2026-06-11 コメント投稿する ▼
白川容子氏が介護保険法改定案に警告「全国一律サービスの根幹を揺るがす」~訪問介護崩壊の実態と基準緩和の危険性
「事業者は低い報酬のもとで利益を上げるために、訪問回数を制限する実態があります」と指摘し、「利用者が必要なサービスを受けられるのですか」とただしました。 白川氏は「人材不足だから基準緩和するのではなく、介護報酬を引き上げ、国による公費負担を増やして介護保険制度を維持することこそ必要です」と主張しました。
白川容子氏が参院厚労委で介護保険法改定案の危険性を追及
日本共産党(共産党)の白川容子参院議員は2026年6月11日の参院厚生労働委員会で、介護保険法・社会福祉法等改定案について政府を追及しました。白川氏は1966年徳島県生まれで、日本福祉大学を卒業後、医療生活協同組合で働きながら香川県議を4期務め、2025年の参院選で比例代表から初当選を果たしています。
現在、訪問介護事業所がゼロまたは残り1しかない自治体は全国で2割以上にのぼり、「介護崩壊」とも呼ぶべき深刻な事態が進行しています。2025年の介護事業者の倒産は176件と過去最多を更新し、なかでも訪問介護は91件と突出しています。2024年度に訪問介護の基本報酬が引き下げられたことが大きな打撃となり、ヘルパー不足やガソリン代をはじめとする運営コストの上昇も経営を圧迫しています。
ところが改定案は、こうした経営や処遇の抜本的な改善には踏み込まず、中山間地や人口減少地域を対象に「特定地域サービス」を新たに設けるという内容です。これは既存の「特例介護サービス」に加え、人員配置基準をさらに緩和する新たな類型を作るものです。白川氏は「訪問介護事業所の空白を埋めるのではなく、さらなる基準緩和で対応するのが解決策なのですか」と追及しました。上野賢一郎厚労相は、配置基準の弾力化などで「事業経営を安定させる」と答弁しましたが、具体的な改善策は示しませんでした。
「ヘルパーが来なくなって、もう介護サービス使えないって言われた。田舎に住んでるだけで見捨てられるの?」
「介護の仕事やりたいけど給料が安すぎて生活できない。基準緩和じゃなくて給料上げてよ」
「親の介護で訪問介護を頼みたくても事業所がない。地方の高齢者はどうすればいいの」
「人が足りないから基準下げますって、それサービスの質が下がるってことでしょ」
「介護報酬を上げないで人手不足を解消しようとする政府の姿勢が信じられない」
「定額報酬で訪問回数が制限される」と利用者への影響を指摘
「特定地域サービス」では定額報酬の選択も可能になります。白川氏はこの点について、すでに定額報酬が導入されている小規模多機能型居宅介護の実態を例に挙げました。「事業者は低い報酬のもとで利益を上げるために、訪問回数を制限する実態があります」と指摘し、「利用者が必要なサービスを受けられるのですか」とただしました。
厚労省の黒田秀郎老健局長は「単一の報酬設定ではなく、利用回数などに応じて複数の報酬区分を設定します」と述べるにとどめ、利用者がサービスを十分に受けられる保証については明確な回答を避けました。
厚労省の推計では、2026年度に必要な介護職員は約240万人ですが、2022年度の介護職員は約215万人にすぎず、約25万人が不足しています。この不足を埋めるためには毎年6万人以上の増員が必要ですが、近年の増加ペースは年間1万人前後にとどまっています。人材が集まらない最大の理由は、他の産業と比べて賃金水準が低いことにあります。
「介護報酬引き上げと公費負担の増加こそ必要」と主張
白川氏は「人材不足だから基準緩和するのではなく、介護報酬を引き上げ、国による公費負担を増やして介護保険制度を維持することこそ必要です」と主張しました。介護保険制度は2000年の創設以来、全国どこでも一律のサービスを受けられることを原則としてきました。しかし今回の改定案は、地域によってサービスの質に差をつけることを制度上容認するものであり、この原則を大きく揺るがすおそれがあります。
物価高のなかで高齢者の暮らしは厳しさを増しています。大企業が史上最高の利益をあげる一方で、社会保障への公費負担は抑え込まれ続けています。介護を支える人材への正当な報酬と、国の責任による財政的な支えなくして、制度の持続はありえません。介護の現場で働く人びとの処遇改善と、すべての地域で安心して介護を受けられる体制の構築が急務です。
まとめ
- 白川容子参院議員が2026年6月11日の参院厚労委で、介護保険法・社会福祉法等改定案は「全国一律サービスの根幹を揺るがす」と警告した
- 訪問介護事業所がゼロまたは残り1の自治体が全国で2割以上にのぼり、2025年の介護事業者倒産は176件と過去最多を更新した
- 改定案は人口減少地域で「特定地域サービス」を設け、人員配置基準を緩和する内容だが、根本的な処遇改善には踏み込んでいない
- 定額報酬の導入によって訪問回数が制限される懸念があり、利用者が必要なサービスを受けられるかが問われている
- 白川氏は「介護報酬の引き上げと国による公費負担の増加こそ必要だ」と主張した