と明言し、中央大の橋本基弘教授も「運用が恣意的にならざるを得ず、特定の団体の見解だけを狙い撃ちにできる」と懸念を示していました。
「国旗国歌法以上に内心の自由を萎縮させる」と断じ撤回を要求
大門実紀史議員は、本法案の危険性を1999年に制定された「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)と比較して説明しました。国旗国歌法は日の丸と君が代を法律上の国旗・国歌と定めたものですが、成立後には教育現場での強制的な適用問題が続いてきました。
大門氏は「国旗国歌法以上に、内心の自由、表現の自由の萎縮効果をもたらす」と断言し、「直ちに撤回すべきだ」と強く求めました。
「国旗に対してどんな感情を持つかは個人の自由だ。刑罰で特定の価値観を押しつけることは、まさに内心の自由を侵害するものだ」
「国旗損壊罪ができれば、政治的抗議としての表現活動がどこまで許されるか誰も分からなくなる。萎縮させることが目的ではないか」
法案はこの日の参院内閣委員会で、自民・維新・国民民主・参政の4党の賛成多数で可決されました。共産党・立憲民主党・公明党・れいわ新選組は反対しました。翌2026年7月17日の参院本会議で可決・成立し、公布から20日後に施行される予定です。国旗をどのように扱うかは個人の思想や信条に深く関わる問題であり、処罰基準が曖昧なまま刑事罰が設けられれば、市民が自己検閲を強いられる萎縮効果が広がることが懸念されます。
まとめ
- 大門実紀史議員が2026年7月16日の参院内閣委員会で国旗損壊処罰法案の違憲性を追及した
- 「総合的に勘案」という曖昧な処罰基準は罪刑法定主義に反し、刑罰法規の体をなさないと批判した
- 「表現の自由を不当に侵害しないよう留意する」という文言は、侵害することを自ら認めているものだと指摘した
- 刑罰の一般法規は内閣法制局の審査を経る閣法として出すべきなのに、議員立法で審査を回避した疑いがあると追及した
- 参考人の憲法学者2人が「違憲となる」「恣意的な運用のおそれ」と証言していた
- 「国旗国歌法以上に内心・表現の自由の萎縮効果をもたらす」として直ちに撤回するよう要求した
- 法案は4党賛成多数で可決され、翌7月17日の参院本会議で成立した