2025-04-17 コメント投稿する ▼
維新、社会保険料改革で自公と対立深まる 「やる気ゼロ」と不満噴出、関係さらに冷却化
維新、社会保険料改革で不満噴出 「自公にやる気なし」と対立深まる
日本維新の会と自民・公明両党との間で進められている社会保険料改革の協議が、深い溝を残したまま進展を見せていない。17日に国会内で開かれた協議では、市販薬とほぼ同じ効果があるにもかかわらず、処方箋が必要とされる「OTC類似薬」を医療保険の対象から外すべきかどうかが議題となった。しかし、話し合いはかみ合わず、維新側の不満が噴き出す展開となった。
維新「やる気ゼロだ」 不満あらわ
会合後、維新の岩谷良平幹事長は報道陣に対し、「自民も公明も改革にまったくやる気がない。ゼロだ」と憤りを露わにした。岩谷氏によると、維新が与党側の具体的な対案を求めたところ、返ってきたのは「病気の発見が遅れる可能性がある」「高齢者や子ども、慢性疾患の患者の負担が増す」といったリスクを並べた説明資料だったという。
「できない理由ばかり1時間も聞かされた」と皮肉を交えつつ語る岩谷氏。その口ぶりからは、維新が重視する社会保険料改革への停滞感がにじんだ。
暫定税率の廃止も空回り
維新は、医療費の見直しに加えて、ガソリン税の一部である「暫定税率」の廃止についても与党と協議を続けているが、こちらも同様に壁にぶつかっている。自民・公明は財源確保の難しさを理由に、明確な前向きな姿勢を見せていない。
17日の記者会見で、維新の前原誠司共同代表は「予算を通すまでは丁寧に対応していたのに」と不信感をあらわにした。
自民との関係冷却化 執行部内にも不協和音
維新と与党の関係がこじれた背景には、企業・団体献金の禁止法案を維新と立憲民主党が共同提出したこともある。維新幹部の一人は、自民党側から「今後は実のある協議には応じない」と言われたことを明かしている。
さらに維新内では、国民民主党に対する政府与党の優遇にも不満が広がっている。自民の森山裕幹事長は今月4日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長と会談し、6月から来年3月までガソリン価格を一定額引き下げることで合意。維新側には協議すらなかったことから、「点数を国民民主に奪われた」として執行部への批判もくすぶる。
「裏切りの代償は大きい」も影響力に陰り
青柳仁士政調会長は「改革を反故にするような政党とは、今後一切、予算協議をするつもりはない」と強い言葉で与党を牽制したが、現時点で政府・与党は今国会で補正予算の提出を見送る方針を固めており、維新の揺さぶりが政策に影響を及ぼす力を持っているとは言いがたい。
令和7年度予算の審議が迫るなか、維新の主張がどこまで実現性を持つか。改革を掲げる維新の戦略が試されている。