2026-06-26 コメント投稿する ▼
選挙SNS偽情報対策を明文化 公選法・情プラ法改正案が衆院通過 AI動画に表示義務・事業者に対策義務化 来春統一地方選前に施行へ
選挙期間中のSNS(交流サービス)上での偽情報拡散や誹謗中傷に歯止めをかけるため、公職選挙法(公選法)と情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)の改正案が2026年6月26日、衆院本会議で与野党の賛成多数で可決されました。参院での審議を経て今国会中に成立し、施行日は2027年3月1日が予定されており、来春の統一地方選への適用が見通されています。近年の選挙でSNS上の偽情報や選挙を利用した収益目的の動画投稿が深刻化したことへの対応として、与野党が共同で取り組んできた議員立法です。
公選法改正の二本柱 利用者への「責務」とAI動画への表示義務
今回の公選法改正の核心は二点です。
一点目は、利用者への責務規定の明記です。選挙期間中、利用者が虚偽の事項や事実の歪曲によって「選挙の公正を害することがないようにしなければならない」という責務が法律に明文化されます。これにより、偽情報の投稿が「違法行為」として位置づけられ、SNS事業者が拡散防止策を講じやすくする法的根拠が整います。ただし、今回の改正では罰則は設けられていません。表現の自由や政治活動の自由は憲法上保障された権利であり、その侵害を避けるため責務規定にとどめた形となっています。
二点目は、生成AI(人工知能)で作成・改変した選挙動画や画像に対する注意表示の義務付けです。実際の撮影と誤認させる恐れのあるフェイク動画やディープフェイクが候補者の発言を偽る事例への対応として盛り込まれました。2026年2月の衆院選では動画を活用した選挙活動が急増しており、AIによる加工コンテンツへの対処が急務となっていました。
「選挙でのフェイク動画に法律ができたのは良いこと。ただ表現の自由との境界線がどこになるのかが気になる」
「AIで作られた偽動画が選挙期間中に拡散されて信じてしまう人がいるのは本当に問題だ。表示義務は必要だ」
情プラ法改正でSNS事業者に対策義務化 収益化停止も措置に含む
情プラ法の改正では、SNSなどのプラットフォーム事業者に対して、法令違反や虚偽など選挙の公正を害する恐れのある情報による悪影響を軽減する措置を義務付けます。事業者は措置の内容を公表することも求められます。
具体的な措置として念頭に置かれているのは、収益化の停止、収益化に関わったアカウントの表示、アカウントが「本人確認済み」であることを表示する機能の実装などです。候補者の街頭演説を切り取り過激な編集を加えてSNSで再生数を稼ぐ「選挙ビジネス」への対抗策としての意味もあります。
「SNS事業者に措置を義務付けても各社の基準がバラバラだと意味がない。統一した基準が必要ではないか」
「選挙ビジネスで稼ぐ人がいるなら収益化停止は当然の対策だ。情報の正確さより再生数を稼ぐ投稿は規制すべきだ」
罰則なき責務規定の実効性が問われる 統一地方選が試金石に
今回の法改正が議論された背景には、2024年の東京都知事選挙や兵庫県知事選挙などでSNS上の偽情報や誹謗中傷が深刻化した実態があります。選挙期間中に候補者に関する虚偽情報が拡散し投票行動に影響を与えることや、SNS上の収益目的の過激投稿が公正な選挙を歪めることは民主主義の根幹に関わる問題です。
与野党が協議を重ねて今国会中の成立を目指すという共同歩調は評価できますが、責務規定に罰則がないことから実効性への疑問は残ります。事業者が対策の内容を各社の判断に委ねる部分も残っており、統一的な運用基準の整備と実施状況の透明な公表が引き続き求められます。来春の統一地方選が今回の改正の効果を測る最初の試金石となります。
罰則がないと実効性に疑問だ。責務規定だけで偽情報を止められるのか、次の選挙で検証してほしい
まとめ
・公職選挙法と情プラ法の改正案が2026年6月26日、衆院本会議で与野党の賛成多数により可決された
・公選法改正では、利用者が偽・誤情報で選挙の公正を害しないよう求める「責務」を明文化(罰則なし)
・生成AIで作成・改変した選挙動画・画像には注意表示が義務付けられる
・情プラ法改正では、SNS事業者に悪影響軽減措置の実施と公表を義務付ける(収益化停止・本人確認済み表示機能などが想定)
・2024年の都知事選・兵庫県知事選でのSNS偽情報問題が立法の直接的な契機
・施行日は2027年3月1日。来春の統一地方選への適用が見通されている
・罰則がなく事業者ごとの基準も統一されないことへの懸念は残り、実効性の検証が課題となる