2025-08-26 コメント投稿する ▼
千葉市の公営競技「PIST6」10月から休止へ 6周短距離レースの今後は
千葉市の公営競技「PIST6」、半年間の休止へ
千葉市は26日、自転車トラック競技「ケイリン」に準拠した公営競技「PIST6(ピストシックス)」を、今年10月から来年3月まで一時休止すると発表した。休止期間中に車券販売を促進するための開催形態の見直しを行うとしており、再開後は運営方式が大きく変わる可能性がある。PIST6は2021年に始まったばかりの新しい試みだが、休止は事実上の立て直しを意味する。
「PIST6」とはどんな競技か
PIST6は千葉市の千葉JPFドームで2021年から実施されている公営競技で、オリンピックや世界選手権で行われる自転車トラック種目「ケイリン」に準拠している。特徴は、1周250メートルの木製バンクを6周=合計1500メートルで競う短距離決戦型のレースである点だ。従来の競輪(1周333~400メートルで6~10周、約2000~2500メートル)に比べ距離が短く、序盤からスピード感あふれる展開となる。
また、音楽や照明を取り入れた演出を導入し、エンターテインメント性を前面に出した点も従来の競輪と異なる。従来競輪が戦術性と駆け引きに重点が置かれるのに対し、PIST6は「瞬発力と一気の勝負」を売りにして新しい観客層の獲得を狙った。
開催休止の背景と課題
千葉市は「車券販売を促すために開催形態を見直す」と説明している。背景には、想定したほどの売り上げが得られていない現状があるとみられる。公営競技は自治体の財政にとって重要な収入源だが、競馬や従来の競輪に比べ、PIST6はまだ認知度や人気が十分に広がっていない。
SNS上でもファンや市民からさまざまな声があがっている。
「スピード感は面白いけど、まだ浸透してない」
「短距離すぎて戦術性に欠ける気がする」
「競馬やオートに比べると魅力の打ち出しが弱い」
「休止じゃなくて打ち切りにならないか心配」
「もっと宣伝すれば若いファンは付くと思う」
再開に向けた展望
千葉市は半年間の休止を経て、来年4月以降に再開する方針を示している。再開時にはレース数や距離、演出方法、プロモーション戦略まで含めて見直される可能性がある。全国の公営競技市場では競馬やオートレースがネット投票を軸に新規ファンを取り込んでおり、PIST6が再開後に存在感を高めるには、独自性とマーケティングの両立が不可欠だ。
千葉市は「スポーツを核とした地域活性化」を掲げており、PIST6もその象徴と位置づけられている。観光や地域経済と結び付けながら、千葉発の公営競技として定着させられるかどうかが焦点となる。
千葉市「PIST6」休止と今後の公営競技の行方
PIST6の一時休止は、開始からわずか3年での大きな転換点となった。公営競技としての採算性をどう確保するか、千葉市の対応は全国的にも注目される。競技自体のスピード感や演出は評価を得ているだけに、再開に向けた改革が成功するかどうかが今後の存続を左右する。日本の公営競技市場において、PIST6が独自の位置を築けるかどうかは、この半年間の立て直しにかかっている。