2025-03-04 コメント投稿する ▼
大阪市で住基ネット障害が多発 マイナンバー業務停止が市民生活に影響、原因は未解明
大阪市の住基ネットに相次ぐ障害 マイナンバー業務に支障
大阪市で、約280万人の住民情報を管理する「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」が、ここ最近、何度もトラブルを起こしている。2024年夏以降、すでに10件以上の障害が報告され、市民の暮らしにも少なからぬ影響が出ている。特にマイナンバーカードの手続きが一時的に停止したケースが複数あり、現場では混乱が広がっている。
業務ストップの背景は? 一部サーバーに不具合
今年3月4日、各区役所やサービス窓口を含む市内33カ所で住基ネットの端末に異常が発生。マイナンバーカードの発行や更新の受付ができなくなり、来庁者は再訪や郵送への切り替えを余儀なくされた。トラブル発生からおよそ15分後に再起動で復旧したが、すでに20人前後に影響が出ていた。
大阪市では、同様のエラーがこの9カ月間で断続的に起きており、市の担当者も「住基ネット導入以来、これほど繰り返されるのは例がない」と異常事態であることを認めている。
全国で唯一の多発、背景には特殊な文字?
住基ネットは、全国の市町村が住民の基本情報を共有する仕組み。名前や住所、マイナンバーといった極めて重要な個人情報を扱っており、通常は高度なセキュリティ下で運用されている。にもかかわらず、障害が大阪市だけで頻発している点が懸念材料だ。
市は、姓名に「外字」と呼ばれる特殊な漢字が含まれているケースで処理エラーが起きた可能性を指摘しているが、大阪市に外字が多いという統計的な裏付けはないという。
機器の品質に問題? 専門家が指摘
情報セキュリティの専門家である近畿大学の柏崎礼生准教授は、「同じような機器でも、個体差によってパフォーマンスに違いが出ることがある」と述べ、特定の装置の品質が障害を引き起こした可能性を示唆。また、他自治体と情報共有を進め、システムの改善に取り組む必要性を強調した。
大阪市では現在、通常時に使用する「運用系サーバー」から、災害時などの緊急用に備えていた「待機系サーバー」へ切り替えを実施。その後は目立った障害は確認されていないというが、今後も安定したシステム運用が続くかどうかは注視が必要だ。
SNSでも広がる不安の声
X(旧Twitter)やFacebook、Threads上でも、市の対応やシステムの不安定さに対して多くの意見が投稿されている。
「また大阪市だけ住基ネット止まってるって…。不安すぎる」
「マイナンバーの申請で並んだのに、システムダウンで出直し。ほんとに勘弁して」
「外字が原因って言うけど、それ今さら? 他の市では問題ないの?」
「公的システムが頻繁に落ちるって、リスク管理どうなってんの?」
「サーバー切り替えて改善したとか言ってるけど、それまでの被害は誰が責任取るのか」
市民生活に直結するシステムの安定運用は、信頼の根幹をなす。今後は、障害の根本原因の特定はもちろんのこと、国や他自治体との情報共有を通じて、抜本的な再発防止策を講じることが求められている。大阪市には、「もう起きない」ではなく「なぜ起きたか」を明確に説明する責任がある。