2025-06-28 コメント投稿する ▼
赤沢再生相、関税交渉で“異例の長期滞在” トランプ政権と連日の火花 7回目の訪米で正念場
日米関税協議、期限迫るなか異例の粘り腰
経済再生担当の赤沢亮正大臣が、アメリカでの対米関税交渉において異例の動きを見せている。6月28日、赤沢氏はラトニック米商務長官と2日連続で協議を行い、さらに29日にも協議時間を確保するため当初予定されていた帰国を延期。7月9日に迫る「相互関税上乗せ分の停止期限」を前に、日米の交渉は緊迫の度を増している。
今回の訪米は赤沢氏にとって通算7回目。27日にはラトニック長官と約1時間にわたり対面協議を行い、翌28日には午前・午後にわけて電話で15分、20分と立て続けに意見交換を重ねた。日本政府は「日米双方に利益となる合意を実現できるよう精力的に調整を続ける」との方針を示し、現地での再協議を模索する姿勢を崩していない。
トランプ政権の関税攻勢と“日本の防衛線”
今回の焦点は、トランプ政権が打ち出す相互関税の引き上げ措置。この関税は、日本製の一部工業製品や自動車部品などが対象とされており、現状のままでは7月9日以降に実施される見通しだ。赤沢氏は米側の調整役であるベセント財務長官との会談も調整中とされており、「実入りのある譲歩」を得るために全方位の交渉を展開している。
これに対し米側は、対中強硬路線を継続する中で、同盟国である日本に対しても「対等な市場開放」を求める姿勢を鮮明にしている。特にトランプ政権は「自国産業保護」と「製造業回帰」を旗印に掲げ、関税を交渉カードとして利用する動きが顕著だ。
日本政府にとっては、経済安全保障と日米同盟の維持という二正面作戦を強いられる状況。関税措置は日本の輸出企業、とりわけ中堅メーカーに深刻な影響を与える可能性があり、交渉の行方は国内経済にも波及する。
赤沢再生相の“交渉スタイル”に評価と課題
赤沢氏は財務官僚出身の論理派として知られ、2024年の内閣改造で経済再生担当相に抜擢されたばかり。今回の交渉でも、手堅く立場を主張しつつ、合意形成に向けた“粘り強さ”を見せている。
一方、官邸周辺では「帰国を延ばしてまで成果を追いすぎていないか」との慎重論も出ている。成果を得られなければ逆に「成果なしの居残り」と批判される可能性があるため、勝負の着地点をどこに見いだすかが問われている。
ネット上では、赤沢氏の姿勢に対して一定の評価と期待、そして懐疑の声も混在している。
「今どきこんなに汗かく政治家がいるのかと正直驚いた」
「7回目って逆に成果ないんじゃ…税金で出張してるの忘れないで」
「関税だけは絶対に譲っちゃダメ。輸出頼みの地方企業が潰れる」
「交渉がんばってるのはわかるが、情報が出てこないのが不安」
「どうせ選挙パフォーマンスだろって見てる人も多いよ」
最終交渉フェーズへ 「国益」をどう守るか
帰国を延期してまで交渉に臨む赤沢氏の姿勢は、官僚上がりの技術系大臣には珍しい“現場主義”の表れとも言える。ただし、焦点はパフォーマンスではなく、「どんな成果を持ち帰れるか」に尽きる。
仮に合意に至らず、7月9日に関税が発動されれば、日米関係にも経済界にも深いしこりを残す。一方で、関税の一部緩和や猶予措置を勝ち取ることができれば、政権への一定の評価にもつながる可能性がある。
今後数日が交渉の山場となる見通しで、日本政府としてはベセント財務長官との直接会談を実現できるかがカギを握る。外交と経済の交差点で繰り広げられる静かな戦いは、やがて日本の国益を左右する重大な局面となる。