2025-05-28 コメント投稿する ▼
東大・京大の国際卓越研究大学落選に前原誠司氏が疑問「成果より体制重視は不合理」
前原誠司氏、京大・東大の落選に疑問 政府説明に納得せず
国が巨額の大学ファンド(10兆円)を活用して支援する「国際卓越研究大学」制度において、東京大学や京都大学といった日本のトップ大学が初回の選定から外れたことが、政界でも注目を集めている。5月28日の衆議院文部科学委員会では、日本維新の会の前原誠司共同代表がこの選定基準について厳しく問いただした。
前原氏は、自身の母校でもある京都大学を含む東大、阪大がいずれも対象外となったことに疑問を呈し、「なぜ実績ある大学が落ち、東北大学が選ばれたのか」と指摘。特に、大学発ベンチャー支援を目的とした官民イノベーションプログラムの成果を引き合いに出し、東大と京大の資産評価がプラスである一方、東北大はマイナスになっている事実を挙げて、選考結果の不透明さを強調した。
文科相は「学内の体制不備」と釈明
阿部俊子文部科学大臣はこれに対し、「変革へのスピード感や組織のガバナンス体制に課題があった」と述べ、審査にあたった有識者会議の評価を紹介。東大に関しては変革の機運が弱く、京大については指揮系統の明確化や全学的マネジメントの徹底が不足していたと説明した。
また、大阪大学に関しても、制度改革の展開が大学全体として明確でない点がマイナス評価につながったとし、評価は研究成果だけでなく、大学運営の姿勢や改革意欲まで多角的に審査されたと強調した。
東北大学が評価された背景と今後
一方で東北大学については、学内ガバナンスの刷新、研究成果の国際発信力、そして災害科学や材料科学といった先進的分野での研究実績が高く評価された。特に、データ駆動型の研究推進や組織改革への積極的な取り組みが「卓越性」として認定された要因となったという。
現在、国際卓越研究大学の第2期公募が進行中で、東大・京大に加え、大阪大、名古屋大、九州大、筑波大、東京科学大、早稲田大の計8校が応募しており、6月から審査が始まる予定だ。
ネット上では前原氏への共感も
この議論をめぐり、SNS上でも様々な声が上がっている。
「前原さんの指摘は的を射てる。数字で結果出してるのは東大と京大なのに」
「改革姿勢が評価ポイントなのか…納得いかない人多いだろうな」
「地方大学が選ばれるのは良い傾向だけど、実績無視はおかしい」
「国がガバナンス改革を重視するなら、もっと明確に基準を示すべき」
「結局は“言うことを聞く大学”が選ばれただけでは?」
大学改革と選定基準の透明性が問われる
この問題は、単に一大学の選定にとどまらず、日本の研究力と大学改革の方向性そのものに関わる重要な論点だ。前原誠司氏の指摘が投げかけた疑問は、多くの国民に「大学の評価基準は何なのか」という根本的な問いを突きつけている。
今回のように、政治家が数字や過去の成果に基づいて政府の施策を検証する姿勢は、教育政策の信頼性を保つうえでも不可欠である。次回の選定結果が透明性を持ったものとなるか、国民の目が注がれている。