2026-06-30 コメント投稿する ▼
2025年度介護報酬改定へ ケアマネ不足深刻化、報酬引き上げ求め厚労省に要望
2025年度の介護報酬改定に向け、居宅介護支援事業所の基本報酬や処遇改善加算の引き上げを求める声が高まっています。 慢性的なケアマネジャー不足が深刻化する中、専門職の確保と定着に向けた具体的な対策が、今後の改定の大きな焦点となっています。
ケアマネジャーの役割と現状
居宅介護支援事業所は、高齢者やその家族が住み慣れた地域で暮らし続けるために不可欠な、介護保険サービスにおける中核的な役割を担っています。ケアマネジャーは、利用者の心身の状況や生活環境、本人や家族の意向を丁寧に聞き取り、最適なケアプランを作成します。
さらに、ケアマネジャーは作成したケアプランに基づき、医療機関、訪問介護、デイサービスといった多様な介護サービス事業者との連絡調整を行います。また、公的なサービスだけでなく、地域住民による支援なども含め、包括的なサポートを提供することで、利用者が安心して在宅生活を送れるよう支援しています。
しかし、近年、ケアマネジャーの業務はますます複雑化・専門化しており、その負担は増大する一方です。利用者のニーズの多様化や、医療・福祉・生活支援など多分野にわたる関係機関との連携調整の煩雑さが増していることが、専門職の疲弊を招いています。
人材不足の背景と報酬の課題
ケアマネジャー不足の背景には、業務負担の増加に対して、提供される報酬が見合っていないという、長年にわたる構造的な課題が存在します。ケアプラン作成や関係機関との連絡調整に加え、認定調査や給付管理、地域包括支援センターとの連携、緊急時の対応など、その業務範囲は広範にわたります。
特に、地域包括ケアシステムの深化に伴い、医療、介護、予防、生活支援、住まいといった分野を一体的に提供していく必要性が高まる中で、ケアマネジャーに求められる多職種連携のスキルや調整能力は、ますます高度化・専門化しています。
このような専門性と責任の重さにも関わらず、居宅介護支援の報酬は、他の介護サービスに比べて歴史的に低い水準にとどまっており、事業経営を圧迫する一因となっています。これが、ケアマネジャーの処遇改善が進まない大きな要因となり、結果として人材の確保や定着を困難にさせているのです。
事業者団体からの切実な要望
こうした厳しい状況を受け、介護事業者やケアマネジャーで構成される団体からは、次期介護報酬改定に向けた要望として、居宅介護支援の基本報酬の大幅な引き上げが強く求められています。専門職としての知識や経験、そして日々の業務における貢献度に見合った適正な評価を求める声が、現場から数多く上がっています。
また、現行の処遇改善加算についても、対象範囲の拡大や、より手厚い配分を可能とするような制度の見直しを望む意見が多数を占めています。これらの要望は、単なる事業経営の改善にとどまらず、ケアマネジャー自身のモチベーション向上や、次世代の専門職が希望を持って働ける環境整備に繋がるものとして、切実な思いが込められています。
「ケアマネジャーは、高齢化が進む社会において、その生活を支える重要なインフラである」との認識が広まる中で、報酬・処遇の適正化は、専門職の確保と定着、ひいては介護サービス全体の質の維持・向上に不可欠であると、関係者は訴えています。
2025年度改定における焦点
厚生労働省は、2025年度の介護報酬改定に向け、専門委員会などを通じて、現場からの意見やデータを収集・分析し、議論を進めています。今回の改定においては、特にケアマネジャーの確保、育成、そして定着を促進するための支援策が、最重要課題の一つとして位置づけられています。
基本報酬の見直しや、処遇改善加算のあり方について、現場の切実な声がどこまで政策に反映されるかが、今後の大きな注目点となります。介護現場の持続可能性を確保し、利用者が質の高いサービスを継続的に受けられる体制を築くためには、ケアマネジャーが専門職としてのやりがいを感じ、安心して長く働き続けられる環境を整備することが、喫緊の課題と言えるでしょう。