2025-06-29 コメント: 2件 ▼
公明・岡本氏「減税と給付どちらも必要」強調 103万円の壁撤廃も、決断力に課題
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公明・岡本氏「減税と給付の両立」を強調 日曜討論で浮かぶ“中間路線”の限界と可能性
「やれることは全部やる」公明・岡本氏が訴えた“両にらみ戦略”
7月3日の参議院選挙公示を目前に控えた6月29日、NHK「日曜討論」には与野党10党の政策責任者が出演し、物価高対策や減税、給付政策をめぐって議論が交わされた。
この中で、公明党の岡本三成政務調査会長は「減税か給付かではなく、どちらも大切。やれることは全部やる」と強調。現下の物価高騰への即効的な対策として給付金を支持する一方、中長期的には減税にも踏み込むと述べた。
具体的には、いわゆる「年収103万円の壁」を「160万円まで引き上げる」と明言。年末には「多くの人に2万~4万円の減税が行われることになる」とし、さらに奨学金に対する減税措置にも意欲を見せた。
さらに岡本氏は「やはり足元では給付が有効。減税の準備と並行しながら、即応性のある施策を組み合わせていく」と説明した。
“バランス路線”が響くのか? 他党との対比で見える公明党の立ち位置
この日、各党は明確に「減税か給付か」の立場を打ち出した。自民党は給付金を優先、共産党・れいわ新選組・国民民主党・日本保守党などは消費税減税を柱に据え、参政党は「まず減税ありき」と強調。立憲民主党は時限的なゼロ税率、維新は社会保険料の引き下げという“第3の道”を提示した。
その中で、公明党の岡本氏だけが「減税と給付の両方をやる」という“中間路線”を明確に掲げた格好だ。
こうした姿勢には、「どちらかに偏らず、すべての層を取りこぼさない」ことを狙う与党第二党としてのポジションもあるだろう。だが、有権者の側から見れば、「結局どちらに本腰を入れているのかが分かりにくい」「両方やるという言葉の裏に、覚悟のなさがある」との批判も出ている。
「どっちも大事って言うけど、結局何が一番必要なのか伝わらない」
「減税は年末?今苦しいのに、待てる余裕なんてないよ」
「“全部やる”って言われたら逆に不安。財源は?」
「給付も減税も中途半端じゃ意味ない」
「岡本さん、言ってることは分かるけど、踏み込みが足りない」
“年収103万円の壁”引き上げは評価も 減税実感は限定的
岡本氏が力を入れたのが、いわゆる「103万円の壁」対策だ。現行制度では、パートやアルバイトなどの年収が103万円を超えると配偶者控除が適用されなくなり、家計への実質的な影響が出る。これが「働き損」を招くとして、長年にわたり問題視されてきた。
今回公明党はこれを「160万円まで引き上げる」と明言し、実質的な働き手の可処分所得を増やす方針を打ち出した。この点については、野党側からも一定の評価の声が上がっている。
ただし、年末に予定されている2万〜4万円の減税については、「額が少ない」「実感しにくい」といった声も多く、実効性には疑問符がつく。特に、インフレによって電気・ガス・食料品の値上げが続く中では、「もっと思い切った減税が必要」という意見が多数を占めているのが現実だ。
給付金は「応急処置」にすぎない 構造改革と減税こそ本筋
岡本氏は「給付は即効性がある」と語ったが、何度も繰り返されてきた給付金の実施は、その都度多額の事務費を要し、支給時期も遅れがちだ。また対象が限定されるケースも多く、「漏れがある」「公平性に欠ける」という不満が根強い。
それに比べて、消費税の時限的な減税や、再エネ賦課金の廃止、ガソリン税の見直しといった税負担の軽減措置は、より広範な国民に直接的な恩恵をもたらす政策として注目されている。
岡本氏が掲げる「やれることは全部やる」という立場を本気で貫くなら、減税のスピードと規模にも、より果敢に踏み込む必要があるだろう。
公明党に求められるのは「バランス」より「決断力」
これまで長く連立与党として政権を支えてきた公明党は、「調整役」としての役割を果たしてきた。だが、今のように急激な物価上昇が国民生活を直撃している局面では、「調整」よりも「決断」が求められている。
岡本氏の「両方やる」というメッセージは、柔軟さの表れとも取れるが、逆に言えば、どこにも強く切り込めていないという側面も否めない。
今、政治に必要なのは、「全部やる」ではなく、「まず何を最優先するか」という明確な優先順位である。多くの国民が苦しんでいる今、現実を直視し、思い切った減税を先行すべき時だ。