2025-04-25 コメント投稿する ▼
就職氷河期世代の再スタート支援 立憲民主党が「お金・住まい・老後」の安心策を発表
立憲民主党、就職氷河期世代支援を本格化
―「お金・住まい・老後」三つの安心を掲げリスタート後押し―
厳しい時代を生きた世代に光を
立憲民主党の参院就職氷河期対策委員会は4月25日、就職氷河期世代を支援するための新たな政策パッケージを発表した。
委員長を務める吉川沙織議員は、「就職氷河期世代が苦労を強いられたのは、個人の責任ではなく政治の責任だ」と力を込めた。
これまで十分な対策が取られてこなかった世代に、改めて光を当て、再スタートを後押しする取り組みだ。
「Money・Home・Time」から支援策を提案
今回示された政策は、「お金の安心(Money)」「住まいの安心(Home)」「老後の安心(Time)」の三つの柱で構成されている。
◆お金の安心
- 賃金格差是正のためリカレント教育(学び直し)と就労支援を強化
- フリーランス支援や、医療・介護・保育など福祉分野の賃金引き上げ
- 退職金増税の阻止、年金の底上げ策も盛り込んだ
◆住まいの安心
- 持ち家率の低さを踏まえ、住宅セーフティネット制度の充実
- 保証人不要で住める「みなし公営住宅」の整備推進
◆老後の安心
- 介護離職を防ぐ支援策の強化
- 高齢単身世帯向け福祉政策の拡充
厚生労働省の調査によると、45歳〜54歳の就職氷河期世代は、ほかの年代と比べても賃金上昇が鈍く、むしろ減少傾向にある。こうした実態を踏まえ、立憲民主党は支援を急ぐべきだと訴えている。
議員たちから次々に声
発表会見では、委員会所属の議員たちがそれぞれの思いを語った。
岸真紀子議員は「就職氷河期世代の置かれた現実は想像以上に厳しい。福祉と雇用の両面から支援を強めたい」と訴えた。
石垣のりこ議員は、自身も氷河期初期の世代にあたるとして、「非正規雇用や低賃金に苦しんだ経験を踏まえ、声を届けたい」と話した。
塩村あやか議員は「高齢おひとりさまという新たな課題も出てきた。氷河期という言葉だけでなく、中身を深く理解しなければならない」と指摘。
村田享子議員は「リスキリング(再教育)も年齢によってニーズが違う。きめ細かい対応が必要だ」と語った。
また、奥村政佳議員は「この世代がリスタートできなかったことが、少子化にもつながっている。安心できる将来像を示したい」と述べた。
与野党を超えた取り組みを
吉川委員長は、政府が設置した「就職氷河期世代支援の閣僚会議」についても言及し、「私たちが国会で取り上げ続けたことで、ようやく政府にも危機感が広がった」と一定の評価を示した。
そして、「これは政党間の争いではない。与野党を超えて、本気で取り組まなければならない課題だ」と強く訴えた。
支援をどう実現できるかが今後の焦点
就職氷河期世代は、バブル崩壊後の就職難に直面し、キャリア形成の機会を奪われた。長年、低賃金や不安定な雇用に苦しみながら、社会に支えを求め続けてきた。
今回の政策提案はその声に応える第一歩だが、実際に制度として形にできるか、国会での議論と実行力が問われることになる。