2025-05-21 コメント投稿する ▼
憲法審で仁比議員が訴えた「憲法を生かす政治」 平和主義と人権の実現へ国民的連帯を
憲法の理念を暮らしに生かす政治を
参議院の憲法審査会が5月21日に開かれ、各党による意見表明が行われた。この中で日本共産党の仁比聡平議員は、日本国憲法の掲げる平和と人権の原則を、いまこそ社会に根付かせるべきだと強く訴えた。自民党主導の安全保障政策や軍備拡張が、憲法の理念から逸脱していると批判し、国民の広範な連帯による「憲法を生かす運動」の必要性を強調した。
戦後80年、平和主義に背を向ける政治への警鐘
仁比氏はまず、日本政府が原爆被害者への補償責任を果たしてこなかった点に言及。日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳代表の声を引き、被爆者が今もなお放置されている現実に警鐘を鳴らした。そして、自民党政権が近年推し進める43兆円規模の軍事予算拡大や、日米軍事協力の加速は、「平和国家」を掲げた憲法の理念に反する暴走だと非難した。
さらに米トランプ政権の例を挙げ、国際秩序を軽視する動きに対して日本が無批判に追随することの危険性を指摘。「日米同盟が最優先」という姿勢は、むしろ日本を孤立させかねないとし、中国との対話や外交努力を通じて、東アジアの安定と平和を築く道を模索すべきだと述べた。
人権と多様性を保障する憲法の実現へ
また仁比氏は、同性婚の合法化や選択的夫婦別姓の導入といった、個人の尊厳と平等に関わる課題も憲法に関わる重要な論点であると主張。家制度に縛られた価値観を現代社会に持ち込むのは時代錯誤であり、個々人の選択を尊重する社会に向けて政治が責任を果たすべきだと訴えた。
特に、法制審議会が選択的夫婦別姓制度を答申してから30年近く経つにもかかわらず、未だ実現していないことに対し、「この遅れは社会のジェンダー平等を妨げるものだ」と指摘。家族観の押しつけを改め、個人の尊厳を基盤とした法整備を急ぐべきだと語った。
国民が主体となる「憲法を生かす政治」へ
最後に仁比氏は、「憲法を守る」という守勢ではなく、「憲法の理念を社会に反映させる」攻勢の姿勢が求められていると強調。政治の場だけに任せるのではなく、国民一人ひとりが立ち上がり、平和・人権・ジェンダー平等といった憲法の価値を共有し行動に移す必要があると語った。
* 政府による軍拡政策は憲法の平和主義に背くと批判
* 同性婚や夫婦別姓は憲法に基づく人権問題であり、早急な法整備が必要
* 中国との対話重視など、地域の平和は軍事ではなく外交で築くべき
* 憲法の理念を暮らしに根付かせる国民的な共同が必要