2026-08-31 コメント投稿する ▼
総務省が郵便不正開示を意図的遅延、業務チャット「ほとぼりさめさせる」の衝撃
総務省の郵政行政部が業務用チャットで情報開示を意図的に遅らせようとしていたことが2026年8月31日に明らかになりました。日本郵便が郵便物の「放棄・隠匿」事案の多くを非公表にしていた問題をめぐり、担当部局が「特別延長してほとぼりをさめさせる」と業務チャットに書き込んでいたことが確認されています。実際に開示は遅れ、開示された文書の多くも黒塗りとなりました。チャット記録自体も不開示とされており、情報公開を所管する総務省が国民の目から自らの行動を隠している深刻な実態が浮かび上がっています。
「特別延長してほとぼりをさめさせる」。この一文が書き込まれたのは、日本郵便の不祥事への対応をめぐる業務チャットの中でした。
情報公開制度を所管する行政機関が、自らに不都合な情報の公開を意図的に遅らせようとしていた実態は、国民の知る権利と行政の透明性に対する根本的な疑問を突きつけています。
「放棄・隠匿」問題とは何か 1年3カ月間隠された日本郵便の不祥事
郵便物が配達されず捨てられたり、隠されたりする「放棄・隠匿」事案を、日本郵便は長年にわたって把握しながらその多くを公表してきませんでした。
日本郵便が総務省の検査に報告した2021〜2023年度の3年間で、社内調査を行った44件のうち6割以上にあたる27件が非公表の状態でした。「故意ではなく過失だった」「放棄・隠匿の意思がなかった」などを理由に、犯罪と認定した事案だけを公表する基準が設けられていたのです。
総務省はすでに2024年6月、この非公表の問題を把握して日本郵便に改善を促す通知を送っていました。しかし日本郵便は改善されないままの状態を続け、報道まで1年3カ月間が経過しました。この間、総務省が監督官庁としてどう対応していたかが問題の焦点となります。
放棄された郵便物の6割以上が非公表だなんて。差出人も気づけないままでは、郵便への信頼が崩れます
2025年9月12日、朝日新聞がこの非公表問題を報道します。当時の村上誠一郎総務大臣氏は9月19日に記者会見を開き、同月26日には日本郵便に行政指導を実施しました。
業務チャットに「ほとぼりをさめさせる」 情報開示を巡る衝撃の内部投稿
問題の報道直後、総務省の郵政行政部では業務用ツール「Teams(チームズ)」上に「放棄・隠匿」と題したグループチャットが立ち上げられました。
2025年10月2日、朝日新聞が総務省に対して情報開示請求を行い、受理された直後のことです。チャット内では「A社から開示請求が来ました」という報告に続いて、「特別延長してほとぼりをさめさせる」という投稿がされていたことが確認されました。
これは情報公開法が定める開示期限を「特例」として延長することで、問題への注目が高まっている時期をやり過ごそうとする意図を示すものです。開示は実際に遅れ、2026年1月16日にようやく「特例」での開示決定通知が届きましたが、内容は限定的にとどまりました。
業務チャットで開示遅延を相談するとは、国民を完全になめているとしか言いようがありません
さらに、幹部説明用として共有された文書には、総務省自身の対応の「判明した問題点」という記載があったことも明らかになっています。担当部局は自分たちの対応の問題を認識しながら、それを公にしないよう動いていたことになります。
重ねて不開示、チャット文面も隠蔽 黒塗りが示す行政の実態
2026年4月2日、朝日新聞は再び情報開示請求を行いました。しかし同年7月15日に届いた開示決定でも、業務チャットの文面は「不開示」とされました。
開示された文書の多くは黒塗りで埋められており、情報開示請求がむしろ情報を選別・制限するための手続きとして機能していることが浮き彫りになっています。総務省大臣官房総務課は「事実関係を確認中」とするにとどまっています。
黒塗りだらけの開示文書では意味がありません。国民には真実をそのまま見せてほしいです
業務チャットの記録が不開示とされている以上、第三者機関による独立した調査なしには真相の解明が困難です。自分たちの問題点を把握しながら公開しないという行為は、公務員としての透明性と説明責任の観点から厳しく問われなければなりません。
行政のチャット使用と公文書管理 国民の知る権利が脅かされる
今回の問題は、省庁内で急速に普及している業務チャットと、公文書管理・情報公開制度との間の深刻なズレをあらわにしています。
内閣府公文書管理課が2023年に調べたところ、チャットツールを導入していたのは総務省や経済産業省など45の行政機関に及び、このうち35機関では地方局を含めた全職員が利用していました。法案審査や国会答弁案の作成にも使われているといいます。
情報公開制度を所管する総務省が、チャットで開示遅延を相談していたとは。制度の根幹が問われます
業務チャット上のやりとりが行政文書として適切に管理・保存されているかどうかは、現状では不透明なままです。チャット記録が不開示とされれば、省庁の意思決定の過程が国民の目に触れることなく消え去る可能性があります。
行政機関が「国民のための政治」ではなく、自らを守るための情報操作を行っているという疑念を、今回の業務チャットへの投稿内容は如実に示しています。業務チャットの公文書管理に関するルール整備と、省庁による情報公開制度の遵守を担保する仕組みの構築が急がれます。
こういう省庁がある以上、行政文書の管理ルールをもっと厳しくしてほしい。業務チャットも公文書のはずです
まとめ
・総務省の郵政行政部が業務チャットで「特別延長してほとぼりをさめさせる」と投稿し、情報開示を意図的に遅らせようとしていた。
・日本郵便は2021〜2023年度の放棄・隠匿疑い44件のうち27件(6割超)を非公表にしていた。
・総務省は2024年6月に問題を把握していたが、その後1年3カ月にわたり日本郵便の非公表を見過ごした。
・朝日新聞の情報開示請求に対し開示は実際に遅延し、開示文書の多くが黒塗りとなった。
・2026年4月の2回目の開示請求でもチャット文面は不開示とされた。
・業務チャットの公文書管理ルールの整備と、第三者機関による独立した調査が急務となっている。
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