2025-08-22 コメント投稿する ▼
国交省、26年度概算要求7兆812億円 インフラ老朽化対策に1兆783億円
国交省、26年度概算要求は7兆812億円に
2026年度予算の国土交通省の概算要求が22日までに判明した。総額は7兆812億円で、2025年度当初予算比1.19倍となった。公共事業関係費は6兆2820億円を計上し、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえ、老朽化する社会インフラの対策を加速させる方針だ。防災や公共交通機関の乏しい地域における「交通空白」解消にも引き続き重点を置く。
インフラ老朽化対策に重点配分
上下水道や道路、河川施設といったインフラの老朽化対策には1兆783億円を盛り込み、前年度から大幅に増額した。南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備える防災対策費には2479億円を充て、自治体の防災力強化を後押しする。
相次ぐ豪雨や土砂災害への対応として設けられた「防災・安全交付金」は1兆185億円。津波対策を含め、各自治体が地域事情に応じて活用できる仕組みを拡充する。こうした防災関連の予算増額は、災害多発国である日本における国土強靱化の重要性を反映している。
「八潮の道路陥没は氷山の一角。全国で同じことが起きても不思議じゃない」
「インフラ更新は待ったなしだが、結局ツケは国民に回る」
「災害対策は歓迎だが、予算が適切に使われるか不安」
「地方の交通空白が埋まるなら意味がある」
「もう公共事業頼みの景気対策はやめてほしい」
物流網・交通空白解消への取り組み
物流網強化に向けた道路整備費は4182億円を確保。近年、物流業界では人手不足や輸送力の限界が課題となっており、「物流2024年問題」も指摘されていることから、効率的な輸送網整備は急務となっている。
また、地域交通の維持や再構築には342億円を計上。過疎地などでバスや鉄道の便が廃止され、「交通空白地帯」が拡大している現状に対応する。公共交通機関の持続可能性を確保するため、デマンド型交通や地域主体の仕組みづくりが進められる見込みだ。
社会資本整備と観光施策
自治体がインフラ整備に充てる社会資本整備総合交付金は5862億円。地域の課題に応じた道路、下水道、港湾などの整備に活用される。さらに、国際観光旅客税(いわゆる出国税)を財源にした施策には前年度比1.59倍の700億円を要求。訪日外国人旅行者の増加を見据え、観光インフラ整備や地域資源の活用に振り向けられる。
課題と展望
今回の概算要求は、防災・老朽化対策を中心に国民の安全を守る姿勢を打ち出す一方、公共事業費の大幅増は財政規律とのバランスをめぐって議論を呼びそうだ。石破茂総理は「国土の安全と安心を守る投資は不可欠」としており、財源をどう確保するかが今後の焦点となる。
社会インフラの老朽化は一刻を争う課題であり、同時に持続可能な財政運営が求められる。国交省の要求がどこまで予算に反映されるかは、来年度以降の日本の防災・交通政策の方向性を占う重要な試金石となる。