日本政府機関AISIと米オープンAIが協力覚書締結 安全性評価・サイバー協力へ

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日本政府機関AISIと米オープンAIが協力覚書締結 安全性評価・サイバー協力へ

人工知能の安全性を評価する政府機関「AIセーフティ・インスティテュート」(AISI)が、米国の主要AI企業オープンAI(OpenAI)と協力覚書(MOC)を2026年5月29日付で締結しました。小野田紀美AI戦略担当相が2026年6月2日の記者会見で発表したもので、安全性評価やサイバーセキュリティに関する協力を進める狙いがあります。AI法が施行され、AI基本計画が閣議決定された日本にとって、最先端AI企業に対する評価・監視の公式な枠組みが整う第一歩となりますが、覚書の実効性や評価の独立性の確保が今後の最大の課題です。

日本のAISIと米オープンAIが協力覚書を締結 2026年5月29日付


人工知能(AI)の安全性を評価する政府機関「AIセーフティ・インスティテュート」(AISI)が、米国の主要AI開発企業・オープンAI(OpenAI)と協力覚書(MOC)を締結したことが2026年6月2日、明らかになりました。小野田紀美・人工知能(AI)戦略担当相が同日の記者会見で発表したもので、「安全性評価やサイバーセキュリティーに関する協力が進むことを期待している」と述べました。

覚書の締結は2026年5月29日付で、AISIの公式サイトでも同日付で公表されています。

世界最大のAI企業と日本の安全機関が正式に連携するのは大きな一歩。透明性のある評価が進んでほしい

AIセーフティ・インスティテュートとは何か 日本の安全評価体制の中核を担う機関


AISIは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の配下に設置された組織で、2024年2月14日に発足しました。AIシステムの安全性・公平性・プライバシー保護・セキュリティ・透明性を評価するための手法や基準を検討・推進することを目的としています。

2023年11月のAI安全性サミットにおいて英国と米国がそれぞれ独自のAISIを設立したことを受け、日本でも設立が進みました。2024年5月のAIソウル・サミットでは、日本のほか英国・米国・フランス・ドイツ・イタリア・シンガポール・韓国・オーストラリア・カナダ・欧州連合の機関が国際的なAISIネットワークを構築することに合意しています。

政府がAI企業の安全性を外から評価できる仕組みは必要。でも企業と癒着しないか心配

世界で加速するAI安全評価 日本AI法も施行済みでガバナンス整備は急務


AIの安全性をめぐる国際的な動きは急速に進んでいます。日本では2025年6月に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)が公布・施行されました。さらに2025年12月には「人工知能基本計画」が閣議決定され、「信頼できるAIによる日本再起」を副題に掲げ、2026年度から5年間で1兆円超を国産AI開発に投入する計画が示されています。

EUはAI規制法を可決済みで、米国はトランプ政権のもと企業主導のイノベーション推進に軸足を移しています。AI開発の競争が激化する中、各国はルールの整備と開発の推進という両立の難しい課題に取り組んでいます。

「日本のAI法が施行されたのに、安全評価の中身がまだ企業任せに見える部分がある」

OpenAIは、世界で2億6000万人以上のユーザーを持つ「ChatGPT」をはじめ最先端の大規模言語モデルを次々とリリースしており、2026年5月には独自のフロンティアガバナンスフレームワークを公表するなど、安全性に関する枠組みを整備しています。AISIとの覚書は、民間の最先端AI技術に対して政府の評価・監視の目が公式に届く仕組みを作る第一歩として位置付けられます。

覚書の実効性が問われる 評価結果の公開と独立性の確保が不可欠


一方で、今回の協力覚書については、その内容の具体性や実効性に注目が集まっています。覚書(MOC)は強制力のない協力の意向を確認した文書であり、法的な拘束力を持つものではありません。安全性評価やサイバーセキュリティに関してどのような情報を共有し、評価結果をどのように公表するかについては、今後の具体的な取り組みを見守る必要があります。

評価プロセスの透明性と評価機関の独立性の確保が最大の課題です。被評価対象であるOpenAIと評価機関であるAISIが協力関係を深めることで、評価の客観性が損なわれないよう制度設計を厳しく問うことが不可欠です。海外への資金援助や技術協力に数値目標と期限が必要であるのと同様に、今回の覚書についても、評価の実施件数・公表スケジュール・情報共有の範囲について明確な目標と期限を国民に報告することが強く求められます。

覚書を結んだだけでは何も変わらない。評価結果を定期的に公開してこそ意味がある

まとめ


  • 日本のAISI(AIセーフティ・インスティテュート)が米OpenAIと協力覚書(MOC)を2026年5月29日付で締結
  • 小野田紀美AI戦略担当相が2026年6月2日の記者会見で発表。「安全性評価とサイバーセキュリティに関する協力を期待」と述べた
  • AISIは独立行政法人IPAの配下に設置された機関で、2024年2月14日発足
  • 日英米仏独伊など11カ国・地域のAISIが国際ネットワークを構築(2024年5月のAIソウル・サミットで合意)
  • 日本では2025年6月にAI法が施行、2025年12月には「人工知能基本計画」を閣議決定済み
  • 覚書は法的拘束力のない文書。評価の透明性・独立性・結果の公開方法が今後の最大課題
  • 評価の実施件数・スケジュール・情報共有の範囲を数値で国民に報告することが必要

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2026-06-02 15:10:45(櫻井将和)

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