2026-04-22 コメント投稿する ▼
「県民以外も購入可能だった」兵庫県「はばタンPay+」 ずさんな確認体制に批判の声
兵庫県が物価高対策として県民向けに発行しているプレミアム付きデジタル商品券「はばタンPay+」について、本来の対象であるはずの県外居住者も購入できていたことが明らかになりました。 申込画面には、県内在住者であることを確認するチェック項目が設けられており、県担当者は「利用規約に同意していただいているので、県内在住であると認識している」と説明しました。
事業の概要と目的
「はばタンPay+」は、県民の家計負担を軽減し、地域経済の活性化を図ることを目的に、兵庫県が2023年から展開してきた事業です。これまでに第5弾まで実施されており、一般枠には累計で約400万件もの申し込みがありました。購入金額に上乗せされるプレミアム分は国の交付金で賄われており、第5弾の予定分を含めると、その総発行額は約1000億円規模に達します。県民にとっては、お得に買い物ができる魅力的な制度として期待されてきました。
ずさんな本人確認の実態
しかし、この制度の根幹を揺るがす問題が浮上しました。アプリからの購入手続きでは、電話番号、メールアドレス、氏名、性別、住所、生年月日といった個人情報の入力が求められますが、入力された住所が県内のものであるかを確認する公的な証明書の提出は一切不要だったのです。県は、県内に住んでいれば住民票がなくても利用対象としており、住民票との照合も行わない方針でした。
さらに、悪質なケースとして、同一人物が複数の異なる住所や電話番号を偽って入力すれば、一人あたりの購入上限額を超えて申し込むことも可能だったとみられています。本来、県民の生活を支援するために用意された財源が、制度の趣旨に反して県外の人物に渡る、あるいは一部の個人に過剰に利用されるリスクがあったと言わざるを得ません。
県側の認識と説明
今回の問題発覚に対し、兵庫県側の対応は鈍いものでした。申込画面には、県内在住者であることを確認するチェック項目が設けられており、県担当者は「利用規約に同意していただいているので、県内在住であると認識している」と説明しました。これは、利用者の自己申告を事実上、無条件で受け入れているに等しい認識です。
2026年4月22日に開かれた定例記者会見で、斎藤元彦知事は「チェック項目で県内在住とチェックしていただいているので、適切に利用されていると考えている」と述べ、問題視する見方を否定しました。しかし、この発言は、制度の目的や実態を十分に把握せず、形式的な確認のみで「適切」と判断している姿勢を示唆しており、行政としての責任感の欠如とも受け取られかねません。
他市の対応との比較
一方で、同様のプレミアム付きデジタル商品券を発行している他の自治体では、より厳格な本人確認が行われています。例えば、さいたま市が2024年2月から受け付けを開始した商品券では、市内在住者であることを確認するために、マイナンバーカードを用いた認証が必須とされています。マイナンバーカードによる認証は、公的な身分証明書として信頼性が高く、なりすましや虚偽の申請を防ぐ効果が期待できます。
兵庫県の「はばタンPay+」における本人確認の甘さは、さいたま市のような先進的な取り組みと比較すると、行政のデジタル化推進における温度差や、住民への公平なサービス提供に対する意識の低さを浮き彫りにしています。
支援策としての公平性への疑念
今回の「はばタンPay+」を巡る問題は、単なる手続き上の不備にとどまりません。物価高に苦しむ県民の生活を支援するという本来の目的が、ずさんな管理体制によって損なわれた可能性が高いからです。限られた公的財源を、本来の対象者以外に流出させたことは、税金の無駄遣いであり、県民に対する裏切り行為とも言えるでしょう。
特に、一般枠とは別に設けられた「子育て応援枠」では、世帯単位での申し込みとなり、マイナンバーカードなどの証明書が必要だった点と比較すると、一般枠における本人確認の緩さが際立ちます。なぜ、より厳格な確認が必要な子育て世代向けの枠と、そうでない一般枠で、本人確認のレベルに大きな差があったのか、その理由を県は明確に説明する必要があります。
今後、兵庫県はこの問題に対してどのような責任をとり、再発防止策を講じるのか。県民の信頼回復に向けた、真摯な対応が求められています。
まとめ
- 兵庫県のプレミアム付きデジタル券「はばタンPay+」で、県外居住者も購入可能だったことが判明。
- 購入時の住所確認は自己申告のみで、証明書提出は不要というずさんな体制だった。
- 同一人物が上限額を超えて購入できた可能性も指摘されている。
- 斎藤元彦知事は「チェック項目で適切に利用されている」と説明したが、公平性への疑念は払拭されていない。
- さいたま市など、マイナンバーカード認証で本人確認を強化する自治体との対比が鮮明になった。
- 公的支援策としての公平性、適正性に大きな問題があり、税金の無駄遣いとの批判は免れない。