2025-08-16 コメント投稿する ▼
石垣市長選、砥板氏はゴルフ場建設に慎重姿勢 環境と文化財への懸念を強調
砥板氏、ゴルフ場建設に「慎重な姿勢」
石垣市長選の争点のひとつとなっている前勢岳周辺でのゴルフ場付きリゾート施設建設計画について、新人の砥板芳行氏は「拙速な推進ではなく、市民の不安に耳を傾けるべきだ」と慎重な立場を強調している。環境や文化財への影響が懸念される中、開発を推進する中山義隆氏とは鮮明な対立構図となっている。
自然環境と歴史的価値への懸念
砥板氏は、ゴルフ場建設予定地の周辺にはラムサール条約湿地に登録された名蔵アンパルがあり、また特別天然記念物カンムリワシが営巣している点を指摘。「市民の多くが自然環境への影響を心配している」と語り、さらに「最近では数百年前の風葬墓が発見されたとの調査結果もあり、歴史的・文化的価値を損なう恐れもある」と懸念を示した。
そのうえで、「このまま強行することには反対」と述べ、拙速な着工を警戒する姿勢を明確にしている。
法令に基づいた注視の立場
一方で砥板氏は「民間企業が法令や条例に従って行う開発を政治的判断だけで止めるのは適切ではない」とも発言。全面的に開発を否定するのではなく、法的手続きを前提に「適正に進められるかどうかを注視する」という立場を示した。環境保全と法令順守のバランスを取りつつ、市長として市民の声を政策に反映させる姿勢を打ち出している。
経済振興と環境保護の両立を問う
計画を推進する中山氏は「国際観光地として最低1つのゴルフ場は必要」と訴えているが、砥板氏は観光需要だけに偏ることへの危うさを指摘。自然環境や文化遺産を守りながら持続可能な観光と地域経済をどう築くのか、その在り方を問いかけている。
大規模開発をめぐり、経済振興を前面に掲げる中山氏と、自然環境や市民生活への影響を重視し慎重姿勢を取る砥板氏。両者の対立は、石垣市民が未来の街の姿をどう選択するかを象徴する構図となっている。