2025-02-26 コメント投稿する ▼
公約大阪万博「大屋根リング」木材調達の矛盾 フィンランド産使用で環境配慮が後退
■環境重視とフィンランド産木材の矛盾
万博会場を囲む「大屋根リング」の建設に使われる木材の多くがフィンランド産であるという事実は、主催者側が掲げる「日本の森林再生」や「エコ建築」というコンセプトと明らかに矛盾している。
環境を意識した建築として、樹齢30年ほどの木を使い、CO₂吸収を前提にしていると説明されているが、なぜかその木材のほとんどが外国産だ。日本国内の木材では、木造建築に必要な量と品質を確保できないという現実があるとはいえ、フィンランドから輸入された木材は、輸送に伴うCO₂排出を増加させ、エコの観点から大きな問題をはらんでいる。
フィンランド産木材の安価さは確かに魅力的だが、それが「日本の森林再生」を謳ったエコ建築のメッセージと合致しないことは、多くの専門家や市民から批判を浴びている。木材の輸送による環境負荷が問題視される中、どれだけ環境に配慮していると謳っても、実際に使用する材料に国際輸送が加わることで、その主張に疑問符がつけられることとなった。
■木材調達の現実と日本の森林政策の矛盾
また、この問題は日本の林業の現状とも深く関連している。日本の森林は急速に成長しており、国内の木材需要が高まりつつある一方で、国内産木材の流通が遅れがちであることが、フィンランド産木材に頼る原因となっている。だが、フィンランド産木材に頼ることで、日本の森林再生への貢献が薄れ、逆に輸入による環境負荷を招くという皮肉な結果を生んでいる。
■解体後の利用計画の不確実性
さらに問題なのは、万博終了後の「大屋根リング」の扱いだ。当初、万博協会は解体して廃棄する計画を立てていたが、その解体費用が非常に高額になることが懸念され、再利用の可能性が模索されている。しかし、万博会場に使われた木材の再利用には費用面での課題があり、実際に使われることになるかどうかも不透明だ。再利用するためには、木材の保存や再加工にかかる費用が新たに必要となり、結果的には経済的に持続可能な方法ではない可能性が高い。
■日本の未来を考えた再生可能な建材へのシフトが必要
万博が環境に優しいイベントとしてのイメージを強調する一方で、その実態が現実的な環境負荷を招いているという事実は、持続可能な社会の実現に向けた重要な反省点を示している。日本国内で再生可能な木材の供給や流通を進め、将来的には国内木材を中心とした環境配慮型建築への移行が必要不可欠である。
大阪万博の「大屋根リング」は、その規模やデザインで注目される一方、木材調達の問題や解体後の利用計画における不透明さなど、多くの課題を抱えている。特に「日本の森林再生」の名の下でフィンランド産木材が多く使われていることは、その主張に大きな矛盾を感じさせるものだ。
この投稿は吉村洋文の公約「2025年大阪・関西万博の成功と大阪府と大阪市の連携強化」に関連する活動情報です。この公約は10点の得点で、公約偏差値35.8、達成率は0%と評価されています。