2025-09-02 コメント投稿する ▼
大阪市が都市魅力ランキング5年連続首位 万博と再開発で国際都市へ進化
大阪市が5年連続首位、都市魅力の背景
森記念財団が発表した全国都市魅力ランキングで、大阪市が5年連続で1位を獲得した。対象は全国136都市(東京23区を除く)であり、経済力、研究、文化、生活、環境、交通の6分野87指標によって評価された。大阪市が首位に立ち続ける要因には、大阪・関西万博に向けた大規模再開発が大きく影響している。
特に大阪駅北側の「うめきた」地区、中之島周辺、難波駅一帯の開発が進み、経済分野と交通分野で全国1位を記録した。さらに文化分野の「観光客誘致活動」では前年の37位から20位に急上昇し、国際都市としての魅力を増している。都市規模の大きさだけではなく、訪問者にとっての利便性や住民の生活満足度が高評価につながった。
「大阪の街がどんどん変わっているのを実感する」
「万博効果でさらに人が集まる都市になりそう」
万博と再開発がもたらす都市力強化
大阪・関西万博は2025年に開催予定だが、その準備段階ですでに都市の姿を変えつつある。再開発によって交通網が強化され、経済活動が活性化。大阪駅周辺では新たなオフィスや商業施設が誕生し、中之島では文化施設や公共空間の整備が進んでいる。難波一帯も観光とビジネスの結節点として再構築され、都市全体の回遊性が向上した。
観光面でも国際的な評価が高まっており、訪日観光客の増加に対応する形で宿泊施設や観光拠点の整備が進む。大阪市はかつて「商都」と呼ばれたが、現在は経済と文化を兼ね備えた「国際都市」として存在感を強めている。
「難波周辺の変化がすごい、昔と全然違う」
「インバウンドで大阪が日本の玄関口になっている」
大阪市が直面する課題とリスク
ただし、都市開発には課題もある。全国的に資材価格の高騰や人手不足で工事の遅れが目立っており、大阪も例外ではない。今回の調査は数年前に許可された再開発が対象であるため、遅延の影響はまだ反映されていない。3年後以降、工期の遅れや財政負担が評価に影響を与える可能性がある。
さらに大阪市は財政基盤が脆弱な面も抱える。観光業の回復や万博効果が一時的なもので終われば、長期的な成長は保証されない。市の人口は高齢化が進み、社会保障費の増加が見込まれる中で、都市開発の成果をどこまで持続的な成長につなげられるかが問われる。
「万博が終わった後の大阪が心配」
「再開発で借金だけ残るのではないか」
大阪市の未来と全国都市戦略への示唆
大阪市の連続首位は、東京一極集中に偏った日本の都市構造に一石を投じるものだ。名古屋や福岡も上位に位置しているが、5年連続で大阪が首位を維持するのは、都市経営における先進性の証拠といえる。今後、大阪がどのように「万博後」の持続可能な都市像を描くかは、日本の都市政策全体に大きな影響を与える。
都市魅力ランキングは順位を競うだけでなく、都市の将来像を浮き彫りにする指標だ。大阪市が示す方向性は、地方都市を含め全国のモデルケースとなる。インフラ整備、文化発信、経済振興を一体化した都市戦略は、日本が直面する人口減少や経済停滞に対する有効な解となる可能性がある。大阪が挑む次のステージは「万博後の持続的成長」であり、その成否が日本の未来をも占うことになる。