那覇市民会館跡地に複合施設建設へ 2028年度開業・PFI方式を初採用

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那覇市民会館跡地に複合施設建設へ 2028年度開業・PFI方式を初採用

那覇市の歴史に刻まれた建築物がその役割を終え、跡地に新たな市民の拠点が生まれようとしています。2026年4月9日、沖縄県那覇市寄宮の旧那覇市民会館跡地において、新たな複合施設の建設に向けた安全祈願祭が執り行われました。那覇市や工事関係者が出席し、工事の無事を神に祈りました。

沖縄復帰の記憶を宿した市民会館が歴史に幕


旧那覇市民会館は、アメリカ統治下にあった1970年に完成した多目的ホールです。南風原町出身の建築家・金城信吉氏が設計し、総工費は当時182万ドルでしたが、そのうち16万ドル分は県内外の機関や市民からの募金で賄われた、文字どおり「市民の手でつくった施設」でした。大ホールには1504席が設けられ、中ホールは800人規模の収容力を誇るなど、沖縄を代表する文化ホールとして長年にわたり市民に親しまれてきました。

なかでも最も歴史的な場面として語り継がれているのが、1972年5月15日に執り行われた沖縄復帰記念式典です。この式典は東京・日本武道館と那覇市民会館の2会場で同時に開催され、初代沖縄県知事に就任した屋良朝苗氏が沖縄会場で式辞を述べました。沖縄が27年間にわたるアメリカ統治を経て日本に復帰した、歴史的な節目の舞台となった場所です。その後も市民文化の中心として機能し続けましたが、2016年に実施した耐震検査で国の基準を満たしていないことが判明し、同年10月に休館となりました。2024年11月から解体工事が始まり、2026年1月に工事を終えています。

7つの公共施設を集約した4階建て複合施設を建設


旧市民会館の跡地に建設されるのは、市立図書館や市役所の真和志支所など7つの公共施設を一棟に集約した4階建ての複合施設です。隣接地には7階建ての民間施設も建てられる予定で、カフェやフィットネスジム、保育園、クリニックなどの入居が計画されています。那覇市では隣接する与儀公園も合わせて再整備し、施設と公園が一体的に使えるにぎわいの空間として整備する方針を示しています。完成イメージには次世代型路面電車も描かれており、将来の交通まちづくりとの連携も視野に入れています。

新施設のデザインには、旧那覇市民会館の「雨端(あまはじ)」と呼ばれる沖縄の伝統的な建築様式を取り入れます。さらにエントランスホールに設置されていた「ヒンプン」(敷地内への直接の侵入を防ぐ沖縄伝統の衝立)や赤瓦も部分的に復元する予定です。単に新しい建物を建てるのではなく、旧施設の文化的な記憶を継承しながら新時代に対応するという姿勢が、設計思想に色濃く反映されています。解体前には那覇市とNHK沖縄放送局が連携して館内を3Dデータとしてデジタル保存するプロジェクトも実施されており、建物の記憶はデジタルの形でも後世に残されます。

那覇市初のPFI方式で官民が連携、約47億円の事業規模


今回の建設事業で特に注目されるのが「PFI方式」(民間資金等活用事業手法)の採用です。民間の資金と専門的なノウハウを活用して公共施設を建設・運営する手法で、那覇市にとっては初めての取り組みです。事業の落札者は沖電開発グループに決定しており、複合施設の契約予定額は約46億9千万円です。PFI方式は行政コストの効率化と施設サービスの向上を同時に図れる手法として、全国の自治体でも普及が進んでいます。

真和志支所はすでに2024年9月末に老朽化を理由に閉鎖しており、新複合施設の完成までの間は那覇市保健所3階に仮移転して業務を継続しています。市民にとって身近な行政サービスの拠点が新施設に集約されることで、利便性の向上が期待されます。

「市民会館には子供のころから通った思い出がある。新しい施設でもその記憶が残るといいな」
「図書館や支所が一つの場所にまとまるのは便利。使いやすい施設になってほしい」
「PFI方式は那覇市初だって聞いて、うまくいくか少し心配だけど期待もしている」
「与儀公園と一体で整備されるなら、散歩がてら気軽に立ち寄れる場所になりそうで楽しみ」
「2028年度完成まで時間はあるけど、真和志地区が大きく変わるか注目しています」

2028年度の供用開始へ、歴史と革新が交差する場所に


那覇市の知念覚市長は安全祈願祭で「民間施設の持つ集客効果を活かし、官民が連携して交流を深める拠点となることを期待しています」と述べました。市は2028年度中の供用開始を目指しています。

1970年にアメリカ統治下で市民の浄財を集めて建てられた施設が、今度は官民連携という新たな形で生まれ変わります。沖縄復帰という歴史の現場であり、半世紀以上にわたって那覇の市民文化を支えてきた土地が、新たな役割を担う場として再出発します。行政サービスと民間のにぎわいが融合した複合施設が、真和志地区の新たな顔となる日が近づいています。

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まとめ
  • 旧那覇市民会館跡地(那覇市寄宮)で2026年4月9日に安全祈願祭を実施
  • 新複合施設は4階建て、市立図書館・真和志支所など7つの公共施設を集約
  • 隣接地に7階建ての民間施設(カフェ・保育園・クリニック等)も建設予定
  • 建設・運営に「PFI方式」を採用、那覇市では初の取り組み(契約予定額約46億9千万円、落札者は沖電開発グループ)
  • 旧市民会館の伝統的建築要素(雨端・ヒンプン・赤瓦)を新施設に部分復元し文化継承
  • 与儀公園の再整備も一体で進め、2028年度の供用開始を予定
  • 旧市民会館は1972年の沖縄復帰記念式典の会場という歴史的背景を持つ

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2026-04-10 10:34:59(内間)

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