2026-03-18 コメント投稿する ▼
【参予算委】舟山康江議員、持続可能な農業へ抜本改革を質す
2026年3月17日、参議院予算委員会において、国民民主党の舟山康江議員が、食料安全保障の強化と持続可能な農業の実現に向けた政府の取り組みについて、鋭い質疑を行いました。 まず、食料安全保障を強化するためには、従来の生産額目標のみに頼るのではなく、「食料供給元気」という新たな指標を導入すべきだと提言しました。
食料安全保障の重要性と現状
近年、世界各地で地政学的なリスクや異常気象が頻発し、食料の安定供給に対する懸念が世界的に高まっています。日本も例外ではなく、食料自給率の低さ、輸入依存度の高さといった構造的な弱点が改めて浮き彫りになりました。
国内に目を向ければ、農業従事者の高齢化と担い手不足は深刻な状況です。耕作放棄地の増加も歯止めがかからず、食料生産の基盤そのものが揺らぎかねない危機に瀕しています。政府は食料自給率の向上を目標に掲げていますが、その達成は容易ではなく、現状の対策だけでは目標達成は極めて困難であるとの指摘も少なくありません。
現行農業政策の課題
こうした状況を踏まえ、政府は「食料・農業・農村基本法」の改正に向けた議論を進めています。しかし、その議論の方向性や具体的な政策内容については、様々な意見が出ています。
特に、従来の生産性向上や収益性確保を重視するあまり、環境保全や地域社会との調和といった、持続可能な農業に不可欠な要素への配慮が十分ではないという批判もあります。また、中山間地域など、条件不利地域における農業経営の維持・発展に向けた支援策も、十分とは言えません。補助金に依存する構造からの脱却も、喫緊の課題となっています。
舟山議員の質疑のポイント
こうした背景のもと、舟山議員は参議院予算委員会で、政府の農業政策の根幹を問い直しました。まず、食料安全保障を強化するためには、従来の生産額目標のみに頼るのではなく、「食料供給元気」という新たな指標を導入すべきだと提言しました。これは、食料の安定供給能力そのものを多角的に評価しようとする考え方です。
また、環境保全型農業への転換を具体的に促すためのインセンティブ強化と、それに伴う予算配分の見直しを強く求めました。環境保全の取り組みが、農業経営の新たな収益源となりうるような仕組み作りが重要であると訴えたのです。
さらに、将来の農業を担う新規就農者への支援策についても、その実効性を問いました。特に、若者が安心して農業に挑戦し、定着できるような、きめ細やかな支援体制の構築が遅れていることを指摘しました。
加えて、中山間地域等直接支払交付金の見直しにも言及し、地域ごとの実情に即した、より実効性のある支援策へと転換する必要性を訴えました。
政府の答弁と今後の展望
これに対し、政府側は「食料供給元気」という新たな指標の考え方については、「今後の政策議論の中で参考にしていく」と一定の理解を示す姿勢を見せました。しかし、具体的な数値目標の設定や、それに伴う財源確保については、慎むべき慎重な答弁に終始しました。
環境保全型農業への支援については、既存の補助制度の拡充などを通じて推進する方針を示しましたが、舟山議員が指摘した予算規模や実効性に関する課題への踏み込んだ回答はありませんでした。新規就農者支援に関しても、既存制度の枠組み内での対応が中心となる見通しです。
今回の舟山議員の質疑は、食料安全保障と持続可能性という、現代農業が抱える二つの大きな課題に対する、政策転換の必要性を改めて浮き彫りにしました。特に「食料供給元気」という新たな視点は、今後の農業政策を議論する上で、重要な論点となる可能性を秘めています。
予算委員会での議論を皮切りに、今後、国会審議を通じて、より具体的で実効性のある政策へと結実していくかが注目されます。国民の食卓の安全と、豊かで持続可能な農業の未来を守るために、実質的な議論の進展が期待されます。