2026-08-07 コメント投稿する ▼
財務省が過去最大6.2兆円介入も円安復帰 日本政府は円安を容認しているのか
財務省は2026年8月7日、同年4~6月期の為替介入実績(日次ベース)を公表しました。大型連休中を含む4月30日・5月4日・5月6日の3日間で計11兆7349億円の円買い・ドル売り介入が行われ、4月30日の6兆2787億円は1日当たりの過去最大を更新しました。しかし介入後も円相場は再び160円台に逆戻りし、7月には約40年ぶりの164円台に迫る円安が進行しています。識者や市場関係者からは「構造的要因に手を付けない限りトレンドは変わらない」「日本政府は実質的に円安を容認しているのではないか」との批判が上がっています。
4月30日に過去最大6兆2787億円 3日間で計11.7兆円を投入
財務省は2026年8月7日、4~6月期の為替介入実績(日次ベース)を公表しました。
政府・日銀は4月30日に6兆2787億円の円買い・ドル売り介入を実施し、2024年4月29日に記録した5兆9185億円を上回る1日当たりの過去最大を更新しました。
続く5月4日には7802億円、同月6日には4兆6759億円の介入を実施し、大型連休中3日間の合計は11兆7349億円と、円安局面での介入額として過去最大規模となりました。
介入に先立つ4月30日、財務省の三村淳財務官は「いよいよ断固たる対応を取る」と発言し、市場への強い警戒感を示していました。
介入後も160円台に逆戻り 単独介入の限界が鮮明に
4月30日の介入直前、ドル円相場は1ドル=160円台後半まで円安が進行していました。介入後は一時155円台まで急騰したものの、5月末には159円台前半に逆戻りし、7月には約40年ぶりとなる164円前後まで円安が一段と進行しました。
政府・日銀は7月30日にも再び大規模な円買い介入を実施しましたが、効果は一時的にとどまっています。
11兆円以上も介入して、翌月には160円に戻るだけ。国民の外貨準備をいくら使い続けるつもりなのか
11兆円超という過去最大の介入が1カ月以内に無力化された事実は、単独介入では根本的な円安トレンドを変えられないことを改めて示しました。
介入するたびに市場は日本の本気度を疑う。もはやドル売り介入の『押し目』に利用されているだけではないか
日米金利差・構造的貿易赤字・デジタル赤字 円安を生む三つの根本原因
識者の多くは、現在の円安には「構造的要因」が深く根付いていると指摘しています。
第一に、日米金利差の問題です。米国のFRB(連邦準備制度理事会)が高金利を維持する一方で、日銀の政策金利は欧米と比較して依然として低く、より高い利回りを求めてドルへ資金が流れる円キャリートレードが続いています。
第二に、構造的な貿易赤字です。かつて「輸出大国」として貿易黒字を稼いでいた日本は、エネルギー・食料の輸入拡大や主要産業の海外移転によって貿易収支が赤字基調に転じており、輸入代金を支払うための円売りが常態化しています。
さらに近年は、NetflixやAppleといった海外デジタルサービスへの支払いによる「デジタル赤字」の拡大や、新NISA(少額投資非課税制度)を通じた家計の海外株式投資の増加も、新たな構造的円売り圧力として顕在化しています。
デジタルサービスも投資も海外流出が止まらない。国内産業を育てる政策をせずに介入だけしても、穴の開いたバケツに水を注ぐようなものだ
「スピード調整」にすぎない介入 日本政府は円安を容認しているのか
政府・日銀の介入は「為替相場の急激な変動を抑え、安定化を図るため」と説明されています。しかし市場関係者の間では、この「安定化」とは円安トレンドを止めることではなく、急落のスピードを緩めるだけの「スピード調整」にすぎないとの見方が支配的です。
数十年にわたる経済政策の失敗が産業の空洞化と貿易赤字を招き、今日の円安容認の構造を固定化してきたとも言えます。円安は輸出企業の円建て収益や訪日外国人消費を下支えするため、政府が一定程度の円安を「容認」しているのではないかという見方は根強くあります。
円安メリットは大企業と政府が享受して、物価高のデメリットは庶民が被る。これのどこが国民のための政策なのか
急激な円安が招く輸入物価の上昇は、家計を直撃する物価高として跳ね返ってきます。為替介入という小手先の対処療法だけでは限界があり、日銀との政策協調による利上げ推進、国内産業・デジタル競争力の抜本的強化といった根本的な政策転換が急務です。
介入するたびに外国の投機筋がドルを底値で仕込む機会を与えている。日本政府が補助金を配っているようなものだと思う
まとめ
・財務省は2026年8月7日、4~6月期の日次為替介入実績を公表。4月30日・5月4日・5月6日の3日間で計11兆7349億円の円買い介入を実施
・4月30日の6兆2787億円は1日当たりの過去最大(2024年4月29日の5兆9185億円を更新)
・介入後も円相場は160円台に逆戻りし、7月には約40年ぶりの164円台に迫る円安が進行
・円安の根本原因は日米金利差・構造的貿易赤字・デジタル赤字・新NISAによる資金流出など複合的な構造問題
・政府の介入はトレンド転換ではなく円安スピードを緩める「調整」にすぎず、円安容認との批判が根強い
・根本解決には日銀との政策協調による金利正常化と国内産業・デジタル競争力の抜本的強化が不可欠
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