2026-05-28 コメント: 1件 ▼
兵庫県が起債許可団体転落確実 斎藤元彦知事のもと投資2割削減でも脱出30年の試算
兵庫県の財政が危機的な状況に直面しています。2025年度の決算が確定する2026年夏にも、新たな借金の発行に国の許可が必要な「起債許可団体」への転落が確実な情勢で、14年ぶりの事態です。2026年度から2028年度にかけての累計収支不足は530億円に達する見通しで、当初の見込みの約3.3倍に膨らみました。さらに県がまとめた試算では、投資事業を毎年2割削減し続けた場合でも、国の管理下から脱するのに約30年かかることが明らかになりました。長期金利の上昇と阪神・淡路大震災以来積み上がった巨額の県債残高が重なった構造的な問題が、兵庫県財政を深刻な苦境に追い込んでいます。
14年ぶりの「起債許可団体」転落が確実に
兵庫県の財政が、かつてない厳しさに直面しています。
2025年度の決算が確定する2026年夏以降、新たな借金(県債)の発行に国の許可が必要な「起債許可団体」へ転落することが確実な情勢です。
「起債許可団体」とは、県が自由に使えるお金のうち、借金の返済にどれだけ充てているかを示す指標「実質公債費比率」が、3年平均で18%以上になった自治体が対象となる制度です。
2025年度の決算が固まれば、同比率の3年平均が19%に達する見通しで、転落は避けられない情勢です。都道府県でこの制度の対象となっているのは現在、北海道と新潟県のみで、兵庫県がここに加わるのは2006年度から2011年度以来、14年ぶりのこととなります。
税収が1兆円を超えても赤字なんて、普通の家計感覚では信じられない
赤字530億円に膨らんだ背景
兵庫県は2026年2月12日、斎藤元彦知事が記者会見を開き、2026年度から2028年度の3年間の累計収支不足が計530億円に膨らむ見通しを発表しました。
これは当初の見込みだった160億円の、実に約3.3倍にのぼる数字です。
急激な悪化の直接の原因は、長期金利の上昇です。日本銀行がマイナス金利政策を解除した後、金利が上昇し、約5兆円規模に達する県債残高に対する利子負担が前年比で約103億円も急増しました。
さらに深刻なのは、背景にある構造的な問題です。兵庫県は1995年の阪神・淡路大震災の復旧・復興費用を賄うために多額の地方債を発行し、その返済負担が30年を経た今もなお重くのしかかっています。
阪神大震災の復興借金が30年たってもまだこれほど影響しているとは。震災の傷の深さを改めて感じた
また、県議会では予算案の金利設定を巡る追及も行われました。国が2026年度の予算案を作る際に想定した金利が3.0%だったのに対し、兵庫県はより低い2.3%のシナリオを採用していたことが明らかになりました。
金利設定が甘かったのでは。もっと慎重な財政運営が必要だったと思う
その低い設定ですら「金利負担が想定外に大きい」として起債許可団体への転落が確実となっており、楽観的な財政見通しに基づく運営への批判が高まっています。
投資2割削減でも「脱出に30年」という衝撃の試算
県関係者への取材で、さらに衝撃的な試算の内容が明らかになりました。
現在の年間投資規模は、通常の事業費が2075億円です。これとは別に、老朽化が進む県庁舎の建て替え関連費用として700億円が必要とされています。
県はこの投資規模を10%、15%、20%それぞれ削減した場合に、実質公債費比率がどのように推移するかを試算しました。
その結果、最大の20%削減を毎年続けた場合でも、2028年度に同比率が23.6%に達した後も20%台で推移し続け、2048年度に18.8%、2053年度にようやく17.6%まで下がる計算です。
起債許可団体の基準となる18%を下回るには、約30年という長い歳月が必要になります。10%や15%の削減ではさらに長い期間がかかるとされており、現状の財政構造のまま自力で立て直すことがいかに困難であるかを、この試算は鮮明に示しています。
今の子どもたちが大人になっても解決しない問題だと聞いて、本当に怖くなった
県民生活への影響と問われる財政運営の責任
起債許可団体に移行すると、新たに借金をするたびに国に申請し許可を得なければならず、道路整備など投資事業が大幅に抑制されます。斎藤元彦知事は「県民生活に影響がないようにしていく」と述べていますが、公共インフラへの投資が絞られれば、住民サービスへの影響は避けられないとの見方もあります。
海外事務所(ワシントン・パリ・香港の3拠点)の2028年度までの廃止など、歳出削減の取り組みは進められています。しかし、それだけでは約30年にわたる財政再建の道のりには到底足りない現実があります。
知事の看板政策のひとつである県立大学の完全無償化を巡っても、財源確保の観点から見直しを求める声が上がっています。財政再建が急務の局面において、個々の政策の費用対効果を徹底的に検証しながら、優先順位を改めて見直す取り組みが求められます。
今回の試算が示すのは、単なる数字の問題ではありません。長年にわたる借金体質と、近年の金利上昇が重なった構造的な課題に対して、県がどれほど真剣に向き合えるかが問われています。
削れるものを削っても30年かかるなら、もっと根本的な構造改革が必要ではないか
まとめ
・兵庫県は2026年夏にも「起債許可団体」に転落することが確実で、14年ぶりの事態となる
・2026年度から2028年度の3年間の累計収支不足は530億円で、当初見込みの約3.3倍に膨らんだ
・主な原因は長期金利の上昇による利子負担の急増(前年比約103億円増)と阪神・淡路大震災以来の巨額の県債残高
・投資事業を毎年20%削減し続けた場合でも、起債許可団体の基準(実質公債費比率18%未満)を下回るのに約30年かかる試算が明らかになった
・現在の年間投資規模は通常事業費2075億円、加えて県庁舎建て替え関連費が700億円
・県議会では金利設定シナリオの妥当性を巡る追及が相次ぎ、楽観的な財政運営への批判が高まっている
・県立大学の完全無償化など看板政策の財源確保についても、厳しい見直しが求められている
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