2025-04-23 コメント投稿する ▼
私立大入学金「返還なしはおかしい」 吉村知事、国に制度見直しを要請へ
私立大学の入学金返還問題、吉村知事が制度改革を提言
大阪府の吉村洋文知事は、私立大学の入学金制度に対する疑問を表明し、国に対して制度の見直しを求める意向を示した。自身の子どもの大学受験を通じて、入学しなかった私立大学への入学金が返還されない現状に疑問を抱いたという。
吉村知事は記者会見で、「現在の入学金の支払期限のあり方では併願すると、私大の入学金は払わざるを得ず返ってこない。少ない金額でもなく制度はおかしい」と述べ、大阪府として状況調査を行い、制度変更に向けて国に意見を伝えるとした。
入学金制度の現状と課題
私立大学の入学金は、合格者が大学に入学しうる地位を取得するための対価とされ、入学を辞退しても返還されないのが通例である。2006年の最高裁判決でも、大学側は返還義務を負わないと判示されている。
しかし、国立大学の合格発表が私立大学よりも遅いため、受験生は併願校の私立大学に入学金を支払わざるを得ない状況が続いている。これにより、経済的に余裕のない家庭では、受験校の選択肢が狭まり、教育の機会均等が損なわれるとの指摘がある。
学生や保護者からの声
学生有志の会は、入学金納入時期の延長を求める署名活動を行い、約3.7万人の署名を集めた。文部科学省に対して、入学金の納付期限延長や私立大学への助成金増額などを要請している。
また、全国大学生活協同組合連合会の調査によると、私立大学生が入学しなかった大学に支払った入学金などの納付金は平均29万4千円に上る。これにより、家計が厳しい家庭では、受験校を絞らざるを得ない状況が生じている。
公立高校の単願制見直しも検討
一方、石破茂首相が公立高校受験の単願制見直しに向けた検討を指示したことについて、吉村知事は「子供たちの数が減っている中で(受験の)選択肢をより広げるべきだ」と述べ、府としても国の制度案を検討する意向を明らかにした。
- 吉村知事が私立大学の入学金制度の見直しを国に要請へ。
- 入学金は入学しない場合でも返還されないのが通例。
- 経済的負担が受験生の選択肢を狭めているとの指摘。
- 学生有志の会が入学金納入時期の延長を求める署名活動を実施。
- 石破首相が公立高校の単願制見直しを指示、吉村知事も歓迎の意向。
私立大学の入学金制度に対する疑問が高まる中、制度の見直しに向けた動きが進んでいる。今後、国や大学側の対応が注目される。