2026-09-07 コメント: 1件 ▼
吉住健一区長の新宿区、住宅地の民泊を原則禁止へ 2000件超に影響
全国で最も民泊施設が多い東京都新宿区が、住居専用地域や文教地区での民泊営業を原則禁止とする方針を固めました。関連条例の改正案を2027年2月の区議会定例会に提出し、来年夏以降の施行を目指します。既存施設も対象となり、現状の半数超にあたる約2000件が営業できなくなる可能性があります。2025年度の区への苦情・相談は1334件と急増し、個別対応に限界を感じた区が一律規制に踏み切った形です。全国42000件超の民泊のうち約9%が新宿区に集中しており、観光庁も7月に条例による禁止を容認する通知を出しています。騒音やごみなどの観光公害に苦しむ住民の声に応えるため、全国の自治体が迅速に動くことが急務です。
新宿区、住宅地と学校周辺の民泊を原則禁止へ 2000件超が影響
全国で最も民泊施設が集中する東京都新宿区が、住居専用地域や文教地区での民泊営業を原則禁止とする方針を固めました。関連条例を改正し、2027年2月の区議会定例会に改正案を提出、来年夏以降の施行を目指します。
新規開業だけでなく既存の施設にも適用されます。観光庁によると、新宿区内の民泊届け出住宅数は全国市区町村で最多の3775件(2026年7月15日時点)に上り、全国4万2070件の約9%が集中しています。そのうち半数以上にあたる約2000件が営業できなくなる可能性があります。
既存施設には一定の猶予期間を設けます。家主が同居して適切な運営ができるなどの要件を満たせば、例外的に営業を認める考えです。商業地域においても営業日数の上限を現行の180日から120日に制限します。
区は関連条例改正について意見を公募し、2027年2月の区議会定例会に改正案を提出する見通しです。
苦情1334件、個別対応では限界 一律規制に踏み切った理由
新宿区の民泊をめぐる苦情・相談の件数(違法民泊含む)は、2025年度に1334件と前年度比542件増で急増しました。ごみ出しルール違反や深夜の騒音、私有地への無断立ち入りなど、住民の生活環境を脅かすトラブルが後を絶ちません。
区はこれまで法令違反を繰り返した29事業者に業務停止を命じ、5事業者に廃止命令を出してきましたが、苦情は一向に減少しませんでした。区幹部は「悪質な民泊に個別対応するマンパワーも不足している。一律で規制する必要がある」と話しており、個別の違反事業者を排除する手法では住民生活の悪化を防げないと判断しました。
観光庁も2026年7月、全国の自治体に「住民の生活や教育環境などが損なわれる場合、条例で営業を禁止できる」との通知を出し、既存施設の禁止についても「他に適切な対応策がない場合、一定の猶予期間を設けた上で禁止することも考えられる」としています。
「騒音に悩まされて何度も区に言ったのに動いてくれなかった。ようやく動いてくれた」
「深夜に大声で騒ぎ、ゴミを道路に放置。観光客を歓迎できない気持ちが日々積もっている」
「民泊の禁止は正解。何のために住宅地を住宅地と呼ぶのか最初から疑問だった」
「うちの市でも同じ問題が起きているのに、行政はなぜ動かないのか本当に腹が立つ」
「法律を守らない民泊を排除することを外国人差別と言うのは間違いだと思う」
全国に広がる民泊トラブル、動き始めた自治体と動かない自治体
民泊をめぐる観光公害は新宿区だけの問題ではありません。京都市でも住宅地や工業用地での新規施設開業を事実上禁止する検討が進んでいます。大阪市は2026年5月、特区民泊の新規受付を停止しました。観光庁は2026年10月から、京都市・新宿区・墨田区を対象に夜間苦情受付コールセンターの試行を開始するなど、国レベルでも対策強化が始まっています。
一方で、騒音やごみなどの苦情が相次ぎながら迅速な対策を取っていない自治体は少なくありません。住民が自ら観光公害に対処しなければならない現状は、行政の対応の遅さを如実に示しています。
民泊に詳しいJTB総合研究所の山下真輝フェローは「既存施設まで一律に禁止する規制は極めて異例だ。悪質な事業者が他の自治体に移ったり旅館業に変更したりする可能性もあり、宿泊事業全体をどう管理するか国として検討していくべきだ」と指摘しています。
観光公害放置は行政の怠慢、住民の生活を守るのが自治体の本分
民泊新法(住宅宿泊事業法)が2018年6月に施行されてから8年が経過しました。全国各地で苦情や事件が積み重なる中、多くの自治体が「個別対応」を続けながら住民の生活環境の悪化を招いてきたことは否定できません。
新宿区の吉住健一区長は2026年5月、自民党幹部に民泊規制強化の要望書を手渡すなど、行政として住民の声を届け続けてきた姿勢が今回の方針決定につながっています。住民の生活環境を守ることは、自治体の最も基本的な責務です。
法律を守らない事業者を取り締まることは、排他主義でも外国人差別でもありません。住民が安心して暮らせる地域をつくるために必要な法の執行です。「マンパワーが足りない」「権限がない」と言い訳を続けて対策を取らない自治体は、本来の仕事を果たしていないと言わざるを得ません。
全国で苦情が増え続ける中、新宿区の決断は他の自治体への重要なシグナルです。住民の声に真剣に向き合い、一刻も早く実効性のある対策を講じることが求められています。
まとめ
- 新宿区が住居専用地域・文教地区の民泊営業を原則禁止とする方針を固めた
- 条例改正案を2027年2月の区議会定例会に提出、来年夏以降の施行を目指す
- 新規・既存を問わず適用され、現状の半数超の約2000件が営業不可となる可能性
- 既存施設には猶予期間を設け、家主同居など要件を満たせば例外的に認める
- 商業地域の営業日数上限も180日→120日に制限
- 2025年度の苦情・相談件数:1334件(前年度比+542件)
- 29事業者に業務停止命令、5事業者に廃止命令を出しても苦情は減少せず一律規制を決断
- 観光庁は2026年7月、条例による民泊禁止を容認する通知を全国自治体に発出
- 京都市(新規禁止検討)・大阪市(特区民泊の新規受付停止)でも同様の動き
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