2026-04-09 コメント投稿する ▼
稲田朋美氏、再審制度改正で政府に異議 冤罪防止へ検察官の抗告制限を強く主張
彼女は、再審開始決定に対する検察官の「抗告権」を制限すべきだと主張し、その実現なくして法改正の意味はないと、政府に迫りました。 自民党の稲田朋美元防衛相は、9日に開かれた法務部会と司法制度調査会の合同会議で、政府提出の刑事訴訟法改正案について、改めて強い懸念を表明しました。 * 自民党の稲田朋美元防衛相が、再審制度の見直しに関する政府提出の刑事訴訟法改正案に異議を唱えた。
再審制度見直しの背景
近年、日本の刑事司法制度において、無実を訴えながら長年服役を強いられる冤罪事件が後を絶ちません。こうした事態は、国民の司法に対する信頼を大きく揺るがすものです。こうした状況を受け、政府は再審制度の見直しに着手しましたが、その改正案の内容が、冤罪被害者の救済を迅速に進める上で十分なのか、党内から疑問の声が上がっています。特に、再審開始の可否を判断する重要な局面において、検察官に与えられている権限が、かえって被害者の救済を遅らせているのではないかという指摘が出ています。
政府案への異論噴出
自民党の稲田朋美元防衛相は、9日に開かれた法務部会と司法制度調査会の合同会議で、政府提出の刑事訴訟法改正案について、改めて強い懸念を表明しました。稲田氏は、記者団に対し、「政府原案は、検察の出している法案にしか見えない」と痛烈に批判。その上で、「自民党は検察の守護神ではない。適正な刑事司法手続き保障の守護神でなければならない」と述べ、司法手続きの公正さと、冤罪被害者の権利擁護こそが、自民党の本来あるべき姿であると力説しました。
「抗告」が冤罪救済を阻む壁
稲田氏が特に問題視しているのは、再審開始の決定が下された後でも、検察官が不服を申し立てる「抗告」ができる点です。この抗告権の存在が、冤罪事件の被害者を長年苦しめる要因となっていると、稲田氏は指摘します。彼女は、昭和61年に発生し、後に再審無罪が確定した福井中3殺害事件(福井事件)を例に挙げ、>「控訴審でも再審請求でも検察が証拠を隠し続け、抗告を続けてきた」と、検察による証拠開示の遅れや、不当な抗告が、冤罪被害者の救済を著しく妨げている実態を明らかにしました。>「誤った有罪判決で冤罪被害者がこんなにも長く救済されていない。理由は抗告と証拠を出していないから」という稲田氏の言葉には、制度が抱える根深い問題への強い危機感が込められています。
「非常救済措置」としての訴え
稲田氏は、この「抗告」に関する規定を改正案に盛り込まない限り、法改正そのものの意義が薄れると主張。「ここを改正しないと始まらない。抗告の禁止が手付かずでは何のための法改正なのか」と、その重要性を重ねて訴えました。さらに、記者団への取材機会が終わりかけるタイミングで異例とも言える強い発言を行ったことについて、「毎回言い続けて、全く無視されていた。国民の皆さんに訴える手段として〝非常救済手段〟をとった」と説明。これは、国民の関心を喚起し、冤罪防止に向けた議論を深めるための、やむにやまれぬ行動であったことを示唆しています。彼女は、冤罪事件が相次ぐ現状を「刑事司法への信頼が揺らいでいる」と捉え、「自民党らしい議論をして、よりよい法改正をしたい」と、前向きな解決への意欲も示しました。
議論の行方と今後の課題
こうした党内の強い異論を受け、政府は当初予定していた4月上旬の法案提出を先送りする方針を固め、衆参両院に伝えました。合同会議の冒頭で、司法制度調査会長を務める鈴木馨祐前法相は、法案提出の遅れについて謝罪するとともに、法務省に対し、「法案修正も含めて検討してほしい」と、さらなる改善を求めました。政府提出法案は、本会議や委員会の質疑に首相が出席する「重要広範議案」に指定されていることもあり、今後の法案修正に向けた動きが注目されます。しかし、検察官の抗告権をどこまで制限するか、また、捜査機関が保有する証拠の開示範囲をどう定めるかなど、具体的な論点については、今後、政府・与党内で慎重な協議が必要となるでしょう。
まとめ
- 自民党の稲田朋美元防衛相が、再審制度の見直しに関する政府提出の刑事訴訟法改正案に異議を唱えた。
- 稲田氏は、再審開始決定に対する検察官の抗告権を制限すべきだと主張。
- 抗告権の存在が、冤罪被害者の救済を遅らせる要因となっていると指摘。
- 政府案は「検察の出している法案にしか見えない」と批判し、自民党は「検察の守護神ではなく、適正な司法手続き保障の守護神であるべき」と訴えた。
- この強い発言は、国民に現状を訴えるための「非常救済手段」であったと説明。
- 党内の異論を受け、政府は法案提出を先送りし、法案修正の検討が進められる見通し。