2025-04-19 コメント投稿する ▼
公約「魂を吹き込んだ」はずが…2億円トイレに非難殺到 大阪万博、見た目重視の末路
「魂を吹き込んだ」はずが…大阪万博トイレに利用者が悲鳴
2025年の大阪・関西万博で、会場内のトイレが思わぬ「目玉」となっている。だが、残念ながらその注目はポジティブな意味ではない。「丸見えすぎる」「使いにくい」「高すぎる」といった批判がSNSにあふれ、来場者の間でも困惑の声が広がっている。
使う人のことをまったく考えていない?
X(旧Twitter)で話題になったのは、子ども用のトイレ。間仕切りがなく、外から丸見えになってしまう構造に「これはちょっと…」と驚きの声があがった。ほかにも、男性用トイレで出口と入口が別になっており、「どこから出るのかわからない」と混乱する人も。デザイン重視の結果、利用者が置き去りになっている。
大阪府の吉村洋文知事は以前、「トイレにも魂を吹き込んだ」と語ったが、現場の利用者からは「ふざけてるのか」との声すら出ている。
トイレ1基2億円? 高すぎる建設費に疑問の声
問題はデザインだけではない。建設費も破格だ。会場内のトイレの中には1カ所あたり最大2億円近いものもあり、一般的な公園のトイレと比べても数倍のコストがかかっているという。
一部は1億5000万円程度まで圧縮されたとも報じられているが、それでも半年間しか使われない施設にしては高すぎるという声が圧倒的。納税者感覚からすれば、「本当にそれ必要だったの?」という疑問は拭えない。
ハンカチ必携? 衛生面でも配慮に欠ける設計
見た目は立派でも、中身はガッカリ。手を拭くためのペーパータオルやハンドドライヤーが設置されていないトイレも多く、衛生面での不安が募る。会場運営側は「SDGsへの配慮」「コロナ禍の想定設計」などと説明しているが、それが理由で基本的な衛生設備が省かれているのなら本末転倒だ。
大阪府自身のウェブサイトでは「手洗いと乾燥は重要」とうたっているだけに、整合性のなさも気になる。
「見た目重視」が生んだ混乱
デザイン優先の結果、利用者の混乱はとどまらない。鍵の開け方がわかりにくい、男女の区別が不明瞭、小便器なのに個室仕様で回転率が悪い……。そんなトイレに列ができ、使い方が分からずに壊された事例すら報告されている。
「未来の技術や社会の姿を示す場」として開催されたはずの万博で、トイレにこれほどのストレスを感じるとは、誰が想像しただろうか。
全国で進む「デザイン重視」の流れ
今回の件の背景には、近年自治体で進んでいる“見た目重視”の公衆トイレ開発がある。東京都渋谷区と日本財団が実施した「THE TOKYO TOILET」では、著名建築家らが手がけたトイレが話題になったが、1カ所で1億円超のケースもある。
美しいトイレが街の景観や観光資源になるという狙いは理解できるが、実際に使う人の視点がどこまで取り入れられているかは疑問だ。奇抜なデザインのせいで使い方がわかりにくかったり、清掃が大変だったりという指摘もある。
「使いやすいトイレ」がなぜ優先されないのか
費用対効果の面でも、疑問は残る。1カ所2億円のトイレにかけるよりも、その予算でシンプルで清潔なトイレをいくつも作った方が、より多くの人の満足につながったのではないか。
今回の万博のトイレ問題は、「何のために税金を使うのか」という根本を見直す必要性を私たちに突きつけている。
世界が見るイベントだからこそ、基本に立ち返るべきだった
かつて東京オリンピックの選手村トイレが世界中から高評価を受けたのは、奇抜なデザインではなく、日本の技術と「おもてなし」の心が細部にまで行き届いていたからだ。
今回の万博は、それとは真逆の印象を与えてしまっている。トイレを芸術作品に仕立て上げるより、まずは「安心して用が足せる場所」であること。それが何よりも大切なのではないか。
未来の展示場が、現実の不満の吹きだまりに
「魂を吹き込んだ」と豪語したトイレが、利用者にとってはストレスの象徴になってしまった。大阪万博が未来を見せるはずのイベントであるならば、まずは“今”の不便や不満ときちんと向き合うべきだ。
そして今後の公共事業では、見た目や話題性に流されることなく、「使いやすくて、清潔で、安心できる」ことを最優先にした設計が当たり前になってほしい。国民の税金を使うという意味を、もう一度真剣に考えるべき時ではないだろうか。
この投稿は吉村洋文の公約「2025年大阪・関西万博の成功と大阪府と大阪市の連携強化」に関連する活動情報です。この公約は10点の得点で、公約偏差値35.8、達成率は0%と評価されています。