2026-07-16 コメント投稿する ▼
皇室典範改定案が参院委で可決 小池晃氏「女性差別助長で廃案を」と反対討論
男系男子の皇位継承に固執する皇室典範改定案が2026年7月16日の参院皇室典範特別委員会で、自民・維新・国民民主・公明・参政の賛成多数で可決し、翌17日に成立しました。日本共産党の小池晃書記局長は反対討論で、女性天皇賛成が90%に上る圧倒的な世論を無視してわずか3時間余りの審議で採決したことは許されないと批判しました。「女性というだけで天皇の地位につけないなら女性差別を助長することは明らかだ」と訴え、旧宮家の男系男子を養子候補とする規定も「時代錯誤の男尊女卑」「門地による差別」と断じ、廃案を強く求めました。
女性天皇を求める9割の世論を無視した採決
男系男子の皇位継承に固執する皇室典範改定案が2026年7月16日の参院皇室典範特別委員会で、自由民主党(自民党)・日本維新の会(維新)・国民民主党・公明党・参政党の賛成多数で可決しました。日本共産党(共産党)と立憲民主党、れいわ新選組は反対しました。翌17日の参院本会議で成立しました。
日本共産党の小池晃書記局長は反対討論で、天皇の制度の議論は「憲法の条項と精神に基づき、国民の合意と納得を得て進めるべきだ」と強調しました。女性天皇・女系天皇を認めるべきという「圧倒的な世論を無視して、3時間余りの質疑(参院)で採決することは許されない」と批判しました。
2024年4月に共同通信が実施した郵送世論調査では「女性天皇に賛成」が90%、「女系天皇に賛成」が84%に上っています。国民の圧倒的多数が女性天皇を認めるべきだと考えているにもかかわらず、今回の改定案は女性・女系天皇への道を完全に閉ざしました。
「女性が天皇になれないなんて、現代社会では信じられない。国民の声をまったく聞いていない」
「女性天皇に90%が賛成しているのに、3時間の審議で採決するなんてあまりにも強引すぎる」
小池氏は、日本国憲法第1条で天皇の地位は「主権の存する国民の総意に基く」とされていると指摘しました。木原稔官房長官が15日の質疑で国民の理解がいまだ得られていないことを事実上認めたとして、「国民の総意に反するやり方は、将来に大きな禍根を残す」と批判しました。
「女性差別助長」「時代錯誤の男尊女卑」と批判
小池書記局長は反対討論で4つの理由を示しました。
第一の反対理由は、男系男子の皇位継承に固執し強化することが、日本社会における女性差別を助長するからです。小池氏は「女性というだけで『国民統合の象徴』の地位につけないとなれば、社会における女性差別を助長することになるのは明らかだ」と批判しました。木原官房長官が「女性差別とは関係ない」と答弁したのに対し、「ごまかしだ」と一蹴しました。
小池氏はさらに、政府が主張する「男系男子での継承が2600年以上にわたる皇統の伝統」という説明を歴史的事実ではないと指摘しました。1889年に制定された大日本帝国憲法で天皇主権が確立し、旧皇室典範に「男系男子」継承が明文化されたのは明治時代の出来事です。「自民党が強調する『皇紀2686年』などというのは、明治時代に天皇を現人神として描き出すためにつくられた皇国神話そのものだ」と指摘しました。
「男系男子の継承が2600年の伝統というのは歴史的事実ではない。明治につくられた神話だ」
「女性が象徴天皇になれないのは女性差別そのものだ。国連の女性差別撤廃委員会もそう指摘している」
「立法府の総意」崩壊 旧宮家養子案は「門地による差別」
第二の反対理由は、皇族の養子縁組を禁じる現行の皇室典範を覆し、旧11宮家の男系男子を養子候補として、その男子に皇位継承権を与えることにしたからです。今の天皇と旧11宮家の共通の祖先は約600年前の室町時代にさかのぼり、36〜38親等もの隔たりがあります。小池氏はこれを「時代錯誤の男尊女卑そのものだ」と断じました。
旧宮家の子孫は一般国民として生まれ育った人たちであり、特別な身分の皇族とすることは憲法14条1項が禁じる「門地による差別」に抵触するとも指摘しました。
一般国民として生まれ育った人を突然特別な身分にするのは、憲法が禁じる門地による差別にあたる
第三の反対理由は、女性皇族とその子が天皇になる道を閉ざしながら、結婚後も皇室行事を担う要員として皇室に残すことを原則としている点で、「女性皇族を都合よく扱うものにほかならない」と批判しました。
第四の反対理由は、「立法府の総意」なるものが完全に崩壊していることです。政府は皇位継承の問題とは切り離した皇族数の確保策を議論すると言っていながら、法案提出の段階で「養子の子の男子が皇位継承資格を持つ」という規定を突然盛り込んだことを「国会と国民を愚弄するものだ」と批判しました。
小池氏は「本法案は日本国憲法の精神と条項に反し、『主権の存する国民の総意』に基くべき天皇の制度を根本から変質させる」として、廃案を強く求めました。
まとめ
- 皇室典範改定案が2026年7月16日の参院特別委で自民・維新・国民民主・公明・参政の賛成多数で可決。共産・立憲・れいわは反対した
- 小池晃書記局長は女性天皇賛成90%の世論を無視した3時間余りの審議で採決することは「許されない」と批判した
- 「女性というだけで天皇の地位につけないなら女性差別を助長することは明らかだ」と断じた
- 「男系男子2600年の伝統」は明治時代につくられた皇国神話に過ぎないと歴史的事実を指摘した
- 旧11宮家の男系男子の養子縁組規定を「時代錯誤の男尊女卑」「門地による差別」と批判した
- 「立法府の総意」という政府の主張も崩壊していると批判した
- 「天皇の制度を根本から変質させる」として廃案を強く求めた