2026-03-31 コメント投稿する ▼
小倉将信・初代こども相インタビュー 少子化に「魔法のつえ」なし・東京9年ぶり出生増の
2023年4月に発足したこども家庭庁(こども庁)は、3年が経過しました。初代こども政策担当相として「こども未来戦略」の策定に携わった小倉将信氏が、こども庁のこれまでの歩みと少子化対策の課題について語りました。小倉氏は「少子化対策にはこれさえやれば改善するという魔法のつえはない」と強調し、複数のフェーズに合わせた切れ目のない支援の重要性を訴えています。
こども家庭庁の3年間 省庁横断の新体制が生んだ実績
こども家庭庁の創設によって、これまで複数の省庁に分散していた子供関連部局が一つに集約されました。小倉氏は「熱意と専門性を持った行政官が集まり、政策を迅速に打ち出せるようになった」と評価しています。
創設後の短期間で生まれた主な成果として、「日本版DBS」と「こども誰でも通園制度」の2つが挙げられます。日本版DBSとは、子供と接する職場に就く人物の性犯罪歴を雇用主が確認できる仕組みです。こども誰でも通園制度は、保護者の就労状況に関わらず0歳6か月から3歳未満の子供を保育施設に預けられる新制度で、2026年度から全国の自治体で本格的に実施されます。
一方で、こども庁が担う少子化対策については、SNS上で「出生数が改善しなければ存在意義はない」といった厳しい声もあります。小倉氏はこれについて、「極端な意見だ」と述べつつも、こども庁に対するプレッシャーの現れとして受け止めています。
東京都の出生数が9年ぶり増加 国と自治体の連携が鍵
少子化対策の好例として小倉氏が挙げたのが、東京都の動きです。東京都の2025年の出生数は速報値で前年比1.3パーセント増となり、9年ぶりの増加に転じました。婚姻数も4.8パーセント増と2年連続の大幅増加を記録しています。
背景には、東京都が豊かな財政力を背景に手厚い少子化対策に取り組んだことや、保育所不足の解消による子育て環境の改善、共働き世帯の増加に伴い若い世代が都区部に集中する動きがあります。
ただし、2025年1月から7月の全国の出生数は前年同期比で約3.2パーセント減少しており、大都市を除く地域では依然として深刻な減少が続いています。東京都だけが突出するのではなく、国と自治体が協力して全国的な支援を展開することの重要性が改めて浮き彫りになっています。
「東京都の成果は素直にうれしい。でも地方がさらに過疎化するのではという不安もある」
「こども誰でも通園制度が始まるのはありがたい。孤立した育児で限界だったお母さんが多いはず」
「少子化に魔法のつえはないと言うけれど、物価高を止める財政出動や減税を急いでほしい。余裕がないから子供も持てない」
「結婚・妊娠・出産・子育ての各段階に応じた支援というが、そもそも出会いの機会が足りない若者への支援が手薄では」
「こども庁が成果を出し始めているのは事実。でもスピードが足りない。2030年代には若年人口の急減が来ると言われているのに」
「魔法のつえ」なき長期戦 2030年代がタイムリミット
小倉氏が強調するのは、少子化対策の難しさです。「結婚・妊娠・出産・子育てとさまざまなフェーズに合わせた支援を拡充していくことが必要で、時間はかかるが腰を据えて取り組むしかない」と述べています。
こども家庭庁の資料でも、2030年代以降、日本の若年人口は「現在の倍速で急減する」と警告されており、「少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスはこれからの6〜7年」とされています。現在の物価高や賃金の伸び悩みが若い世代の結婚・出産への足かせとなっている現実は重く、財政出動や減税など経済的な底上げ策も一刻の猶予もない課題です。
少子化は行政の努力だけで解決できるものではなく、職場環境の整備、住宅政策、教育費の負担軽減など、社会全体の構造改革と一体で進める必要があります。国と自治体、企業や個人が連携して取り組む時間はあまり残されていません。
---
まとめ
- 初代こども相の小倉将信氏が「少子化に魔法のつえはない」と語り、フェーズごとの切れ目ない支援の重要性を強調
- こども家庭庁創設3年間で「日本版DBS」と「こども誰でも通園制度」(2026年4月から全国本格実施)に道筋
- 東京都の2025年出生数は前年比1.3パーセント増・9年ぶりの増加、婚姻数も2年連続大幅増
- 一方、全国の2025年出生数(1〜7月)は前年同期比約3.2パーセント減と依然深刻
- 大都市以外の地域では若年層の流出が続き、地方の少子化は深刻なまま
- こども家庭庁の資料では2030年代が少子化反転のラストチャンスと明示
- 物価高や賃金停滞への財政出動・減税も子育て支援と並行して急務