2025-04-15 コメント投稿する ▼
「安倍氏侮辱発言」で波紋 自民、渡部カンコロンゴ氏の擁立に松山幹事長が異論
15日、松山政司参院幹事長は定例会見で「これまで自民党政権や党に対し、批判的な立場を取ってきた方だと聞いている。そういう方が候補として名前が挙がってくることには、正直、疑問を感じている」と述べ、党内調整への不満をにじませた。
渡部氏はこれまで、報道番組のコメンテーターなどを通じて、難民支援や多文化共生の課題に取り組んできた社会起業家として知られる。一方で、過去には自民党の政策運営に強く批判的な言動も見られ、故・安倍晋三元首相への侮蔑と受け取られかねない発言もあったとされる。
こうした経緯もあって、保守色の強い自民党内では「なぜこの人物が?」との声が相次いでいる。特に、安倍元首相を敬愛していた保守派の議員らからは、擁立に慎重論が強まっている。
渡部氏は浜松市出身。難民や移民と企業のマッチング支援を行うNPO法人「WELgee(ウェルジー)」の代表理事を務めており、現場での活動経験を活かして社会課題に取り組んでいる。夫はコンゴ出身で、国際的な家族のあり方や多様性をテーマにした発信も行ってきた。
東京都連は昨年、前職の丸川珠代氏が衆院選に転出したことを受け、東京選挙区の候補者を公募。今年4月11日の選考委員会で、都連会長の井上信治衆院議員に候補者選定を一任し、近く党本部に正式な推薦を上申する予定だ。
公認が決まれば、すでに立候補を予定している武見敬三参院議員と合わせて、東京選挙区における自民党の2人目の候補となる。
党内では、女性候補の登用やダイバーシティ推進の一環との見方もあるが、これまで党の路線と距離を置いてきた人物の擁立には「選挙目当てのイメージ戦略に過ぎない」との冷ややかな声も聞こえる。
擁立に向けた動きが進む中、党内の温度差がどのように埋められていくのか、注目が集まっている。