給食なき夏休み、子どもの“空腹”を誰が救う? 山梨のフードバンク支援と自助頼み政治の限界

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給食なき夏休み、子どもの“空腹”を誰が救う? 山梨のフードバンク支援と自助頼み政治の限界

物価高騰で増える「昼食抜きの子どもたち」


コメや食料品の高騰が続くなか、生活に困窮する家庭では、夏休み中の子どもの昼食すら確保できないケースが増えている。学校給食が唯一のまともな食事という子どもたちにとって、夏休みは“飢える休み”になりかねない。

山梨県ではこの事態に危機感を抱き、県やフードバンク団体、教職員組合、企業、労働組合などが一体となって緊急支援に乗り出した。特に注目されているのが、認定NPO法人「フードバンク山梨」(FB山梨)の取り組みだ。
同団体が行う「こども支援プロジェクト」には、昨年の890世帯を大きく上回る1700世帯から支援申請が殺到している。しかし、寄付は約25%も減少。物価高で一般家庭の“支える側”の余力も削られている現状が浮き彫りとなっている。

「子どもの食事を削る社会、終わってる」
「生活保護世帯が2食も取れないとか、何の先進国だよ」
「夏休みが来るのが怖いって…子どもにそんな思いさせるなよ」
「寄付ばっか頼るって国の責任は?」
「うちもギリギリ、もう助ける側になれない…」


フードバンクの挑戦と限界


支援の申込数は爆発的に増加しているが、寄付は追いついていない。そこでFB山梨は新たに「フードバンクセット」という寄付スキームを始めた。スーパー店頭で消費者が1000円程度の支援食品セットを購入すると、その内容がそのままFB山梨に届けられる仕組みだ。カップ麺やレトルト食品など、保存性の高い食料が含まれており、手軽に支援に参加できることから注目されている。

これは、北米では一般的だが日本では初の試み。連合山梨などの労働団体や県内の高校生も食料を集めて協力しているものの、それでもニーズには到底足りない。理事長の米山けい子氏は「足りない分はFB山梨が自費で購入して補塡するしかない」と苦しい胸の内を語っている。

1日2回以上の食事をとっていない世帯は14%にものぼり、ここでも子どもたちが犠牲になっている。支援現場は、時間とも、食料とも、そして政治の無策とも戦っている。

県の緊急対応と「遅きに失した」政治の責任


事態の深刻さを後押ししたのは、山梨県が3月に実施した生活保護世帯への実態調査だ。「大変苦しい」と回答した世帯は36%、「やや苦しい」も含めれば75%が「苦しい」と訴えている。食事回数が1日2回に満たない家庭が14%という衝撃の実態が明らかになった。

この声を受けて、教職員組合が5月、長崎幸太郎知事に夏休み中の緊急支援を要請。県は6月議会で「子どもの貧困対策緊急支援事業費」として1億500万円を補正予算で可決。中高生を含む困窮家庭の子どもに対し、パスタや麺類など1カ月分の食料提供を決定した。夏休みに間に合わせるため、県職員は急ピッチで準備を進めている。

しかし、知事自身が「タイミングは遅きに失した」と認める通り、そもそもこの支援はもっと早く動くべきだった。長年にわたり「検討中」「慎重に対応中」と繰り返してきた自民党県政の動きの鈍さが、結果的に子どもたちの“飢え”を放置してきたとも言える。

「苦しいって調査結果が出るまで何してたの?」
「予算出したのは評価するけど、遅すぎた」
「子どもは待ってくれないんだよ」
「結局、動くのはフードバンク。行政は後手」
「自民の“検討使”体質が命に関わってる」


全国的課題に対して、山梨が示した一つの解


給食が止まる長期休暇中の食支援は、山梨だけでなく全国的な課題だ。にもかかわらず、国政レベルでの抜本的な対策は進んでいない。物価高に対する一時的な給付金や補助金では根本的な問題は解決できない。消費税の減税や、所得の再分配を促す税制改革など、「制度としての支え」がなければ、地域の善意に過度に依存する今の構造は続かない。

今回の山梨の対応は、政治の遅れを地域の現場がカバーするという典型的な構図だ。県の動きが「全国初の連携事例」として注目される一方で、それを“美談”として終わらせてはいけない。問題はあくまで、「どうしてここまで困窮しているのか」「なぜ国が主導して動けないのか」である。

支援が重複することへの指摘もあるが、「支援が届かないよりは重複してでも届ける」という方針は、現場感覚として妥当だ。支援を必要とする家庭は想像以上に多く、今この瞬間もギリギリの生活を強いられている。

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2025-06-30 09:49:44(植村)

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