2025-06-27 コメント投稿する ▼
政府が民間主導のまちづくり加速へ 石破首相「規制改革に即着手」 地方創生を現場主導に転換
民間主導で地方創生を加速 政府が戦略強化へ 石破首相「規制改革は即断即行」
政府は27日、官邸において石破茂首相を議長とする「民間主導のまちづくり推進会議」の初会合を開催した。構成メンバーは関係閣僚と民間有識者で、会議では地方創生に積極的に取り組んでいる企業経営者から、現場の実情と課題を直接ヒアリングした。
政府はこの会議での議論をベースに、年内に改定予定の地方創生の総合戦略へ具体的な施策を盛り込む方針。石破首相は会合の冒頭、「必要な規制改革や支援は、できるものからすぐにでも着手する」と明言し、スピード重視の姿勢を打ち出した。
「ようやく“やる気ある地元”を応援する動きが出てきた」
「役所が主導すると古い体質が出てくる。民間に任せるのが一番」
「地方の元気が国の底力。経営感覚ある政治に期待」
「補助金じゃなくて投資を呼び込む発想が必要」
「こういう議論こそテレビでちゃんと取り上げるべき」
ジンズ田中氏とジャパネット高田氏が事例を共有
今回の会合には、眼鏡チェーン「JINS」を展開するジンズホールディングスCEOの田中仁氏、そしてジャパネットホールディングス社長の高田旭人氏が出席。両氏はそれぞれ、自社の拠点地域で行っているまちづくりの取り組みを紹介した。
田中氏は、自らの創業地でもある群馬県前橋市での中心市街地再生について説明。シャッター通りと化していたエリアをリノベーションによって再活性化させた過程や、市民との協働による文化交流スペースの設置など、具体的な成果を報告した。
一方の高田氏は、長崎県佐世保市を中心に展開している観光・スポーツ事業を紹介。V・ファーレン長崎を核とした地域密着型クラブ経営や、観光・宿泊施設の再編による雇用創出について語り、「地域課題を“事業”として解決する発想が必要」と提言した。
政府関係者のひとりは、「官と民が対等に議論できる場ができた意義は大きい。戦略の実効性が増す」と述べ、現場の声を重視した政策形成の必要性を強調した。
旧来の補助金依存型からの脱却なるか
今回の会議が打ち出す「民間主導」は、単なるスローガンにとどまらない。地方創生が「国の交付金頼み」から「持続可能な民間事業」への転換を求められる中で、政府がどう後押しできるかが問われている。
石破首相が示した「即断即行の改革」は、特区制度や用途規制の見直し、民間投資を阻害する法制度の整理などを含む可能性が高い。補助金や助成金に依存しない地方活性の形を目指し、「稼ぐ地域」をつくるという流れが、今後の国家戦略の柱となる。
また、民間による成功事例を政府戦略に組み込むアプローチは、「実効性のある政策」として注目されている。これまでの“上から目線のまちづくり”ではなく、地域に根を張るプレイヤーのアイデアをどう国が支えるかがカギを握る。
中央と地方の役割再編へ 政治の意思が問われる局面
政府内ではすでに、他の地域にも同様の事例を横展開することを視野に入れ、規制緩和や資金調達支援のための法制度整備が検討されている。だが一方で、民間任せの姿勢が一部の自治体で「丸投げ」や「放任主義」と受け取られないよう、一定のガバナンスの確保も課題となる。
石破政権としては、地方創生を「理念」から「実行」へと移すためのリーダーシップを見せることが求められており、その意味で今回の会議の立ち上げは象徴的だ。地方創生は長年“掛け声倒れ”と揶揄されてきただけに、今回こそ「結果」を示す必要がある。
年末までにまとめられる総合戦略には、今回の会合で得られた現場の知見が具体的に反映される見込み。次代のまちづくりは、もはや行政の専売特許ではない。政治が企業や地域住民の声に耳を傾け、制度を柔軟に変えていけるか――その覚悟が、試されている。