2025-05-20 コメント投稿する ▼
発達障害者支援にICT導入を 新妻議員がオンライン相談の全国展開を提言
ICT活用で広がる発達障害者支援の可能性
発達障害を抱える人々にとって、日常生活や就労に関する悩みを相談できる「発達障害者支援センター」は重要な支えとなっている。しかしその一方で、地理的な制約やアクセスの困難さが支援の質や機会に差を生んでいる現状がある。
5月20日に開かれた参議院の厚生労働委員会では、公明党の新妻ひでき議員が、ICT(情報通信技術)を活用したオンライン相談の導入を通じて、こうした支援の地域格差を解消すべきだと訴えた。
「通えない人にも支援を」現場の声を代弁
新妻氏は、発達障害者支援センターが全国の都道府県や政令市に設置されているものの、物理的に通うことが難しい人々にとっては、支援を受けるハードルが高いと指摘。その上で、「距離があっても支援が届くよう、ICTによる相談体制を整備すべきだ」と主張し、国としてガイドラインを整え、センターのICT導入を推進するよう求めた。
実際、都市部に比べて地方のセンターではオンライン環境の整備が遅れており、支援を受けるまでの待機時間も長くなりがちだ。ICTの導入は、そうした状況を改善する鍵とされている。
厚労大臣も課題認識 好事例の横展開を示唆
この要望に対して、福岡資麿厚生労働大臣も応答。オンライン相談を実施しているセンターが一部にとどまっている現状を認めた上で、成功例を共有しながら、今後の取り組みについて関係機関と意見交換を重ねていく姿勢を示した。
ICT導入で支援がより身近に
ICT導入のメリットは、距離や時間の壁を越えて専門家に相談できる点にある。家庭にいながら支援を受けられる体制が整えば、引きこもり状態の人や通院に不安を抱える人にとっても大きな助けとなる。
実際に一部の自治体では、パソコンやタブレットを使ったオンライン相談を試験的に実施しており、成果を上げつつある。今後はこれを全国に広げていくための制度設計と予算措置が求められる。
支援の質を左右するのは“人”と“技術”の両立
ただし、ICT導入が単なる機器の導入にとどまっては意味がない。相談員自身がオンライン対応に慣れる必要があり、またプライバシー保護や通信環境の整備など、クリアすべき課題も多い。支援の「質」を担保するには、技術と人材の両面でのサポートが不可欠だ。
ネット上の声
「地方に住んでる発達障害の子どもを持つ親として、オンライン相談は本当にありがたいと思う」
「障害福祉にICTが遅れているのはおかしい。早く全国対応にしてほしい」
「専門家に直接会わなくても相談できる環境が整えば、心理的ハードルも下がるはず」
「ICT導入だけじゃなく、対応できる職員の研修もセットでやってほしい」
「障害者支援にこそ、テクノロジーの恩恵が必要。取り残される人が出ないようにして」
ICTの力を活用して、発達障害者支援の質と量を高めることは、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けた大きな一歩だ。新妻議員の指摘が契機となり、国が積極的に後押しすることで、全国の発達障害者が場所を問わず等しく支援を受けられる体制が整うことが期待される。