2026-08-25 コメント投稿する ▼
在留許可手数料が10月1日から大幅値上げ、減額対象は生活保護レベルの困窮者
2026年10月1日より、外国人の在留許可申請にかかる手数料が大幅に引き上げられることが決まりました。 生活保護を受けている人と同程度に生活が困窮している難民認定者や、ひとり親家庭の外国人などが減額の対象となります。
手数料が最大7.5倍に引き上げられる理由
現在の在留資格変更・更新の手数料は一律6000円ですが、新しい制度では、許可される在留期間に応じて、3カ月以下で1万円、5年以上で7万5000円へと引き上げられます。これは、現在の金額の最大約12.5倍に相当します。さらに、永住許可の手数料も現在の1万円から20万円へと大幅に引き上げられることになりました。
入管庁によると、今回の手数料改定の背景には、増加する外国人材の受け入れや在留管理業務の複雑化に伴い、行政コストが増大していることがあります。これまで、これらのコストの一部は国民の税金で賄われてきましたが、サービスを提供する外国人にその費用をより適切に負担してもらうことで、国の財政負担を軽減し、行政サービスの質を維持・向上させる狙いがあるようです。諸外国でも、行政サービスの手数料を見直す動きは一般的であり、我が国も国際的な潮流に合わせた制度整備を進めた形と言えます。
減額対象者の明確化と基準
一方で、経済的に困難な状況にある外国人への配慮も盛り込まれました。今回公表された指針では、手数料減額の対象となる要件を「生活保護法の要保護者に準じる程度の困窮」とし、かつ「人道上の配慮が必要」な場合と明記されています。この基準に基づき、難民認定者や難民申請者、人身取引の被害者、日本人の配偶者、そして日本人や特別永住者の子供を一人で育てる外国人など、12の類型が具体的に例示されました。
特に、難民申請者については、当面の生活費として支給される「保護費」を受給していることが、生活困窮の要件とされています。しかし、難民認定者やひとり親家庭の外国人などについては、保護費の受給有無に関わらず、家庭全体の収入や資産状況などを総合的に判断し、生活保護基準に準じる困窮状態にあると認められれば、減額の対象となる規定となっています。これは、個々の事情に応じた柔軟な対応を目指したものと考えられます。
厳格な個別判断が求められる
手数料の減額が認められるためには、これらの要件を満たしていることを証明する必要があります。入管庁は、申請者の資産状況、収入、家族構成、在留状況などを詳細に確認し、個別に判断するとしています。例えば、ひとり親家庭の場合でも、安定した収入があり、経済的に困窮していないと判断されれば、減額は認められない可能性があります。
この「個別判断」という点は、申請者にとっては不透明さを感じる部分かもしれません。指針で類型は示されたものの、最終的な判断基準は当局の裁量に委ねられる部分が大きいからです。今後、申請者側からは、どのような書類提出が求められ、どのような基準で判断が下されるのか、より詳細な情報公開が望まれるところです。また、減額が認められた場合の手数料は、在留資格変更・更新で1万円、永住許可で2万円となります。これは、本来の手数料と比較すると大幅な減額となりますが、それでも一定の負担は生じることになります。
公平な負担と行政効率化の重要性
今回の在留許可手数料の値上げと減額指針の公表は、外国人材の受け入れ拡大が進む一方で、行政サービスのコスト負担の適正化を図ろうとする政府の方針の表れと言えるでしょう。国民の税金による支援に頼るのではなく、サービスを受ける側が費用を負担するという考え方は、行政運営の健全化や公平性の観点からも重要です。
一方で、この制度が円滑に運用されるためには、減額対象者の認定基準の明確化や、審査プロセスの透明性確保が不可欠です。特に、経済的な困窮の判断基準については、恣意的な運用が行われないよう、厳格なチェック体制が求められるのではないでしょうか。また、手数料収入の増加が、入管業務のさらなる効率化や、外国人支援サービスの充実にどのように結びつくのか、今後の具体的な成果が注目されます。
まとめ
- 2026年10月1日から、在留許可申請手数料が大幅に値上げされる。
- 在留資格変更・更新は最大7万5000円、永住許可は20万円に引き上げ。
- 生活保護レベルの困窮者や、人道的配慮が必要な12類型(難民認定者、ひとり親など)は減額対象となる。
- 減額には「生活保護水準の困窮」と「人道的配慮」が必要で、入管庁が個別に判断する。
- 目的は行政コストの適正な負担と財政健全化。