「課題先進県」和歌山・宮崎知事、就任1年で描く未来像:人口減克服へDX、財政難に挑む決断、災害対策強化

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「課題先進県」和歌山・宮崎知事、就任1年で描く未来像:人口減克服へDX、財政難に挑む決断、災害対策強化

少子高齢化による人口減少や厳しい財政状況など、多くの課題を抱える「課題先進県」を率いる知事は、この1年を「がむしゃらに走ってきた」と振り返り、未来に向けた具体的な取り組みと決意を語りました。 これらの課題が山積し、和歌山県はまさに「課題先進県」としての重責を負っています。

和歌山県の宮崎泉知事が、3月3日の就任1周年を前に、産経新聞の単独インタビューに応じました。少子高齢化による人口減少や厳しい財政状況など、多くの課題を抱える「課題先進県」を率いる知事は、この1年を「がむしゃらに走ってきた」と振り返り、未来に向けた具体的な取り組みと決意を語りました。

「課題先進県」和歌山県、知事就任1年で直面する難題


宮崎知事は、岸本周平前知事の死去に伴い、その職を引き継ぎました。知事が就任の動機として挙げたのは、「課題に向き合い、笑顔あふれる和歌山をつくる」という強い思いです。しかし、和歌山県が直面する現実は厳しいものがあります。地域経済の縮小に直結する少子高齢化と人口減少は深刻な問題です。

特に、産業の担い手不足は喫緊の課題となっています。第一次産業をはじめ、地域の活力を支える基幹産業において、後継者不足は将来への大きな懸念材料です。さらに、県は長年にわたり財政難にも苦しんでいます。2026年度当初予算でも125億円もの収支不足が見込まれ、県債管理基金を取り崩して対応するという厳しい状況が続いており、これは3年連続の赤字となります。

加えて、県が管理する多くの公共施設の老朽化も、財政を圧迫する要因です。2035年度までに約2370億円、年平均約79億円もの改修・更新費用が必要と試算されており、美術館、博物館、体育館、武道館などの大規模改修だけでも相当な額に上ります。これらの課題が山積し、和歌山県はまさに「課題先進県」としての重責を負っています。

DXと新産業で人口減・地域振興に挑む宮崎知事


こうした難局に対し、宮崎知事は未来への希望を見出すための戦略を打ち出しています。その鍵となるのが、ICT(情報通信技術)の活用と、新たな成長産業の育成です。知事は、第一次産業の活性化のために、後継者が安心して働ける環境整備が不可欠だと指摘します。具体的には、農業や林業の分野でドローンやAI(人工知能)といった先端技術を導入し、省力化と効率化を図る考えです。これにより、人口減少に伴う人手不足を解消し、産業の持続可能性を高めることを目指します。

「実際に(従事者に)『いいじゃないか』と分かってもらい、活用できるようにしたい」と語る知事の言葉には、現場の理解を得ながら、着実に技術導入を進めたいという意欲がうかがえます。ICT化は、単なる効率化にとどまらず、若者の新たな就業機会を創出し、ひいては人口の流入につながる可能性も秘めています。

さらに、宮崎知事は、GX(グリーントランスフォーメーション)や洋上風力発電、さらにはロケット開発といった先端分野を、和歌山県の新たな成長エンジンと位置づけています。使用済み食用油などから製造されるSAF(持続可能な航空燃料)の製造支援や、バイオマス発電の推進なども視野に入れ、「お金はないが、お金を使ってくれる企業を呼び込む」と、積極的な企業誘致戦略を展開する方針です。これらの新産業が根付けば、雇用の創出と地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されます。

財政難と老朽化施設、決断迫られる県政運営


一方で、厳しい財政状況と公共施設の老朽化という課題への対応は、知事にとって避けて通れない難題です。限られた予算の中で、どのような施策を優先すべきか、厳しい選択が迫られています。宮崎知事は、「施設を1つ減らすだけでも大変な問題」としながらも、「前に進むために統廃合もしなければならない。すべてを改修するわけにはいかない。取捨選択が必要」と、現状維持にとどまらない、抜本的な改革の必要性を認識しています。

無駄を排し、効果的な予算執行を行うことの重要性を強調し、「頭を使って、中身が伴うお金の使い方をしなければ」と決意を語りました。公共施設の統廃合や、事業の精査などを通じて財政基盤を強化し、将来世代への負担を軽減しながら、持続可能な県政運営を目指す考えです。

南海トラフ地震への備え、受援体制強化と連携


和歌山県は、南海トラフ地震という巨大災害のリスクにも直面しています。宮崎知事は、県民の命を守るための基本対策として、住宅の耐震化や迅速な避難計画の重要性を改めて強調しました。特に、2026年の能登半島地震では、迅速かつ効果的な支援活動の拠点となる「受援体制」の整備が課題となりました。

宮崎知事は、「災害ボランティアの配置などを差配する立場の人を組織することが大事」と述べ、平時からの人材育成や組織化の必要性を訴えました。これまでも、自衛隊をはじめとする関係機関との連携を深めてきたとし、「自衛隊とは顔の見える関係を保っている。今できることをやる。終わりはない」と、災害対策は継続的な取り組みであるとの認識を示しました。危機管理体制の強化は、知事の責務として最重要課題の一つと位置づけられています。

まとめ


  • 宮崎泉和歌山県知事は就任1周年を迎え、県が抱える課題と今後の取り組みについて語った。
  • 和歌山県は少子高齢化、人口減少、財政難、公共施設の老朽化といった「課題先進県」としての厳しい現実にある。
  • 知事は、ICT化(ドローン、AI活用)による第一次産業の活性化や、GX、洋上風力などの新産業誘致による人口減少対策と地域振興を目指す。
  • 財政難と公共施設の老朽化に対し、施設統廃合や事業の取捨選択といった厳しい決断も辞さない覚悟を示した。
  • 南海トラフ地震への備えとして、住宅耐震化や避難計画に加え、能登半島地震の教訓を踏まえた「受援体制」の強化と関係機関との連携を重視する。

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2026-06-03 06:31:49(櫻井将和)

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