「情報機関の暴走阻止へ」 政府、国家情報会議創設巡り長妻氏の懸念に首相答弁

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「情報機関の暴走阻止へ」 政府、国家情報会議創設巡り長妻氏の懸念に首相答弁

政府がインテリジェンス(情報活動)機能を強化するため「国家情報会議」を創設する法案について、国民の不安の声が国会で取り上げられました。 また、自民党総裁選についても、「もっぱら現役の首相を勝たせることを目的として情勢調査することは、これまでも行っていないと聞いているし、今後も行うことはない」と断言しました。

政府がインテリジェンス(情報活動)機能を強化するため「国家情報会議」を創設する法案について、国民の不安の声が国会で取り上げられました。特に、野党側からは情報機関が国民の権利を侵害したり、政治的に利用されたりするのではないかという懸念が表明されています。これに対し、高市早苗首相は、国民の不安を払拭するべく、情報活動の目的と範囲について具体的な答弁を行いました

国家情報会議創設の狙いと背景


政府は、複雑化・高度化する国際情勢や、サイバー空間における脅威などに対応するため、各府省庁に分散している情報機能を集約・強化し、より迅速かつ的確な情報収集・分析体制を構築することを目指しています。この中核となるのが、新たに設置される「国家情報会議」です。この会議を通じて、国家としての情報収集能力を高め、安全保障や国益の確保に万全を期すことが政府の狙いです。

長妻氏が「集めてはいけない情報」を具体的に指摘


衆議院の内閣委員会において、中道改革連合の長妻昭議員は、この国家情報会議の創設法案に対し、一定の理解を示しつつも、その運用における潜在的なリスクに警鐘を鳴らしました。長妻議員は、「日本は世界で起こっていることを的確に把握する能力が低い」と指摘し、能力向上の必要性には同意しました。しかし、その一方で、「副作用に関して政府は本当に無頓着すぎる。人権侵害やインテリジェンスの政治化というのが非常に心配される」と述べ、情報機関が国民の権利を脅かすような情報収集を行うことへの強い懸念を表明しました。

長妻議員は、特に政府が「集めてはいけない情報」として、以下の5つの具体的な事例を挙げ、首相の見解を質しました。それは、「法律とルールを守った上で、政府の政策に反対するデモや集会に参加しただけの人」に対する顔写真撮影や本名・職業の調査、国政選挙や自民党総裁選の情勢調査、首相や閣僚のスキャンダル追及をかわすためのマスコミや野党の動向調査、そして自民党有力議員の地元選挙区情勢に関する調査と提供です。これらの活動は、国民の自由な意思表明や政治活動を萎縮させ、情報機関が不当に国民を監視・管理する道具となりかねないという危機感の表れでした。

首相、デモ参加者調査に「一般市民は対象外」と明言


長妻議員が示した懸念に対し、高市首相は国民の不安を和らげるよう、丁寧な答弁を心がけました。まず、政府の政策に反対するデモや集会に参加した一般市民について、首相は「普通の市民が調査の対象になるということは想定しがたい」と明言しました。デモそのものが直ちに情報活動の関心の対象となることは一般的ではないとの認識を示したのです。

しかし、首相は、「デモが過激化して一般人に危害が及ぶ事態に発展するかどうか、デモ隊同士が衝突して危険が生じる可能性があるかどうかといった観点から『関心を寄せることはあり得る』」とも付け加えました。これは、単なる反対活動ではなく、公共の安全を脅かすような事態に発展する可能性がある場合には、その状況を把握する必要があるという、治安維持の観点からの説明でした。長妻議員はこの答弁について「一定の答弁が得られた」と評価し、今後の情報機関の活動における指針となることを期待しました。

選挙・スキャンダル情報収集「目的外ならしない」


国政選挙の情勢調査に関する長妻議員の質問に対し、首相は「内閣の重要政策に関連して世論の動向が話題になることはあり得る」と述べました。特に、昨今問題となっている外国勢力による選挙干渉への対策として、SNS上の偽情報などの動向を注視する必要性を強調しました。その上で、「私が内閣情報官から、私が首相になってから行われた選挙の情勢について報告や資料の提供を受けたことはない」と述べ、「単純に自民党が勝つか勝たないかという調査はしない」と明確に否定しました

また、自民党総裁選についても、「もっぱら現役の首相を勝たせることを目的として情勢調査することは、これまでも行っていないと聞いているし、今後も行うことはない」と断言しました。これは、総裁選という党内の選挙活動に、政府の情報機関が不当に介入することへの強い牽制となります。

さらに、スキャンダル追及に関するマスコミや野党の動向調査については、「スキャンダルについて、もっぱらマスコミや野党の追及をかわす目的だけで情報活動を行うということは現在も想定されないし、今後も行われることはない。それはあってはならない」と、改めて情報機関の政治利用を強く否定しました。ただし、「政府の重要な機密情報の漏洩のように、国益や国民の安全に直結するような不適正事案の疑いがある場合には関心が向く」とも説明し、国益に関わる事案と、そうでない私的なスキャンダルとを明確に区別する姿勢を示しました。長妻議員は、この答弁に対し「ホッとしている人いる」と述べ、一定の安心感を示しました。

有力議員の地元選挙区情勢に関する調査についても、首相は「特定の党や候補者を利するような目的で情報活動を行っていないし、今後も行うことはない」と否定しました。自身の経験として、「有力議員ではなかったのかもしれないが、私は一度もそういう情報を得たことがない」と語り、透明性のある情報収集体制を強調しました。

一連の答弁を受け、長妻議員は「徹底してほしい」と求め、政府に対して、国民の信頼を得られるような慎重かつ公正な情報活動の実施を改めて促しました。

まとめ


  • 政府はインテリジェンス機能強化のため「国家情報会議」を創設する法案を提出。
  • 長妻昭議員は、情報機関による国民の権利侵害や政治利用を懸念し、5つの具体的な「集めてはいけない情報」を提示。
  • 高市首相は、デモ参加者や選挙情勢、スキャンダル追及目的の情報収集について、「一般市民は対象外」「自民党勝利のため、現役首相を勝たせるための調査はしない」「スキャンダル追及をかわす目的の情報活動はしない」と明確に否定。
  • ただし、デモの過激化による危険や、国益・国民の安全に関わる事案については、情報収集の対象となり得ることを説明。
  • 長妻議員は首相の答弁に一定の評価をしつつ、今後の徹底を求めた。

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2026-04-17 13:01:42(櫻井将和)

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