2025-04-24 コメント投稿する ▼
「高齢者ワクチンは危険」は誤情報 米山隆一氏が科学的根拠に基づき反論
米山隆一氏、高齢者ワクチン接種の意義を強調
――「予防接種は危険」は科学的根拠なしと警鐘
政治家発言の影響力に警戒
元新潟県知事で衆議院議員の米山隆一氏が、自身のX(旧Twitter)で「高齢者の予防接種は危ない」とする言説に強く反論し、医療・科学的観点からの冷静な理解を呼びかけた。
米山氏は投稿で次のように述べた。
「『高齢者の予防接種は危ない』と言う科学的根拠はありません。勿論ワクチンには全ての薬・治療と同様に一定のリスクがありますが、感染症を防ぐ利益の方が遥かに高い事が科学的に確認されています」
特に強調されたのは、政治家や有識者の発言の影響力についての警戒感だ。
「国会議員は医学・科学の専門科ではなく、其の発信は医学的・科学的正しさが確認された物ではありません」とし、政治的立場からの根拠なき医療情報の発信が、社会的混乱や誤解を招く可能性を懸念した。
ワクチンの効果と副反応のバランス
厚生労働省の公開資料によれば、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンは、高齢者の重症化リスクを著しく減らすことが確認されている。新型コロナウイルスワクチンについても、高齢者層への接種によって入院率や死亡率が大幅に下がったことが、国内外の研究で実証されている。
一方で、ワクチンには副反応のリスクもある。特に高齢者は体調変化が起きやすく、接種後の経過観察が重要だ。しかし、そのリスクは極めて低い確率であり、「打たないリスク」と比較して明らかに小さいというのが医学界の共通認識だ。日本感染症学会や日本老年医学会も、積極的な接種を推奨している。
誤情報の拡散に警鐘
近年、SNSを通じて科学的根拠に乏しい医療情報が流布され、国民の不安を煽るケースが増えている。特に「ワクチンは危険」「高齢者は打たない方がいい」といった主張が、政治的立場や個人的思想から拡散される事例もある。
米山氏の発言は、そうした風潮に対する警鐘であり、「政治家が医療・科学的事実をねじ曲げることは許されない」との強い問題提起でもある。医学の専門知識に基づかない発信が、社会的なワクチン忌避や医療不信を招くことへの深い危機感がにじんでいる。
社会全体の理解促進がカギ
ワクチンを巡る議論では、リスクをゼロとせず、正確な情報と冷静な判断が不可欠だ。米山氏のように医師資格を持つ政治家が、科学的根拠に基づいた発言を行う意義は大きい。高齢者自身とその家族が安心して接種の判断を下せるよう、行政や政治家、医療従事者が一体となって正しい情報発信に努めることが今後の課題である。