2025-05-13 コメント投稿する ▼
医薬品の健康被害を防ぐ!薬機法改正案が参院本会議で可決、オーバードーズ対策と品質管理強化
医薬品の安全確保強化へ:薬機法改正案が参院本会議で可決
参議院本会議は13日、医薬品医療機器法(薬機法)の改正案を与野党の賛成多数で可決し、成立させた。今回の改正は、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)対策をはじめ、医薬品の品質管理体制の強化を図ることを目的としている。
市販薬の乱用防止を徹底
今回の改正で注目されるのは、オーバードーズ対策の強化だ。若者を中心に問題化している市販薬の過剰摂取を防ぐため、販売時に購入者の氏名・年齢確認を義務化。また、他の薬局での購入履歴の確認や、大量購入時には理由の確認が必要となる。特に、若年者への大容量販売は禁止される。
さらに、コンビニエンスストアでの市販薬販売においても、薬剤師が不在の場合はオンラインでの服薬説明を受けることが条件となる。これにより、利便性を保ちながらも適切な使用を確保する仕組みが整う。
医薬品の品質管理体制を強化
医薬品の製造・品質管理も強化される。改正案では、製造管理および品質管理の基準(GMP)の遵守を徹底し、製造現場での管理体制を厳格化。特に、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と厚生労働省の監督体制が強化され、違反行為の早期発見を目指す。
参議院厚生労働委員会では、公明党の新妻ひでき氏が、過去に製薬会社で製造された薬に睡眠薬が混入し、多くの健康被害が発生した事例を引き合いに、監督体制の強化を求めた。新妻氏は、違反の兆候を早期に察知するための情報収集や、品質管理の監督を担当する専門官の増員を提案。これに対し、厚労省は業界と連携しながら、監視体制を強化する方針を示した。
後発医薬品の安定供給と創薬支援
改正案には後発医薬品の安定供給支援も盛り込まれている。特に、供給不足が懸念される後発薬に対し、メーカーへの支援を強化し、供給体制を整える。また、革新的な新薬の研究開発支援も強化し、条件付き承認制度の見直しを通じて、迅速な新薬承認を目指す。
* 参議院本会議で薬機法改正案が可決・成立
* 市販薬のオーバードーズ対策として、購入時の確認を強化
* コンビニでの市販薬販売も、オンライン服薬説明が条件に
* 医薬品品質管理体制を強化、違反の早期発見を目指す
* 後発医薬品の安定供給支援と新薬開発支援も盛り込まれる
今回の改正は、医薬品の安全性確保と適切な使用を促進する重要な一歩となる。今後は、この改正が現場でどのように機能し、健康被害防止に貢献するかが注目される。