2025-04-24 コメント投稿する ▼
公約夢洲に4000人足止め 万博会場で露呈した危機対応の甘さとインフラの脆弱性
万博で4000人足止め 浮き彫りになった“想定外”の甘さ
大阪・関西万博の開催を控えた夢洲(ゆめしま)で、重大な課題が浮き彫りになった。22日夜、会場に向かう唯一の鉄道・大阪メトロ中央線で車両トラブルが発生し、夢洲駅ではおよそ4000人が足止めを食らった。情報伝達の遅れ、避難誘導の不備――。日本国際博覧会協会の危機対応力に疑問符がついた。
情報が届かない、動けない 「何が起きてるのか分からなかった」
22日午後9時半ごろ、大阪港駅で電車が故障し、中央線は全線で運転を見合わせた。ところが、肝心の万博協会が事態を把握したのは約30分後。しかもきっかけは、夜勤に向かっていたスタッフからの報告だった。
本来、大阪メトロ側から連絡が入るはずだったが、うまく伝わらなかったという。メトロから協会に派遣されている職員もいたが、連携は機能せず。情報共有の基本すらできていなかった。
駅に到着したパビリオン関係者は「何が起きているのか誰も分からず、身動きが取れなかった」と語る。駅は人であふれ、終電も迫る中で、場内に誘導する措置も取られなかった。
「想定外」の落とし穴 バスの代替も現実的ではなく
万博協会は、「営業終了後だったので、来場者はすでに帰っていると思っていた」と釈明するが、リスクへの備えとしては甘すぎた。結果、会場外に出られずに駅で滞留する人が続出した。
万博会場は海に囲まれた人工島・夢洲にある。アクセス手段はほぼ大阪メトロ中央線一本に頼る状態で、まさに“交通の一本足打法”だ。
吉村洋文知事は「西ゲートを活用し、バスなどで代替輸送する手段を考えるべきだ」と訴えるが、協会側は「バスの輸送力は限られていて、急な手配は難しい」と慎重な姿勢を崩していない。
「宿泊できる場所が必要だ」識者が提言
大阪メトロでは年間20件ほどの運行障害が起きているという。関西大学の安部誠治名誉教授は「半年間も会期がある万博で、同様のトラブルが起きるのは想定内。今から対策を講じるべきだ」と警鐘を鳴らす。
たとえば、場内のパビリオンや施設を一時避難・宿泊場所として開放する体制を整えること。遠方からの来場者は、夢洲を出られたとしても終電に間に合わなければ帰れなくなる。そうした“もしも”に備えることが、国際イベントを主催する側の責任ではないか。
さらに、バス会社との協定を結び、緊急時にはJRの最寄り駅まで人を運ぶルートを確保しておくことも求められる。ただ、バスの輸送能力には限界があるため、第一段階として「夢洲にとどまれる場所を確保すること」が現実的な対策になるという。
本番前の“警鐘”をどう生かすか
幸い、今回の混乱では大きな事故や負傷者は出なかった。しかし、これは「試運転」で済ませるわけにはいかない教訓だ。万博の成否は、パビリオンの華やかさだけでなく、「何かあった時の対応力」にかかっている。
夢洲という孤立した立地の中で、限られたインフラをどう活かすか。協会と行政が今こそ腰を据えて議論し、実効性のある対策を打ち出すべきときだ。次に同じことが起きた時、「またか」と言われないように。
この投稿は吉村洋文の公約「2025年大阪・関西万博の成功と大阪府と大阪市の連携強化」に関連する活動情報です。この公約は10点の得点で、公約偏差値35.8、達成率は0%と評価されています。