2025-08-08 コメント投稿する ▼
都議会の“閉鎖性”に挑む無所属議員 佐藤沙織里氏、動画発信と市民の声で議会改革訴え
“動画で都議会改革”に挑む 無所属・佐藤沙織里都議の訴え
閉ざされた議会に風穴を開ける無所属都議の挑戦
東京都議会議員選挙で、都民ファーストの現職らを破り初当選を果たした無所属(やちよの会)の佐藤沙織里氏。公認会計士・税理士の資格を持ち、動画発信による政治活動で注目を集めている彼女は、議会という場の“閉鎖性”に問題意識を強く持っている。
政治家としてやっとスタートが切れたが、同時に都議会がいかに閉鎖的な場所なのかを知って驚いている
そう語る佐藤氏は、議会運営の実態に強い違和感を抱いたという。
議会運営は「無所属排除」 会派優遇の構造にメス
都議会では、議会の方向性を決定する議会運営委員会への参加資格が“会派所属”に限定されている。無所属の佐藤氏は、その議論の場に立つことすら許されない。
議会運営委員会は会派の議員しか出席できず、私のような無所属の意見は切り捨てられてしまう。これはおかしいのではないかと。いま、ほかの無所属議員や少数会派と一緒に私たちも権利を得られるよう戦っている
一人会派や無所属議員の排除は、多様な意見を反映させるべき議会本来の役割から逸脱しており、「議会改革」の必要性を浮き彫りにしている。
財政の専門性を活かせない制度 動画で市民が“声”を上げる
佐藤氏は選挙戦で、財政運営や行政改革を主要な争点として訴えてきた。にもかかわらず、都議会の常任委員会は会派優先で割り振られ、無所属の彼女には“残り物”しか割り当てられない。
都議会には9つの常任委員会があるが、私たちは会派の議員らが選んだ残り物を与えられるだけ
しかし、彼女のユーチューブ動画での訴えは市民の共感を呼び、都には「財政の専門家である佐藤沙織里を財政委員に」という要望が約8700件も寄せられているという。
また、社会保険料の徴収業務についても課題を指摘する。現在は区市町村ごとに対応しており、非効率な縦割り構造になっていることから、都が横断的に対応できる仕組みの創設を提案している。
「ユーチューバーではなく都議として」毎日が定例会
佐藤氏のユーチューブチャンネルは登録者数が46万人近くに達しており、政治家としては異例の影響力を持つ。彼女は動画を通じて、都議会の動きや日々の活動を市民に“見える化”しようとしている。
「その日にあった出来事を何かしら発信しているので、毎日が定例会のような感じになっている」
もちろん、議会外での活動に対しては批判の声もある。
ユーチューバーじゃなくて議会の仕事をしろ
というコメントも少なくない。だが佐藤氏は、発信そのものが「議会の情報開示」であると強調する。
見ている方々と同じ目線に立ちながら(任期の)4年間を走っていきたい
改革の“原動力”は市民とのつながり
これまで都議会では、無所属や少数会派の意見が軽視されてきた。しかし今、ネットを通じて市民の声が直接議会に届く時代になりつつある。佐藤氏の取り組みは、まさにその象徴的な事例といえる。
彼女の改革はまだ始まったばかりだが、「政治は“誰のため”にあるのか?」を問い直す動きとして、今後の都政に与える影響は小さくない。